孫ふたり、還暦過ぎたら、五十肩

最近、妻や愚息たちから「もう、その話前に聞いたよ。」って言われる回数が増えてきました。ブログを始めようと思った動機です。

警察官に品格を期待するな。

2018年12月15日 | 社会観察
もう7年ほど前になるだろうか、私はその夏の2ヶ月を富士山五合目で過ごした事がある。


富士山には登山ルートが、全部で以下の4つある。

吉田ルート :富士スバルライン五合目(山梨)
須走ルート :須走口五合目(静岡)
御殿場ルート:御殿場口新五合目(静岡)
富士宮ルート:富士宮口五合目(静岡)

この中の富士宮口五合目にて、私は外国からくる登山客たちに登山指導と観光案内をするアルバイトをしたのだった。その時の雇用主は、富士宮市観光協会であったが、予算は静岡県が負担していたようだった。

日当が3万円という破格の求人だったので、私は電話で業務はいわゆる山岳ガイドなのかを確認したほどだったが、返事はそうではなく、主として装備や服装、日程の確認と指導ということで、登山ガイドではなかった。

日本人担当が6名ほど、外国人担当が4名くらいだった。

山開きから夏山シーズンの約2ヶ月間、毎日登山客が押しかけるわけではなく、主に週末と盆休みに集中するので、普段は退屈で死にそうなくらいの時が多かった。

当時は五合目まで自家用車で乗入れる事が出来たので、特に盆休みの週末などは、駐車スペースが足りなくて、それに絡む様々なトラブルが連発して大変であった。

そのために、富士宮警察署は五合目に臨時派出所を設置して、登山シーズンの日中は常時2名の警官を配置していた。

 矢印は山岳救助隊員

我々の勤務時間は8時~17時だったが、臨時派出所勤務のおまわりさんたち2名は、いつもパトカーで9時頃来て16時には山を降りていった。

富士宮市内の交番勤務のおまわりさんが、毎日日替わり交替でやって来ていた。

みなさん30歳前後のまだ初々しさの残る若者たちであった。登山客が多い日は、落し物を届けてくる人や、逆に落し物をしてしまった人が詰め所に駆け込んできて、その対応で急がしそうであったが、普段は我々と同じ手持ち無沙汰で退屈そうにしていた。

 交番勤務の警官

盆休みが始って登山客が増え始めた頃だった。

詰め所に到着したおまわりさん二人は、奥の六畳間の部屋に入って障子を閉め、小声で何か世間話でもしているようだった。詰め所前を通って登山口の石段にむかう人が徐々に増え始めてきた。

40分経っても、50分経っても二人のおまわりさんは奥の和室から出てくる気配がなかった。我々の仲間たちからは「あの二人、一体何しに来てるんだ?」と二人の警官に対して疑問の声が出始めた。

私は我慢できずに障子を開けて、「すみません、あなた方は一体ここに篭って何してらっしゃるんですか?登山客もかなり増えてきてますので、表に出て巡回していただけませんか?その警官の制服がいろいろ抑止効果を発揮すると思いますよ。」と言った。

二人は、私の言葉にムッとした顔をして、「巡回は10時と14時の二度することになってるんだよ。」うるさいなあ・・と言わんばかりであった。

平気でたばこの吸殻やゴミを陰に捨てていく登山者や、中には置き引き被害にあった登山客もいて、夏山に集う人は皆言い人ばかりではない。

制服制帽をまとった警察官が巡回しているだけでも、そういう軽犯罪の抑止効果はかなりあるはずだった。

奥の二人は10時少し過ぎた頃出てきて、土産物屋の方へ巡回を始めた。

相談に来る登山客の応接などを詰め所内で順調にこなしていたようなおまわりさんたちであったが、我々が目をむく様な信じられない光景を見たのは、お昼時のことだった。

登山者の往来もひと段落した頃、詰め所入口にある机に向かって何かを記録していたおまわりさんの一人が、昼食用のコンビニ弁当を食べ始めた時だった。

彼は、コンビニで買ってきたであろう週刊誌を取り出して、それを眺めながら食事していた。問題は彼が弁当を食べながら横目で見ていた週刊誌であるが、毎週、暴力団の特集が売り物の週刊誌で、何か彼の年代には不釣合いだった。

