三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

サロメは悪女か。

2007年10月23日 | サロメのはなし
今更ではありますが、そもそもサロメって何?というお話など。

ENの「サロメ」もそうですが、
一般的に知られているサロメのイメージは、
イギリスの作家、オスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」によるものです。

預言者ヨカナンに恋をしたユダヤの王女サロメ。
しかし、ヨカナンは神の世界に生き、サロメに目もくれない。
サロメは義父ヘロデ王の宴で、七つのヴェールの踊りを舞い、
褒美にヨカナンの首を求めます。
ついに自分のものとなった男に口づけするサロメ…。

この、「男の生首にキスする女」と「最後には全裸になる七つのヴェールの踊り」が、
ことさら強調されて流布しているため、サロメ=魔性の女、
そして、ともすると、やや悪趣味な演目と思われがちですが。

サロメは初め、新訳聖書に登場する「少女」でした。
聖書では名前もなく、ヨハネを憎む母ヘロデヤの望むままに、
舞の褒美に「預言者ヨハネの首」、つまり彼の死を求めるのです。
かつては、これに基づいた絵画や文学作品がほとんどでした。
たとえば、フローベールの小説「ヘロデヤ」など。

それが、19世紀末にモローの絵画やユイスマンスの文学を経て、
ワイルドの戯曲、その挿絵を描いたビアズリーにより、
今日のサロメ像が決定づけられたのです。
母の道具から、自らの意志で行動する恋する女へ。
この視点の転換は凄いですね…。

古今東西、多くの芸術家の創作意欲を刺激し続けてきたサロメ。
来春、また新しいサロメの伝説が生まれる―――。


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アートユニット「EN」第二回公演

SALOME

書 舞 劇 樂 影   のコラボレーション

■2008.2.2.sat.  19:00開演
      2.3.sun.  14:30開演 / 18:30開演
        受付開始:上演1時間前より / 開場:上演30分前より
■会場  一心寺シアター倶楽
        大阪市天王寺区逢阪2-6-13
■料金  前売り 2000円 / 当日 2300円
■お問い合わせ  sakiyama@wa-EN.net



オスカー・ワイルド原作の戯曲『サロメ』と
坂口安吾作の『桜の森の満開の下』をベースに
新たな解釈を加え、ENの“SALOME”が誕生します。

サロメをとりまく3人の男と純粋な欲望
舞台に流れる三味線と篠笛の音色が
幽玄の世界へと誘います。

ENの“SALOME”で
非日常な一時をお楽しみください。


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