母は朝湯船の中で水を一杯美味しそうに飲み干す。更に風呂を出た後、俺が残した珈琲をゴクンゴクンと喉を鳴らして飲む。それから老老ブレックファーストの後、牛乳を一杯と薬を飲むときに水を一杯。これだけが母の水分摂取の全て。もっと摂取して貰わないとといつも反省する。一時から「デンティスト」のリハ。前半部分を読み合わせしてみるけど、実験的な方法はやめて、普通の読み方でやってみる。やっぱりその方が安心する。でも、やっている内に別の実験を試みる。奇妙な世界が現出する。それが百点とは思わない。でも、こうして色々なことをこれからも試みていく。本当は四時半まで稽古する予定だったけど、妹夫婦が4時過ぎに来るとのメールがあったので、3時半で終了。妹夫婦は知り合いから貰った牛の頬肉の赤ワイン煮をもってくるみたいだけど、主役はそれでいいけど、脇役がいないので、鯖の塩焼きサラダ、もずく豆腐、マグロとアボカドのわさび醤油和えなどを用意、和洋折衷メニューで母と一緒に老老老老ディナー。因みに老老ブレックファーストはメザシWITHひじき煮、もずく納豆、なすとかぶの漬け物、じゃがいもの味噌汁という純和風だった。ワインの輸入業者から取り寄せたヴァスコダガマが美味しかったので少し酔って、8時前にはベッドへ。★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3 O-KA ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)
老老ブレックファースト(鯖の塩焼きWITH獅子唐焼き、納豆、海苔、きゅうりの漬け物、かぶの味噌汁)の後、まだ全部書き切っていない芝居の案内葉書の添え書きをするが、十枚ほど書いたところで暗い闇の中に吸い込まれていくように眠ってしまう。薬のせいか?年齢のせいか?それにつけても不愉快なことが一つ。数日前に投函した旧知の女優Yへの葉書が「宛て先人不明」で戻ってきた。つまりYは俺に転居先を教えなかったということなんだけど、俺はそんなにYから嫌われていたのだろうかと僻みっぽくなる。そんな愚痴を女友達のAに愚痴ったら、今どき通信手段を郵便物に頼っているのはあんただけよ。彼女だって特別あんたと繋がっていたい訳ではないだろうけど、わざわざ転居のお知らせをする程じゃないと思ったんじゃないのかな?みんなスマホでつながっているんだよと言われてしまった。その後にすぐ映画監督兼脚本家兼映画雑誌編集長であるAから誤字だらけの、且つ文章になってない意味不明のメールが届く。怪訝に思って「間違いメール」かと返信してみたら、数日前にガラ携をスマホに変えてまだ使い方がよく分からないのだと云う、これまた誤字だらけのメールが届く。まだシナリオを鉛筆で書いていると聞くAまでスマホかよ?そんな時代になったのかよ?と落ち込む。1時から「デンティスト」のリハ。昨日まで実験的にやってみた台詞のいい方を元に戻す。面白いけど、観客にそこまでの受容する義務を求めるのは酷な気がしてきたからだ。ただ、まだ初日までに一か月ある。まだまだ実験はするつもりだ。老老ディナーはカキフライをあげる。カキフライは大きくて美味そうだし、あまり牡蛎を好まない母に食べて貰うのは勿体ないので、独り占めする。母には茄子とオクラと芋の精進揚げとうどん。手間をかけただけ公平だ。食後は録画してあった「ミステリーという勿れ」(脚本・相良良子)を見る。最初は刑事部屋のレギュラーたちと主人公の話だったが、だんだんとゲストとの話になってきて違和感をもつようになる。特に今回、レギュラーはちょい役程度にしか出ないのに、ゲストの門脇麦たちばかりの話になるとついていけなかった。何か事情があるのだろうか?★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3 O-KA ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)
しばらくぶりに2時起床。真冬のこんな時間にシャワーを浴びるのは辛い。でも浴びた後は爽快で、珈琲を共に母のお湯を貯める6時頃まで小説の加筆訂正。もうこれで最後にしよう。いつまで経っても終わらない。母を起こしにいく時間は6時半と決めている。ちょっと前はまだ薄暗かったのに最近はもう明るい。春が近づいてきている。母とベランダに所狭しと置かれた鉢植えの品評会。紫色した花(名前忘れた)が一番いいと母子が一致。自分ながらに微笑ましい光景だ。老老ブレックファーストはチーズと蜂蜜のトースト、それにスクランブルエッグとソーセージとサラダのワンプレートに市販のインスタントスープ。一休み(というか仮眠)してから買物と散歩。遠回りして午後からある「パラソル」と云う芝居の台詞を覚える。