都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「森万里子 『Tom Na H-iu』」 SCAI 6/3
SCAI THE BATHHOUSE(台東区谷中6-1-23)
「森万里子 『Tom Na H-iu』」
4/21-6/3(会期終了)
2002年には木場のMOTでも個展を開催したという、森万里子の展覧会です。SCAIの大きな展示室に、高さ3メートルものガラスの立方体が一つ。それが仄かに、ただひたすらに点滅し続けています。暗がりの中で光の鼓動が刻まれている。そんな印象も受ける作品でした。
タイトルの「Tom Na H-iu」(トムナフーリ)とは、古代ケルトにおける精魂転生の場(画廊HPより)を意味する言葉なのだそうです。森は、そんなケルト伝説と、神秘的な石柱のイメージを組み合わせて、この巨大な立体作品を制作します。また、中で点滅する光は、スーパーカミオカンデから受信されたニュートリノのデータのイメージとのことです。(実際には、過去の受信データを短縮して再生させているそうです。)恒星が死を迎えた時(超新星爆発)に発せられるニュートリノと、魂の転生を意味するこのモニュメント。その組み合わせによって生まれたものとは、まさに生命の永劫回帰する場でしょうか。科学的なコンセプトによりながらも、何やら神々しい雰囲気も漂う作品でした。
光は様々な色になって点滅し続けます。そしてそれら別々の色を持った光は、時に溶け合うようにして混ざり合っていく。その瞬間が特に美しい。もう一歩、この立体と連動しあうような作品があれば良かったのですが、(展示として物足りなさも残りました。)もっと開放的な場に設置したらより映える作品かとも思いました。少し空間が足りません。
MOTでの個展は、残念ながら私が美術に関心を寄せる以前のことなので見ていません。いつかはまとまった形にて鑑賞してみたいと思います。
「森万里子 『Tom Na H-iu』」
4/21-6/3(会期終了)
2002年には木場のMOTでも個展を開催したという、森万里子の展覧会です。SCAIの大きな展示室に、高さ3メートルものガラスの立方体が一つ。それが仄かに、ただひたすらに点滅し続けています。暗がりの中で光の鼓動が刻まれている。そんな印象も受ける作品でした。
タイトルの「Tom Na H-iu」(トムナフーリ)とは、古代ケルトにおける精魂転生の場(画廊HPより)を意味する言葉なのだそうです。森は、そんなケルト伝説と、神秘的な石柱のイメージを組み合わせて、この巨大な立体作品を制作します。また、中で点滅する光は、スーパーカミオカンデから受信されたニュートリノのデータのイメージとのことです。(実際には、過去の受信データを短縮して再生させているそうです。)恒星が死を迎えた時(超新星爆発)に発せられるニュートリノと、魂の転生を意味するこのモニュメント。その組み合わせによって生まれたものとは、まさに生命の永劫回帰する場でしょうか。科学的なコンセプトによりながらも、何やら神々しい雰囲気も漂う作品でした。
光は様々な色になって点滅し続けます。そしてそれら別々の色を持った光は、時に溶け合うようにして混ざり合っていく。その瞬間が特に美しい。もう一歩、この立体と連動しあうような作品があれば良かったのですが、(展示として物足りなさも残りました。)もっと開放的な場に設置したらより映える作品かとも思いました。少し空間が足りません。
MOTでの個展は、残念ながら私が美術に関心を寄せる以前のことなので見ていません。いつかはまとまった形にて鑑賞してみたいと思います。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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なんとか僕も滑り込みでこの展示を観ることができました。
変化する明かりの深遠さに感動しましたが、インタラクティブな要素が加わったらもっと面白いだろうな、と。
こういうディメンションズアートがパッケージされた展示を観たいですね。
・・・ICC、再開しないですかね...。
>変化する明かりの深遠さに感動しましたが、インタラクティブな要素が加わったらもっと面白いだろう
そうですね。もう少し何か欲しいなと思いました。
>ICC、再開
心持ちにしているのですが、やはり厳しいのでしょうか。
今度も武満展を見に初台へ行く予定ですが、
やはりアートギャラリーとICCはセットでないといけませんよね!