東京国立近代美術館 「RIMPA展」

東京国立近代美術館(千代田区)
「RIMPA」展
2004/8/21~10/3(会期終了。)

竹橋の東京国立近代美術館で開催中の「RIMPA」展を見てきました。会期最終日ということでかなりの混雑を予想しましたが、あいにくの雨だったからか思っていたほど混雑していません。比較的ゆっくりと楽しむことが出来ました。

私は日本画の素養があるわけでもなく、また「琳派」について詳しいわけでもありませんが、今回の展覧会はいわゆる「琳派」の作品を集めただけではないそうです。パンフレットにも「今度の『琳派』はちがう。」と銘打たれています。琳派と合わせて展示されたクリムトやウォーホル。琳派の世界的な展開を探っていく観点とは言いながらも、美術館としてかなり冒険をしたのではないかと思わせる展示内容でした。ちなみに、会場入口にて一番に展示されていたのもクリムトの「裸の真実」です。これにはまず驚かされました。

肝心の琳派では、国宝である俵屋宗達の「蓮池水禽図」や京都・頂妙寺所蔵の「牛図」を初めとして、尾形光琳の著名な「風神雷神図屏風」や酒井抱一の「夏秋草図屏風」などの貴重な作品がズラリと並んでいます。これは見応え満点です。中でも私が特に感銘したのは、楓の赤が光る光琳の「槇楓図屏風」と、色紙のバランス感覚と遊び心が素晴らしい伝俵屋宗達の「色紙貼付桜山吹図屏風」、それに葉の流れ様と繊細な色彩感が美しい酒井抱一の「夏秋草図屏風」でした。特に最後の抱一の屏風はピカイチです。初めて知った方でしたが本当に素晴らしい作品だと思いました。

最後のセクションである「RIMPAの世界」には、クリムトやボナールなどの作品が並んでいます。初めて見るようなボナールのジャポニズム的な屏風画や、私の好きな李禹煥の作品(燕花に似ているそうですが…。)が見られたのは良かったと思いますが、マティスの「ジャズ」などに琳派の関係性を見るというのは少し謎めいています。議論は分かれるのでしょうが、はじめにも触れた通り、冒険をし過ぎた感もありました。

琳派の展覧会は、日本橋の三越(ギャラリー)でも始まったそうです。機会があればそちらも拝見してみたいと思います。
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