俺はプロじゃないから楽しいと思えるのか?74歳の記憶術ゲーム化している。でも、1時に女優のKさんが来て、勉強会が始まったら、今まで覚えていた台詞が所々出てこなくなる。さすが74歳！と皮肉を自分に浴びせる。何度か最初から15分程度の分量を繰り返して、途中中断。今日は弟のHが来ているので老老ディナーはパスだけど、母の部屋に出向いて入れ歯とオムツの交換。寝かしつけてから再びリハに戻るが、入れ歯とオムツの交換をした後では、少年と中年男のラブロマンスは気分が乗らない。そのままお疲れ会と評して台本にも出てくるポルトガルワイン、ビィーニョヴェルデで喉を潤す。アルコールは喉を潤すだけで満足せずに血管の中も流れ始める。そして最後には脳にまで流れ込んで二種類のラムを飲むことを薦め、広尾商店街にある店でハイボールで餃子まで食べることまで命令。それはそれなりに美味しかったので文句はないんだけど★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3 O-KA ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)
母が入った後の湯船を追い焚きしてしばらくして入ろうとしたら、何だか黒い物体が浮かんでいる。うん?ひょっとして?ウンコか?前にもあったことだけど、座っている椅子の下に隠れてしまって浮いてくるまで分からないことがあるのだ。そういえば下剤を飲んでいるのにウンコが出ないので変だと思っていたけど、こうして知らない内に排便していたんだと知ってホッとする。でも、さすがにその後入ることは出来ずに、一度脱いだ服を着直して浴室を後にする。老老ブレックファーストはホッケWITHかいわれ、納豆＋もずく、なすとかぶの漬け物、じゃがいもの味噌汁。老老ディナーは朝の湯船事件があったことをすっかり忘れて残りのカレーとサラダ。母はウンコしたことも覚えがないみたいで、俺と色違いでおそろいのカーディガンを着て美味しそうにカレーを食べている。食後、NETFLIXで「二重生活」(脚本監督・岸善幸)を見る。小池真理子の原作があったけど、映画として妙な味がある映画だった。何人かの方々が昨日の日記で石田伸也さんがご逝去されたことを知って俺に連絡して来る。こうして知り合った故人の死を悼むことが出来るだけでもこの日記の存在意義があったということか?★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3 O-KA ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)
朝、パソコンに向うと、日記本文を書き始める前にさりげなくUU数(読んでくれる人の数か?)とPV(読んでくれた頁の数か?)をチェックし、コメント欄も見てしまう。世間から疎外され孤独感に陥っている俺としては、UU数が500人から600人台、PV台が1000人台だと安心し、UU数が300人台になったりすると、俺は何か嫌われるようなことをしただろうかと煩悶する。コメント欄はたまにしか投稿はないし、こっちから返信は出来ないのだけど、母の介護問題でのアドバイスが主で、殆どが好意的なコメントばかりだ。でも、今日は驚いた。Yさんという方からのコメントに「石田伸也さんが亡くなったのをご存じでしょうか」とあったのだ。石田さんはよく知っている。この日記には「週刊誌Aに芸能ルポルタージュを精力的に執筆しているライターのIさん」として何度か登場させていただいた人だ。最初に会ったのは今から十数年前、乃木坂の店に客として来て、ちあきなおみさんについて俺から取材して行った時だ。それは彼の著書「ちあきなおみに会いたい」に詳述されている。以後、店の客としてきてくれる以外にも松田優作や甲斐よしひろなど俺が知っている芸能人について取材にきたりしたが、俺は自分の肉親やお客さんに芸能人がいるし、あまり親しくならないようにしてきた。でも、石田さんはそんなことでへこたれない。何かあるとすぐに電話してきたり、店に現れたりした。芸能ジャーナリスト、ここにありだ。最後に電話してきたのは今調べてみたら1月26日だ。松田優作のことで電話していたプロデューサーのOさんが何度電話しても出ないけど、亡くなったりしていないかと云うのだ。あのさ、石田さん。Oさんに万が一のことがあったら俺より先にあなたの方が知る立場にいるんじゃないかのか?と冷たく電話を切ったその十日後に、あなたの方が死んでいただなんて、洒落にならないよ。本当は忙しくて見に来れないだろうから今度の芝居の案内葉書なんか出すのやめておいたけど、「仏前」宛に出してみようか?享年60歳。ご冥福を祈ります★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3 O-KA ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)
