「第7回 shiseido art egg 久門剛史展」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー
「第7回 shiseido art egg 久門剛史展」 
1/8-1/31



今年もアートエッグの季節の到来です。資生堂ギャラリーで開催中の「第7回 shiseido art egg 久門剛史展」へ行って来ました。

毎年、年明けから行われる公募制の新進アーティスト紹介プログラム、資生堂アートエッグ。

今年も1月から3月末までの間、各1ヶ月毎に会期を区切り、3名のアーティストを個展形式で紹介。インスタレーションを中心とした展示が繰り広げられます。

その第一弾を飾るのが久門剛史。1981年に生まれ、2007年に京都市立芸術大学大学院を修了。音や光を素材に用いて、半ば日常に潜む美意識を拾い取るアーティストです。

というわけで、今回も音や光に注目。まずはお馴染みのギャラリーへ向かう階段を地下に降りてみましょう。

まず踊り場には紙によって出来た時計、「sumdays」が。秒針が時を刻みながら動くこの時計、一体何だろうか。そう思いながら、メインの地下フロアに降りてみました。

するとさながら舞台装置。屋根の付いた小屋が設置されているではありませんか。そしてそこにはコタツなども。また床にはおもむろにゴミ箱なども置かれています。

また空間全体には女の子のつぶやく声やセミの鳴き声などが断片的に流れています。

そして奥の展示室に目を向けましょう。そこにも同じくセット、古びた事務机などがぽつんと。またここでも目覚まし時計や電車の音などが突如、鳴り響き、それが随所に設置されたライトの灯りと呼応します。ようはセットと音で何らかのストーリーを紡ぐような仕掛けとなっているわけなのです。

いわば日常の微細な変化や出来事を、シンプルな仕掛けで気がつかせる久門。展示は全くをもって説明的ではありませんが、だからこそ喚起される微細な感覚、意識。常日頃、いかにそうしたものを切り捨てモノを見ているのかが良く分かります。

その切り捨ててしまっている何気ない普段の意識や感覚。初めの時計に戻りましょう。

あえて答えには触れませんが。文字盤の先にある小さなルーペを覗くと驚きの光景が広がっています。

これもモノがいかに見えていないかと思わせる一つの仕掛け。感覚が研ぎすまされはしないでしょうか。時を刻む秒針から、まさかこのような印象を受けるとは思いませんでした。

時間がある時にゆっくり向き合いたい展示です。



【第7回 shiseido art egg 展示スケジュール】
久門剛史展  1月8日(火)~31日(木)
ジョミ・キム展 2月5日(火)~28日(木)
川村麻純展  3月5日(火)~28日(木)

1月31日まで開催されています。

「第7回 shiseido art egg 久門剛史展」 資生堂ギャラリー
会期:1月8日(火)~31日(木)
休館:毎週月曜日
時間:11:00~19:00(平日)/11:00~18:00(日・祝)
住所:中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階
交通:東京メトロ銀座線・日比谷線・丸ノ内線銀座駅A2出口から徒歩4分。東京メトロ銀座線新橋駅3番出口から徒歩4分。
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