「國安孝昌展」 ギャラリーなつか 1/28

ギャラリーなつか(中央区銀座5-8-17 8F)
「國安孝昌展 -静かに行く、遠く帰る- 」
1/10-2/4

銀座のど真ん中のビル内にいるとは思えないような、大自然すらイメージさせる驚きのインスタレーション。「ギャラリーなつか」にて開催中の國安孝昌の個展です。

エレベーターを降りた瞬間、いきなり目に飛び込んで来たのは、ともかく丸木と小さなレンガによって組み立てられた巨大なオブジェ(?)でした。まるでキャンプファイアーか、はたまたどこかの軍事要塞にも見えてくるこれらの作品は、足の踏み場を探すのも難儀するほどギャラリーの空間を埋め尽くしています。作品を見るというよりも、むしろジャングルで木をかき分けながら探検している。そんな気分にもさせられます。

窓越しに外を眺めると眼下には中央通りが見えて、今自分が銀座にいることを確認できますが、中はそれと全く似つかない別世界です。それにしてもよくあれほど木とレンガをギャラリー(8階!)へ持ち込んだことでしょう。木とレンガが一個一個丁寧に積み上げられ、またつなげられて、結果的に空間全体を支配する巨大な構築物となる。素材は大変にシンプルですが、出来上がった作品の複雑さと、場の面白さは並大抵ではありません。これら全ての作品群が、まるで恐竜のような一つの巨大生物となって、見る者に襲いかかってくるとさえ思うほどです。

このような巨大な作品の一方で、両手で持ち抱えることも出来そうな、可愛らしい小さな作品も見逃すことが出来ません。こちらも同じく木とレンガで作られていますが、ある作品には、まるで燭台のように一本のロウソクが灯されていました。思わず手をかざしたくなるような温もりがあります。もちろん、小さなかがり火のようにして外へ飾っても美しい作品でしょう。

「見て感じなきゃ損のインスタレーション」。(展力『Recommend & Review』より。)まさにその通りでした。参りました。明日4日までの開催です。
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