「デンティスト」は九年前新しく立ち上げたテアトロジャージャンの第一作目として公演した芝居だから俺としては愛着があるし、評判もよかったし、再演するに当たっては九年前の演出そのままで、ある意味俳優のお二人に任せきりで稽古するつもりでいた。でも、そんな俺に悪魔の囁きが聞こえてきた。台詞はそのままでもいいけど、テーマを変えてみたら?うん?そんなことが出来るのか?いや、ひょっとして出来るかも?いや出来る。だったら台詞もいい方を変えてしまえばいい。動き方も全部変えてしまえばいい。あれ?どうしたことだ?台本に書かれた台詞はそのままなのに全く意味合いが違って来る。読み合わせで水沢有美さん演じる薫という主人公の人生がそれまで思っていた以上に哀しく切ないものに思えてきて、自分の書いた台本なのに思わず涙してしまったのは、俺が老齢化した証拠だと云う勿れ。4時にリハが終わって老老ディナー(餃子＋サラダ、焼き豆腐とネギと白菜と椎茸の肉なしすき焼き、もずくの味噌汁)の後、母を寝かしつけ俺も仮眠1時間。8時55分上映の「ちょっと思い出しただけ」(脚本監督・松居大悟)を渋谷のヒューマントラストシネマに見に行く。この監督の作品は俺にとっては怪作ともいえる「くれなずめ」に続いて二本目だったけど、これもまた負けず怪作。でも土曜の夜遅くだと云うのに若いカップルや女性客でほぼ満席。うーん、怪作ではなく娯楽作なのか?それでそれでいけないことはないのだけど。因みに老老ブレックファーストは赤魚の白味噌煮、卵入り納豆、きゅうりの漬け物、ひじきの煮つけ、菠薐草の味噌汁なり★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3 O-KA ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)
午後の早い時間に老老ディナーとして皿うどんを食べて、ワクチンの三回目接種に向う。一回目と二回目は地域の接種会場の予定が取れずに、母と一緒に大手町の合同接種会場に行ったが、今回は反対。合同接種会場は予約が取れずに、住民登録がしてある区の接種会場に行くことになる。でも、住民登録は母が港区で、俺は品川区。ということで今日は俺一人で東急大井町線の戸越公園と下神明駅の真ん中にある旧荏原四中の会場に向う。もしも時間だけを考えたら近くの恵比寿三丁目のバス停から恵比寿駅へ、そこからJRで五反田へ、その後東急池上線で旗の台へ行ってから大井町線に乗り換えるなんて、三回も乗り換えなくてはいけないことになって、それが不愉快なあまり、まずは五反田目指して歩きだしてしまう。所要時間約1時間。そこでやめればいいものを五反田からも第二京浜を戸越に向って歩き、26号線通りを左折して旧荏原四中につくまでに40分。4時15分の予約時間に悠々間に合う2時過ぎに部屋を出たのにギリギリセーフというお粗末。でも、歩くのは楽しい。帰宅後、今日はいつもの時間の老老ディナーはパスなので、眠っている母を起こしてトイレに向かわせたのだが，そこでちょっとした「フン失事件」が発生。何か月か前に母のオムツを新しいオムツ(仮称まわし型)に変えてから何回おしっこをしても上に履くズボンやシーツに漏れてくることはなかったのに、先々週あたりから何故か漏れが続くもんだから、仕方無くまわし型オムツの中に尿漏れ防止パットを敷くことにしたのだが、トイレでオムツを取り替えようとしたら、そのパットがない。途中でトイレに行ったのだと推測して母にパットはどうしたのか問いただしたが、そんなもの知らないと母はとぼける。その時、オムツを取り替えようとした俺の手や母のお尻にちょびっとウンコがついているのに気付く。ウンコしたのか?と聞くと、これまた知らないと母はとぼける。この数日便秘が続いていたので医師から処方された下剤を飲んでいたのに全くその兆候がなかったので不思議に思っていた処だ。これはひょっとして?と「オムツ探偵」は考える。母はウンコをした…そのウンコでパットを汚してしまった…そのことを俺に知られるのが嫌で、汚れたパットをどこかに隠した…認知症の患者によくあることだと本に書いてあったのだ。となると何処にその汚れたパットを隠したか?だけど、勿論「容疑者」の母は黙秘だ。「オムツ探偵」は仕方無くトイレの中を隈なく、母の部屋のベッド廻り、ごみ箱、他にもウンコで汚れたパットを隠しそうなところをクンクンクンクン嗅ぎ回る。だが、30分近くの捜索にも関わらず、「ブツ」は発見出来なかった。