冷たい北風が吹き荒れ、時折、雪がちらつく寒い日だった。とても外に出る気はしなかった。コタツで丸くなるしかなかった。
・・・(コンビニ)・・・
そんな寒い日の昼下がり、「おじいちゃん、コンビニ行こう」と言いながら、4歳と7歳の孫が2人連れだって入ってきた。
「ママが家にいるやろ」と問いかけると
「ママはコタツで寝てるし、お兄ちゃん達はゲームしてる。だから、コンビニ連れって」と。
のらりくらりとかわしていてが、お構いなしに「コンビニ行こう」を連呼し始め、テレビを見ているどころではなくなった。
「アレッ この寒いのに靴下はいてへんしジャンパーも来てへんし。外は寒いし風邪引くで」
「靴下、履いてくるわ。ジャンパーも着てきたら連れってくれる?」
「・・・(ノーコメント)」
2人が家に戻っていった後、隣にいた家内から「しつこいから、連れていかなしゃーないで」と。
寒風の中、2人を車に乗せてコンビニに走った。コンビニから戻り車から降りる時、「おじいちゃん、ありがとう」と。心地よい言葉が返ってきた。この言葉が魔法みたいに自分の心を酔わしてしまう。
・・・(YouTube)・・・
買ったばかりのテレビがwifiに繋がっている嬉しさから、YouTubeで「ちあきなおみ」などの懐メロソングを見ていた時だった。また、例の2人が揃って入ってきた。
このテレビ、「YouTubeできるん?」と聞いてきた。
思わず、「YouTubeって言葉、知ってんの?」問い返した。
「ウン、パソコンでもみれるし、ゲーム機でもみれる」と。
「ヘー」と言うしかなかった。YouTubeが何のことやら知らない家内は、隣でポカーンと聞いているだけだった。
「YouTubeできるんやったら、アンパンマンにして」
「家で見れるんやったら、帰って見たらエエのに」
「家のはお兄ちゃん達がゲームで使ってるから、見れん」
やむなく、アンパンマンにした。
こうなると、コタツに丸まって寝るしか仕方がなくなった・・・
<いつも入ってきては、翻弄してくれる天使たち>