普段、テレビ番組は録画しかみないが、今晩の「ポツンと一軒家」は県内だと知り放送をみた。もしかして我が有田の奥地が出るのかと思ったら、山脈を越えた北側の紀北地方の山奥のようだった。
街道からすれ違い出来ない山道を車で走ること約10分、そこから獣道を歩くこと2km・30分のところに一軒家があった。
これだけだと、よくある光景で珍しくはないが、魅入ったのは一人で住んでいる老人の「人となり」だった。
婿入りした87歳の男性は、一人で住むようになってから20年も経つと言う。奥さんは足を悪くして20年前に便利な場所に移り住んだらしい。
「人里離れた所に、一人で20年も?」「買物にもよくでかけると言うが、不便過ぎない?」「約2kmの獣道の修繕は自分でツルハシを使ったり、木を切って小さな橋をいくつもかける?」「屋根や塀は自分でペンキを塗る? 家の中はいつも整理整頓? 使った鍋や食器はすぐに洗って片づける?」・・・とても真似できない。しかも87歳!!!
そこまでして、ここに一人で住んでいる理由があると言う。奥さんの男兄弟が戦死したり事故死したりで2人の位牌を座敷に祀っているからだと言う。婿入りした立場なのに、自分が動けるうちは「いつでも帰って来れるように」守り抜くんだと言う。
放送を見て、その「人となり」に感動した。我が家から山脈一つ越えたところにこんな素晴らしい人が住んでいることを初めて知った。同じ県民として誇らしく思えた。一方で、自分の日々の言動が恥ずかしくなってきた・・・