卓球王国ブックス 166ページ 1300円+税
卓球の試合のコーチのためのコーチング本。
対象マーケットは小さいですが、他にこのような解説書はありません。ニッチマーケティングの典型例として取り上げても良い本です。
荻村伊智朗の名言「卓球はチェスをしながら100m走をするようなもの」にあるように、卓球という競技はスピードを中心とした体と、小さくて軽いボールの「速度」「コース」に加えて「回転」の組み合わせで闘う競技故に知も兼ね備えなければならない。ゲームにおけるコーチはこの知を支えパワーアップさせる役割がある。
このためにはコーチ(指導者)はデータ、情報を収集して頭にインプットして、選手に声をかける。その時の言葉によって選手の気持ちも持ちようが変わる。選手の意識を変えて、背中を押すような指導者の言葉が重要。
「あんな打ち方をしてはダメ」「なんであれが入らないのだ」ということを言うコーチがいますが、あれは選手を萎縮させるだけ。セットを落として戻ってきた選手に「あの3本が良かった」という言葉をかける。こういうコーチがいたら選手はプラスアルファの力を出す。さらに次の成長につながりますね。
昔話になりますが、試合にOBがやってきてコーチする。そのOBは相手選手を知らないどころか、普段の練習を観たこともない。それなのにセットの合間に「なんであれが取れない」とか「上回転のサービスを使え」とコーチされた。その時はまだ上回転系のサービスができなかったのにね。こういうコーチされて、醒めましたね。逆に冷静になったりして。
コーチしない人にとっても、自分のゲームについての考えかたや、また自分自身への声かけにも有効な本です。お薦め。
選手の力を引き出す言葉力 (卓球王国ブックス) | |
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