『はつかいち』 ぶらり

安芸の宮島の地・・・廿日市を見たまま紹介―独自の好奇心アンテナを張り巡らせて、ビビッと反応したものを紹介します。

野貝原山登山 ②

2018年02月20日 | 登山







 


険道を泉水峠に登っていると両側に石積みのある掘割りがみられ、これは険しい泉水峠にトンネルを掘りかけた跡である。
玖島の豪農八田家は廿日市の住吉新開など旧廿日市市域にも多くの土地を有し、また、後背地の山間部に広大な山林を所有していた。本拠地の玖島と廿日市を結んでいる1等里道の泉水峠は険しく、経済活動を高めるにはトンネルが必要とのことで工事を始めていたものと思われるのである。ところが大正3年(1914)廿日市町に本店を置いていた八田貯蓄銀行の取付け騒ぎで、八田家所有の山林1378町歩と田畑6町歩を抵当にするなどし、大正7年(1918)には八頭銀行に統廃合されたために、トンネルを造る必要性も薄れて中止となったものとみられる。
泉水峠のすぐ手前に石積みのある小さな平坦地がみられ、ここには昭和初期頃まで休憩所が設けられていた跡のようである。

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