HIBARIピアノ教室レッスン日記♪

ピアノのレッスン日記、その他ヒバリ先生が見聞きした音楽関係・芸術関係etcの日記。

スミレのワルツ

2012年05月19日 | レッスン日記(小中高生)
Sちゃん(小3):
今年の発表会に、「弾きたい」といって選んでいたのは、ストリーボック作曲の「すみれ」という曲でした。
だけどこの曲、Sちゃんには、ちょっと役不足だと思うよ?
Sちゃん、3年目だし、すごく実力ついたんだしさ、先生としては、もっとそれを生かした、そう、ピアニスティックな曲に挑戦してもらいたいんだけどなあ?

と、心の中では思っていた私ですが、子どもたちの自主的な気持ちはとっても大事。
とにかく、さっそく「すみれ」の練習を始めることにしました。
しかし、この時点で、我々師弟の間には、気持ちのすれ違いがあったのでした。
Sちゃん自身は、「発表会で『すみれ』を弾くんだ」とワクワクしていたでしょうが、先生の方は
「とにかく、まずは『すみれ』を堪能させてあげて、その後が、発表会準備のスタートだ」と思っていたのでした。

案の定、「すみれ」は、2回のレッスンでほとんど完成してしまいました。
「もう弾けたね。簡単にできちゃったねえー」先生は言いました。
「発表会まで、まだまだ2ヶ月以上もあるよ。もっと、ほかの曲もやってみようか?
「うん、そうだね・・・」
しめしめ。引っかかったぞ。
先生が提案したのは、「スミレのワルツ」という曲です。
ストリーボックの「すみれ」とおなじようにワルツの曲で、けれどずっと変化に富んでおしゃれな曲。
実は先生が、ついこの間ネットで見つけた、とてもレアなシャンソンなのだ。
日本で弾いてる人は、ほとんどいないと思うよ。ぜったいかっこいい!
幸いSちゃんも気に入ってくれたようで、「これがいい。これ弾いてみる」と言いました。ホッ。
じゃ、さっそく楽譜書いてあげるね、と約束して、その日は終わりました。
来週、楽譜を渡してあげよう、と最初は思ったのですが、いや、待てよ。
Sちゃんって、「知らない曲」や「難しい曲」に対して変に臆病なところがあって、まず「難しい」と思ってしまうと、なかなかやっかいになります。
そこで、ひそかにSちゃんのお母さんにメールし、お母さんのPCに楽譜の1ページ目を送信させてもらいました。
教室で先生から楽譜を渡されると、なんか難しそう!と感じるかもしれないけど、おうちでお母さんがプリントアウトして楽譜を渡してくれれば、Sちゃんはきっと安心する、と踏んでのことです。
お母さんが「ステキな曲ね」とか口添えしてくれれば、なおよし。
お母さんも、ちょびっと弾いてみてくれれば、なおなおよし。「知らない曲」じゃなくなっていくだろう。

こうして、お母さんを共犯に引き込んでの「秘密工作」は まんまと成功し、Sちゃんは機嫌よく「スミレのワルツ」にすんなりと入っていったのでした。
この続きは、来週また・・・ To be continued...

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