(1)
ライオンと他の動物たちが話をしていた。ライオンが「わしは世界で一番強い」と威張った。すると虎が「『人間の男』の方がお前なんかより強い」と言った。ライオンは怒り、「『人間の男』がわしより本当に強いかどうか、探しに行く」と言って出かけた。
(2)
するとライオンは男の羊飼いに出会った。ライオンが「お前は『人間の男』が?」と聞いた。すると羊飼いは「『羊飼い』だよ」と答えた。
《感想》ライオンは(人間の男の)「羊飼い」と「人間の男」が別だと思った。「白い馬」と「馬」が別だと思うのと同じだ。
《参考》「白馬非馬(はくばひば)」説は諸子百家の「名家」(メイカ)の学説。「白馬は馬にあらず」と論じる。兒 説(ゲイ セツ)、公孫竜らによって唱えられた。『韓非子』によれば、兒説が「白馬」に乗って関所を通る時、「馬」への通行税を役人が取ろうとした。兒説は「白馬非馬」説を唱え、税を免れようとしたが、役人が引かず税を取られた。公孫竜は平原君の食客として活躍した。しかし陰陽家の鄒衍が「そんな説など在っても役に立たない」と否定し、平原君も次第に公孫竜を遠ざけた。
(3)
さらに行くとライオンは男の老人に出会った。ライオンが「お前は『人間の男』が?」と聞いた。すると老人は「『老人』だよ」と答えた。
《感想》ライオンは(人間の男の)「老人」と「人間の男」が別だと思った。
(4)
ライオンはまたも「人間の男」を探し続けた。坂を上がって行くと、坂を下りてくる人間(男)に出会った。ライオンは「お前は『人間の男』か?」とたずねた。人間(男)は何も答えずに、銃をぶっ放した。ライオンは大怪我をした。
《感想》人間(男)はライオンが襲ってきたと思って、あるいはライオンを獲物と思って、銃をぶっ放した。ライオンは「人間の男」がいかなる者か、いかなる行動をとる者か、あらかじめ調べておくべきだった。『孫子』は「彼を知り己を知れば百戦殆(アヤウ)からず」と述べる。(敵情を知り、また自国の実情もよく知れば、何度戦っても負けない。)
ライオンと他の動物たちが話をしていた。ライオンが「わしは世界で一番強い」と威張った。すると虎が「『人間の男』の方がお前なんかより強い」と言った。ライオンは怒り、「『人間の男』がわしより本当に強いかどうか、探しに行く」と言って出かけた。
(2)
するとライオンは男の羊飼いに出会った。ライオンが「お前は『人間の男』が?」と聞いた。すると羊飼いは「『羊飼い』だよ」と答えた。
《感想》ライオンは(人間の男の)「羊飼い」と「人間の男」が別だと思った。「白い馬」と「馬」が別だと思うのと同じだ。
《参考》「白馬非馬(はくばひば)」説は諸子百家の「名家」(メイカ)の学説。「白馬は馬にあらず」と論じる。兒 説(ゲイ セツ)、公孫竜らによって唱えられた。『韓非子』によれば、兒説が「白馬」に乗って関所を通る時、「馬」への通行税を役人が取ろうとした。兒説は「白馬非馬」説を唱え、税を免れようとしたが、役人が引かず税を取られた。公孫竜は平原君の食客として活躍した。しかし陰陽家の鄒衍が「そんな説など在っても役に立たない」と否定し、平原君も次第に公孫竜を遠ざけた。
(3)
さらに行くとライオンは男の老人に出会った。ライオンが「お前は『人間の男』が?」と聞いた。すると老人は「『老人』だよ」と答えた。
《感想》ライオンは(人間の男の)「老人」と「人間の男」が別だと思った。
(4)
ライオンはまたも「人間の男」を探し続けた。坂を上がって行くと、坂を下りてくる人間(男)に出会った。ライオンは「お前は『人間の男』か?」とたずねた。人間(男)は何も答えずに、銃をぶっ放した。ライオンは大怪我をした。
《感想》人間(男)はライオンが襲ってきたと思って、あるいはライオンを獲物と思って、銃をぶっ放した。ライオンは「人間の男」がいかなる者か、いかなる行動をとる者か、あらかじめ調べておくべきだった。『孫子』は「彼を知り己を知れば百戦殆(アヤウ)からず」と述べる。(敵情を知り、また自国の実情もよく知れば、何度戦っても負けない。)