へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

冬休みの宿題

2007-01-03 22:54:49 | へちま細太郎
あけましておめでとう、広之お兄ちゃんことさらだ先生です。

年末年始を慶子とふたり、まったりと過ごそうと気合いを入れてみたけど、酒飲み過ぎて腰くだけ。慶子は怒るし、俺はへろへろだし、せっかくのまったりがもったりになってしまった(^~^)。
気を取り直しに細太郎のところに行けば、細太郎がいない。そしたら、
「おまえは何を考えているんだっ
と、おばさんにどなられた。
「へ?」
「へ…じゃないっ何なんだ、あの宿題の量はっ
ど~んと机を叩いて怒ったって、俺が決めたんじゃないやい。管理職に出せ、と言われたから学年会で決めたんだ。
「全く、近頃の学校は何を考えているんだよっ年末年始のくそ忙しい時に宿題をやらせるバカがどこにいる
おばさん、近頃の学校事情というものは…。
「管理職ったって、飲酒運転はやらかすわ、セクハラパワハラは当たり前だわ、酔って痴漢をするわ、いったいどんな基準で校長教頭になるんだ、一般人にもわかるように公開してもらいたいもんだわねっ
俺に言っても…。
「子供の学力が落ちてるのは、時間がないからだなんていいわけも甚だしいわ。家での勉強の習慣ができてないからだろがっ
もしもし?だったら、細太郎は部屋にこもる必要はないんじゃない?勉強の習慣ができてたら、今頃は楽チンになってるはずだべ? …と、声に出したかったけど、後がこわいのでやめた。
めんどくなった俺は慶子をおいて、2階の細太郎の部屋をのぞいてみると、細太郎はパソコンをいじって遊んでいる。
「ど~した細太郎、宿題をやってるんじゃないのか?」
「ううん、宿題は終わったよ。ただし、今日の分はね」
「多くて大変だろ」
「そんなことないよ、ドリルを冬休みの日にちの分だけわけてやれば、苦労しなくてすむでしょ」
と、何とも子供らしくない答えがかえってきた。
「広之お兄ちゃんこそ大変だねえ。お兄ちゃんは宿題反対派でしょ?」
おっ、わかってるじゃん。
「先生もなんだねえ…」
ど~ゆ~意味だっ細太郎、おまえ、ど~したんだあ~。
ガキにナマ言われるようじゃ、俺のヤンキー人生も終わりだなあ。
いっぺんに、老けちまったぜ