へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

須庭寺のお坊さんのたわごと

2009-05-05 23:06:40 | へちま細太郎
拙僧は藤川孝洋である。

名を見ればわかる通り、美都藩藩主藤川家の分家の出身だ。拙僧の祖父が、あの元気な御隠居の弟にあたり、したがってバカ殿と拙僧はまたいとこ同士だ。さらに言えば、棒斐浄寺の藤川京は姉だ。
何?拙僧も失恋が原因で出家したのかと?たわけを申すな。拙僧の妻が、須庭寺の一人娘なのだ。実を申せば、妻には兄がいたのであるが、独身のまま他界してしまったので、仕方なく跡を継いだわけだ。

…。

けどよ~、間違っても藤川の名前は捨てねえぞ。
冗談じゃねえやい、これでも高校時代は、あの中坊のバカ殿に喧嘩のイロハを教えてやった、総番だ。それがなんの因果で寺の坊主にならなきゃいけねえ。
つい、法事で須庭寺の娘をナンパしたのが悪かったのか。本堂でヤっちまったのを御隠居にみられていたのが悪かったのか…。何にしても、あとの祭りだ。
しかし、細太郎というガキはからかいがいあるな。 今日もめんどうでほったらかしにしておいた方丈の裏の納戸や仏像を掃除させた。 ブツブツいいながらやっていたが、本人も有益なGWを過ごせて満足したろう。

いや、重畳重畳。