宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

小熊秀雄「珠をなくした牛」(1920年代)(『小熊秀雄童話集』より①)2009/6/20

2009-06-20 13:46:13 | Weblog
 牛がなぜモーモーと鳴くだけでまた日永一日草を食べているかが説明される。牛は昔おしゃべりの王様になれそうな位おしゃべりだったがおしゃべりの珠を口の中から抜き取られ遠くの草原に投げられてしまった。だからモーモーと鳴くだけとなりおしゃべりの珠を探すためいつも草原にいて草を食べる。
 おしゃべりだった牛は獰猛凶悪で森の暴君であった。あらゆる動物をひれ伏させ言う事を聞かない樵を大木でぺちゃんこにつぶして殺す。その牛が動物たちと樵の息子の策略で敗北。謝罪したため許されるがおしゃべりの珠は抜かれた。
 残酷な話である。樵はぺちゃんこにつぶされる。牛は獰猛凶悪さの象徴のおしゃべりの珠を抜かれいわば去勢される。殺人と去勢がさらりと描かれることが怖さを感じさせる。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする