都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「パラモデル パラの模型/ぼくらの空中楼閣」 メゾンエルメス
メゾンエルメス
「パラモデル パラの模型/ぼくらの空中楼閣」
2/16-5/6
メゾンエルメスで開催中のパラモデル個展、「パラの模型/ぼくらの空中楼閣」のプレスプレビューに参加してきました。
2001年に林泰彦(1971~)と中野裕介(1976~)により結成されたアートユニット「パラモデル」。パラレルやパラドックスなどを意味する「パラ」と、模型、設計図を意図する「モデル」の組み合わせ。これまでにも国内各地の美術館や画廊にて、まさに模型、言わば建築的なインスタレーションを展開してきました。
そのパラモデルが今回は東京のど真ん中、銀座のメゾンエルメスのクリスタルな空間に挑戦。これまた場を意識し、その構造を見事に活かしたインスタレーションを行っています。
ではその活かした構造とは。それこそエルメスを特徴付ける外壁のガラスブロックに他なりません。
メゾンエルメスは関西国際空港を設計したことでも知られるレンゾ・ピアノ氏の設計。外壁には45センチ角のガラスブロックが13000枚ほど張られています。
「パラの図式_#001」2013年
方眼用紙、アルミパイプ、木材、針金 540×630×1935センチ
パラモデルはそのガラスに着目。全く同じ45センチ四方のキューブをアルミと木材によって作り、それを上下左右に拡張させ、空間全体を埋め尽くすような巨大構造物を生み出しました。
「パラの図式_#001」2013年
方眼用紙、アルミパイプ、木材、針金 540×630×1935センチ
それが「パラの図式#001」、まるでキューブが細胞分裂して増殖するかのように展開した作品です。しかしながら内部は空洞、素材も簡素なパイプに方眼紙ということで、独特の軽やかさをもたたえています。
「パラの図式_#001」2013年
方眼用紙、アルミパイプ、木材、針金 540×630×1935センチ
それにしてもエルメスのガラス壁、その形と大きさに直接向き合った作品はこれまでにあったでしょうか。構造物は人工都市のようでもあり、また宙に浮く巨大戦艦のようでも。一方で増殖というキーワードにもよるのか、何らかの有機物のようにも見えてきます。
さて今、「人工都市」や「有機物」と書きましたが、それは本展のキーワードでもあります。
というのも作品は、レンゾ・ピアノのガラスブロックに、ブルーノ・タウトの「都市の冠~クリスタル建築」の構想を結びつけたもの。
「巨大な少年の建築計画(頭部)」2013年
工事用養生メッシュシートにインクジェット出力 435×435×655センチ
詳しくは配布の解説シートを参照いただきたいところですが、そこに「巨大な少年の建築計画(頭部)」のインスタレーションを加えることで、より人間的で複眼的なシナリオを持つ一種の物語が構築されているのです。
「巨大な少年の建築計画(腕部)」2013年
工事用養生メッシュシートにインクジェット出力 268×268×804センチ
パラモデルといえば現在、ステーションギャラリーで開催中の「始発電車を待ちながら」でプラレールを用いた作品も発表していますが、今回のエルメスのようにテクストも付随するコンセプチャルな作品もまた彼らの世界の在り方です。
巨大都市の一角、ある建築家による、巨大な少年の建築計画。
透明なガラスブロック群で出来た繭の中、胎児のように息づく少年は、
宮殿状の色とりどりに煌めく「都市の冠」を被っている。(パラモデル)
丸の内と銀座でパラモデルの全方位な魅力を楽しめるのではないでしょうか。
手前:「パラの模型_#003」2013年
透明塩ビパイプ、ランバーコア、糸
なお「パラの図式」や「パラの模型」など、一部の作品については、2月25日まで公開制作が行われるとか。増殖するパラモデルの世界をリアルタイムで知るチャンスです。
「Paramodel (パラモデル)/青幻舎」
5月6日まで開催されています。
「パラモデル パラの模型/ぼくらの空中楼閣」 メゾンエルメス
会期:2月16日(土)~5月6日(月・祝)
休廊:会期中無休。
時間:11:00~20:00 *日曜は19時まで。
料金:無料
住所:中央区銀座5-4-1 銀座メゾンエルメス8階フォーラム
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅B7出口すぐ。JR線有楽町駅徒歩5分。
注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
「パラモデル パラの模型/ぼくらの空中楼閣」
2/16-5/6
メゾンエルメスで開催中のパラモデル個展、「パラの模型/ぼくらの空中楼閣」のプレスプレビューに参加してきました。
2001年に林泰彦(1971~)と中野裕介(1976~)により結成されたアートユニット「パラモデル」。パラレルやパラドックスなどを意味する「パラ」と、模型、設計図を意図する「モデル」の組み合わせ。これまでにも国内各地の美術館や画廊にて、まさに模型、言わば建築的なインスタレーションを展開してきました。
そのパラモデルが今回は東京のど真ん中、銀座のメゾンエルメスのクリスタルな空間に挑戦。これまた場を意識し、その構造を見事に活かしたインスタレーションを行っています。
ではその活かした構造とは。それこそエルメスを特徴付ける外壁のガラスブロックに他なりません。
メゾンエルメスは関西国際空港を設計したことでも知られるレンゾ・ピアノ氏の設計。外壁には45センチ角のガラスブロックが13000枚ほど張られています。
「パラの図式_#001」2013年
方眼用紙、アルミパイプ、木材、針金 540×630×1935センチ
パラモデルはそのガラスに着目。全く同じ45センチ四方のキューブをアルミと木材によって作り、それを上下左右に拡張させ、空間全体を埋め尽くすような巨大構造物を生み出しました。
「パラの図式_#001」2013年
方眼用紙、アルミパイプ、木材、針金 540×630×1935センチ
それが「パラの図式#001」、まるでキューブが細胞分裂して増殖するかのように展開した作品です。しかしながら内部は空洞、素材も簡素なパイプに方眼紙ということで、独特の軽やかさをもたたえています。
「パラの図式_#001」2013年
方眼用紙、アルミパイプ、木材、針金 540×630×1935センチ
それにしてもエルメスのガラス壁、その形と大きさに直接向き合った作品はこれまでにあったでしょうか。構造物は人工都市のようでもあり、また宙に浮く巨大戦艦のようでも。一方で増殖というキーワードにもよるのか、何らかの有機物のようにも見えてきます。
さて今、「人工都市」や「有機物」と書きましたが、それは本展のキーワードでもあります。
というのも作品は、レンゾ・ピアノのガラスブロックに、ブルーノ・タウトの「都市の冠~クリスタル建築」の構想を結びつけたもの。
「巨大な少年の建築計画(頭部)」2013年
工事用養生メッシュシートにインクジェット出力 435×435×655センチ
詳しくは配布の解説シートを参照いただきたいところですが、そこに「巨大な少年の建築計画(頭部)」のインスタレーションを加えることで、より人間的で複眼的なシナリオを持つ一種の物語が構築されているのです。
「巨大な少年の建築計画(腕部)」2013年
工事用養生メッシュシートにインクジェット出力 268×268×804センチ
パラモデルといえば現在、ステーションギャラリーで開催中の「始発電車を待ちながら」でプラレールを用いた作品も発表していますが、今回のエルメスのようにテクストも付随するコンセプチャルな作品もまた彼らの世界の在り方です。
巨大都市の一角、ある建築家による、巨大な少年の建築計画。
透明なガラスブロック群で出来た繭の中、胎児のように息づく少年は、
宮殿状の色とりどりに煌めく「都市の冠」を被っている。(パラモデル)
丸の内と銀座でパラモデルの全方位な魅力を楽しめるのではないでしょうか。
手前:「パラの模型_#003」2013年
透明塩ビパイプ、ランバーコア、糸
なお「パラの図式」や「パラの模型」など、一部の作品については、2月25日まで公開制作が行われるとか。増殖するパラモデルの世界をリアルタイムで知るチャンスです。
「Paramodel (パラモデル)/青幻舎」
5月6日まで開催されています。
「パラモデル パラの模型/ぼくらの空中楼閣」 メゾンエルメス
会期:2月16日(土)~5月6日(月・祝)
休廊:会期中無休。
時間:11:00~20:00 *日曜は19時まで。
料金:無料
住所:中央区銀座5-4-1 銀座メゾンエルメス8階フォーラム
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅B7出口すぐ。JR線有楽町駅徒歩5分。
注)写真は報道内覧会時に主催者の許可を得て撮影したものです。
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