職業柄そういう情報を仕入れるためにその手の週刊誌を読みたがるのかどうかは分からなかったが、彼は特に周りを憚ることなく、グラビアの女性の裸の写真を食い入るように見ていたのだった。

詰め所入口の机でそれをやっていたので、女性登山客が天気予報の確認に出入りすることも多く、我々は彼の神経を疑った。同僚のおまわりさんはそれを見てみない素振りで無関心を装っていた。


こういう経験をしていた私は、先日のニュース。

8月の大坂冨田林署で弁護士と接見後、留置場を逃亡して世間を騒がせた事件の際、その時の巡査部長が私物のスマホでアダルト動画を鑑賞していた事が判明した、と聞かされても、「ああ、あり得るだろうな・・・」と、私は大して驚かなかった。

その巡査部長は40分もの間、アダルト動画を楽しんでいたことで減給の懲戒処分を受けたそうだが、きっと普段からやってたことで、反省するのも束の間のことだろう。

私は、偉ぶってこういう警察官たちを非難するつもりは毛頭ない。

ただ言いたいのは、『警察官に品格を求めてはいけないですよ。』

この一言です。

油山寺の紅葉

2018年12月15日 | 趣味の世界
私は特に信心深い方ではないので、そう頻繁に神社仏閣に参拝することはなかったのだが、今年は合計で20回以上は参拝したのではないかと思う。

神社は、遠州森町にある小國神社で、お寺は袋井市にある医王山油山寺である。

今年の1月、中旬だったが人ごみを避けて初詣に出かけた時のことだった。鳥居を抜けると大きな看板があって、今年が厄年に当たる人はこれこれ何年生れの人たちである。前厄はこちらの方々、後厄はこちらの方々・・と、掲げられていた。

その中に、今年が「八方塞がり」の方は、何年生まれの方々とあって、私はそれに含まれていたのだった。そもそも「八方塞がり」とは何なのかよく分からなかったが、言葉に良い響きはまったく感じられず、多分「天中殺」みたいなものか、と理解しただけだった。

しかし、気になるので主に小國神社には毎月のように参拝したのだった。

以前から贔屓にしている油山寺は、石段を上がったところに、見事な三重の塔があり、ここはなかなか見ごたえがあるので好きだった。

先週だったか、毎朝時計代わりにつけているテレビの気象情報のコーナーで、「今日は静岡県袋井市の医王山油山寺に来ています。」と聞こえてきたから、思わずテレビの前に進んだのだった。

なんで、油山寺?と思ったら、きれいな紅葉を紹介するためだった。

  紅葉がきれい

いつも三重の塔しか関心がなかったので、そこが紅葉で有名だと知って、時期が過ぎてしまったかと思ったが、今日出掛けてきた。

 山門は立派だ

 右側でおみくじを

テレビ中継の所為か、いつもより参拝客が多いような気がしたが、ここはお正月でもそれほど混まないので、好きなお寺だ。

なぜなのかは、よく分からないが、「目の霊山」ということで、境内にぶら下がった絵馬には、「目の病」に関する願掛けが目立つ。

本堂に進まず、横道を進むと石段があり、てっぺんには見事な三重の塔が建てられているが、今日は膝が痛かったので登らなかった。

 石段へ続く


深とした木立の中に小川のせせらぎが聞こえてくる、地味でも趣のあるおてらである。

「開発速度」と「問題意識の持ち方」雑感

2018年12月15日 | 社会観察
職場では、日本経済新聞が読めるので、毎日昼休みに目を通すのが楽しみだ。

最近の若者は、ほとんど新聞など読まないようで、職場でも新聞を読む者など私を含めてほんの数人のようだ。

いささか旧聞に属するかもしれないが、12月5日の日経新聞に出ていた記事には呆れてしまった。電子版で検索したら、見つかったので改めて読み直してみた。

以下、『』内は日本経済新聞電子版(2018/12/5 13:30)より抜粋。

・・・・・・・・・・・

『トヨタ自動車とダイハツ工業は5日、アクセルとブレーキの踏み間違いなどによる事故を防ぐ後付けの安全装置を発売した。75歳以上の運転免許保有者は国内で500万人を超え、高齢ドライバーへの対応が重要性を増している。』


