失業、貧困が映画のテーマになるなんて、格差切捨て社会の日本では考えられないコト。今の世の中を切り開いてきたものの、用がなくなって捨てられるダンコンの世代、いや、団塊の世代のような人たちがアルゼンチンにもいて、絶望の果てに反乱を起こしたものの出口が見つからずモガいていたら、そのムスコ、ムスメの世代が明るい明日を信じてスイスイと進んでいく、そんな社会派直球映画。ブンカ的な溝をそこここに感じながらも、深く染み入るような一編であった。
鉄道と共に栄えたアルゼンチンの小さな町。時代の流れに取り残されて鉄道の廃止が決まる。強制的な自主退職を強いられた鉄道員たちは金で釣られて分断され、それぞれの失業後の生活を生きていく。ところが世の中はかつての繁栄を支えたジブン達を必要としていない。よくある話だ。
子どもが病気で入院しても、保険に入っていないからまともな治療も受けられない若いオトコの家族や、タクシーの運転手になってマジメに働こうとしても追いはぎにあって痛めつけられるオトコなどがいる一方で、権力の側にすり寄ってマンマといい生活をして生き延びているオトコもいて、、これもよくある話だ。
それでもって溜まりに溜まったものが爆発してスーパー強盗を決行するオトコがいて、話は一気に盛り上がって哀しいながら、やや取ってつけたような明るい未来!みたいな結末を迎える。かなり無理のある展開だがそれは映画の世界。
こういうことの背景にあるのは、今、世界中を覆っている格差社会。銀行のカネ貸し業やメディア産業がのしてきている一方で、農業やら重工業やら鉄道などの世の中の基盤になっている産業が衰退していく。
虚業が実業を押しのけて広がっているわけだが、そんなものだけで食べていけないのは今の食糧危機を見たって明らか。アメリカのバイオ燃料投機のせいでアフリカで餓死者が出ている。それを救うためと称してヒモ付き援助をして利権を独占する。そろそろ大戦争が起きてもまったく不思議じゃない。
あの本当にどうしようもないバカ息子が大統領になったことが全ての始まりであるのも、明らか過ぎるくらい明らか。
新鋭ニコラス・トゥオッツォ監督の第1作。
2004年、アルゼンチン映画。
08.7.19 横浜・黄金町 シネマ ジャック&ベティにて。来週はココでこんなのがある。
鉄道と共に栄えたアルゼンチンの小さな町。時代の流れに取り残されて鉄道の廃止が決まる。強制的な自主退職を強いられた鉄道員たちは金で釣られて分断され、それぞれの失業後の生活を生きていく。ところが世の中はかつての繁栄を支えたジブン達を必要としていない。よくある話だ。
子どもが病気で入院しても、保険に入っていないからまともな治療も受けられない若いオトコの家族や、タクシーの運転手になってマジメに働こうとしても追いはぎにあって痛めつけられるオトコなどがいる一方で、権力の側にすり寄ってマンマといい生活をして生き延びているオトコもいて、、これもよくある話だ。
それでもって溜まりに溜まったものが爆発してスーパー強盗を決行するオトコがいて、話は一気に盛り上がって哀しいながら、やや取ってつけたような明るい未来!みたいな結末を迎える。かなり無理のある展開だがそれは映画の世界。
こういうことの背景にあるのは、今、世界中を覆っている格差社会。銀行のカネ貸し業やメディア産業がのしてきている一方で、農業やら重工業やら鉄道などの世の中の基盤になっている産業が衰退していく。
虚業が実業を押しのけて広がっているわけだが、そんなものだけで食べていけないのは今の食糧危機を見たって明らか。アメリカのバイオ燃料投機のせいでアフリカで餓死者が出ている。それを救うためと称してヒモ付き援助をして利権を独占する。そろそろ大戦争が起きてもまったく不思議じゃない。
あの本当にどうしようもないバカ息子が大統領になったことが全ての始まりであるのも、明らか過ぎるくらい明らか。
新鋭ニコラス・トゥオッツォ監督の第1作。
2004年、アルゼンチン映画。
08.7.19 横浜・黄金町 シネマ ジャック&ベティにて。来週はココでこんなのがある。