へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

キチローメールで、お楽しみ

2015-02-12 22:51:19 | へちま細太郎

こんばんは、へちま細太郎です。

キチローのメールでイライラしまくっていたので、このストレス解消には、
須庭寺にいって、副住職さんをからかうのが一番だ。
で、件のメールを見せたら、
「なんだこれ、この『都会には誘惑がいっぱいあって、ボクもボクを保っていられるかどうかわからないけど、都会の素敵な女性がたくさんボクに言い寄ってきても、ボクは君を忘れたりしないよ』って、よほど自分に自信があるのか?コイツ」
と大爆笑。
隣にいた住職様も、
「ほお、コイツはロミオメールとかいうやつに近いものだな」
と、なぞのことを言う。
「ロミオメールって、何それ」
ぼくは、初めてきく単語に理解不能。
「別れた彼女や妻に送信される、未練ありげな内容のメールを言うんだな。逆はジュリメール」
「何、それ」
ぼくは、そんな情けないメールを男が送るものなのか、にわかには信じられなかった。
「最近、ヒマなものでまとめサイトにハマっておってな、特にロミオメールというやつが、これまた傑作で。誤字脱字はあたりまえ、意味不明な造作用語と、頭の中が沸いてるような内容ばかりだぞ」
と、スマホを取り出し、
「見るか?」
と、サイトを開きだしたから、
「みないよ、そんなもの」
と、拒否。
「なんだ、面白いのに、つまらんの」
住職様は、ぶつくさつぶやきながらスマホを袈裟の中にしまう。
「このくそじじはな、座禅会でもスマホを鳴らして顰蹙をかってんだ。若くはねえんだから、少しは自重しろっての」
副住職さまは、じろりと住職様をにらんだが、
「『その実は、ボクのえ~む(Mだって)な気持ちをえぐり続けてきたんだヨ』って、コイツ、気持ち悪いな・・・って、元ヤンの血がうずきだしたぜ」
と、突然にやりと不適な笑みを浮かべた。
「やっちゃうか?」
住職様は、副住職さんの肩をたたいて副住職さん以上に恐ろしい笑みを浮かべた。
「さまよえる子羊は、当寺で救って差し上げんとな」
あの~、ここってお寺ですよね~、さまよえる子羊って、それって宗旨が違くね?
「御仏の前では、すべての大衆はみな平等である」
意味わかんないんですけど・・・。

キチロー、おめ、自業自得な運命がまってっと~。
ざまあみろ。

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藤川先生悩む

2015-02-12 00:14:36 | へちま細太郎

藤川だ。

へろ~子猫ちゃんたちって、書こうとしたら、キチローのメールを思い出して、
やめた。
細太郎から、はるみのメールを見せられて、
「なんじゃ、こりゃ」
と、思わず声を上げた。
「これってさ、解読不能ってわけじゃないけど、ようするにアレだ。進学後に二人は遠距離恋愛になっちゃうけど、でも、その前に二人で愛を確かめあおうってヤツ?」
「だと思うよ」
細太郎は、ミッフィーをもふもふさせながら、不機嫌な声で答える。
俺は気付かないふりで、
「で、“気味”は“君”の間違いだってわかるけど、“藤乾け”ってのは、アレか?俺んちか?」
と、俺んちの別宅の近所に住むキチローが、勝手に俺んちをデート場所に指名したってわけか。
「これ、3学年に報告して、お灸すえる案件だよな」
「気味を食べちゃうかもよって、卵でも食ってろだ、○チガイめ」
はるみとどうやらくっついたらしい細太郎は、勉強もそっちのけで俺にこのメールを見せてきた。
〆ても〆てもしつこいキチローに、細太郎も静かに怒っているらしい。
こいつは、小学生のころから腹が立つと何をやらかすかわからんガキだったが、本当に怒りがわくと、顔つきが険しくなるって、最近ようやく気がついた。
今までは、コイツ本気で怒ったりしたことなかったんだな。
てことは、それだけはるみに惚れたってことなのか?
理解不能なガキだ。
しかし、何考えてんだ、あのストーカーは。
将来が、心配なヤツだ。。。

でもな、キチロー、おまえ、まだどこの大学も合格してないだろう。
都会に出て女の子にモテるとか、何妄想してんだ?
勉強しろや~

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