『トヨタグループのアイシン精機が高齢者向けライドシェア(相乗り)サービスの実証実験に乗り出すなど車関連各社はシニア層のニーズを取り込もうとしている。』

なんとも世界のトヨタは、さすがにご対応の速いことで、と嫌味の一つも呟きたくなる記事だった。

不肖私が、このブログで老人ドライバーがいかに危険かを取り上げたのは、確か3年前のことだったと思う。それも、一度や二度ではない。Yahoo で【孫ふたり 老人ドライバー】で検索すれば、ブログに簡単にヒットするはずだ。





減少しているとはいえ、今でも年間数千人の人が交通事故で死んでいる。ちょっと前までは、年間1万人以上であったから、2年間で私の住む町の住民が一人残らず死んでいたことになる状況だった。



『交通事故総合分析センターの統計によると、ブレーキとアクセルの踏み間違いによる事故は減少傾向にある。それでも17年には4722件の事故が発生した。ペダルの踏み間違いによる事故は75歳以上のドライバーが起こしやすいという。』



コンビニなどは、自ら店の前面に頑丈な鉄製の車止めを設置しているほどで、状況は大して変っていないとみるべきだろう。

自動ブレーキが普及しているようでも、高齢者の運転する自動車がみなその安全装置を備えているわけではないし、その自動ブレーキ自体の性能にも、各社ばらつきがあるそうだ。

何よりも、老人ドライバー自身の心身は、健康そうに見えても、日に日に劣化しているのは間違いないことを忘れてはならない。



このたび、「満を持して」トヨタ(ダイハツもトヨタの子会社)が売り出した安全装置とは、いったいどんな装置なのだろうか?記事は紹介していた。


『トヨタが売り出した安全装置は障害物が近くにある状態で強くアクセルを踏むとブザーが鳴り、急発進を防ぐ。』

『車の前後に超音波センサーを2個ずつ設置。近くに障害物があるときにアクセルを踏み込むと、車内に設置した表示機が警告を表示し、ブザーが鳴る。さらに強く踏むと加速を抑える。』

一体、効果が期待できるのか出来ないのか、正直よく理解できないのだが、自動ブレーキが出始めの頃、よくテレビCMではその効果を映像でアピールしていた。今回の安全装置の効果を紹介するテレビCMは合っただろうか?

新車の多くには自動ブレーキが搭載されているこのご時世に、「踏み間違い防止の安全装置」を今頃売り出すトヨタの「問題意識」は、どうも理解し難いのである。

しかも、新車に標準装備する予定などなさそうで、あくまでも「後付け」。取り付け工賃込みで、価格は6万円前後するそうだ。(取り付け時間は約3時間)

トヨタを始めとする自動車メーカー各社は、自動運転、カーシェアリング、電気自動車など、めまぐるしい開発競争の真っ只中にあることは理解できる。

しかも、自動車産業は日本の基幹産業であることも充分理解できる。しかし・・

根本的に自分たちが人の命を奪う、非常に危険な乗り物を作っているということを忘れてはいませんか? 事故は運転者が引き起こすものだと考えていませんか?

やがて人工知能が制御する自動運転になれば、この世から交通事故などなくなると、本気で思ってるんでしょうか?


「踏み間違い防止の安全装置」など、問題を直視して早急に取り組めば、もっともっと早い段階で『改善』が可能だったんじゃないでしょうか。


高齢化社会先進国のトップメーカーとしての問題意識の持ち方には、疑問を感じざるを得ません。必死の取り組みの結果、この時期の発表となったとすれば、その開発スピードと技術力に別の疑問を感じてしまいます。