疲れ果てた「オムツ探偵」は「でも、ウンコが出てよかったじゃない?」と「容疑者」である母に誘導尋問をする。すると母は「そうね」とあっさり「自白」してしまう。おいおい、やっぱりウンコしてたんじゃないか?一体どこにウンコで汚れたパットを隠したんだ?！と「オムツ探偵」は声を荒らげる。そんな夕方。今日は6時から一か月以上顔を出さなかった元法律事務所勤務のNさんが来店するので、容疑者への追及はそれまで。Nさんと酒を酌み交わす内に「探偵魂」はすっかり忘れて酔い痴れてしまった宵★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3 O-KA ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)
名誉棄損と訴えられるかもしれないので、もう某連続ドラマとしか書けなくなってしまったが、登場人物が生きる街が変わった途端、とんでもなく面白かったドラマだったのが、とんでもなくつまらないドラマに変貌したのは何故なんだろ?それまでのキャスティングにミスはなかったのに、ここになって新たに登場した子役の演技が吐き気をもよおすほどなのは何故なんだろ?こうしたヘタウマならぬ「ウマヘタ」の演技をこのドラマのスタッフたちは是としているのか?全くわからない。オリンピック放送って哀れだ。昼間民放某局のワイドショーで羽生の昨日の演技を解説した後で、いかにも今日の演技に期待がもてるみたいな解説が延々と続いていて飽きてしまったもんだから何気なくNHKに変えて見たら、その羽生の演技がもう既に始まっていた。各局に与えられる枠があって、この時間はNHKでしか放送できないのだったら、他の局みたいにオミクロン問題や降雪予想に徹すればいいのに、羽生の演技終了後、その民放某局にしてみたら、15秒かそこらは放送する許可が出ているらしく、スポーツニュースの一部みたいにオンエアするなんて、哀れさを通りすぎて悲惨としかいいようがない。そんなことを一緒にテレビを見る母に訴えてみても無意味だということは分かっている。母は耳が遠い上に連続ドラマもオリンピックも関心がないからだ。母が関心があるのはベランダに降る雨の景色。「凄い雨ねぇ」と母は云うけど、今日は大雪警報が出ているから芝居のリハも中止になってしまったんだぜと会話がかみ合ったのはそれだけ。まったくテレビのワイドショーには呆れるよ。昨日からあれだけ大雪だ大雪だと騒いでおきながら母に「凄い雨ねぇ」とバカにされる始末なんだから。でも、たったそれだけだけど母との会話がかみ合ったのが嬉しい。今日はそれ以外、誰とも何の会話も成り立たなかった。せめて老老ブレックファースト(生卵御飯、大根とガンモドキの煮つけ、というかオデンの残り、きゅうりの漬け物、豚汁)の時や老老ディナー(残りの野菜と豚肉のカレーライスにグリーンサラダ)の時に「美味しいね」とか「味が薄かった?」とか会話を交わせる相手が欲しいけど、無感動にぺちゃぺちゃ口を動かしては床に食べ物をこぼしている母との食事を定められてしまったのは、それはそれで親子的には幸せといえばいえるのだけど、家庭から二度も逃走し、仕事仲間をトコトン裏切り、女性に対しては変態的な感情しか持たなかった男の成れの果て。★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3 O-KA ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)
母は殆どがこのビルの中にいるのに、つまりそれは俺としか接しないことが殆どなのに、最近お洒落にこだわる。それも母独自の判断基準があって、妹が持ってきてくれたお洒落なパッチワークの上着は、いくら俺がお洒落だよと薦めても着ようとしない。それは俺が提供したモスグリーンのカーディガンも同じで、俺のいる前では羽織ってみても、次に部屋を訪ねてみると、他のカーディガンに着替えていた。このモスグリーンのカーディガンは、俺が通販で色違いの橙色のカーディガンと二着おそろいで買ったもので、日頃から俺はこの橙色のカーディガンを愛着している。「ホラ、俺のカーディガンとお揃いだろ」と指摘すると「あら?知らなかった。私、お兄ちゃん(俺のこと)の着ている色だったら好きなんだけど」なんて云うもんだから「だったら交換しようよ」とその場で俺の着ているカーディガンを脱ぎ、母のカーディガンと交換した。すると母はその姿を大きな鏡に映してみせて「ホントね。こういうのなんていうのかしら?」とご満悦だ。母よ、こういうのってペアルックって言って、恋人同士が着たりするもんなんだぜ、と言いそうになったが、それは何だか近親相姦を認めてしまうような気持ち悪さにとらわれて、言葉を飲んだ。それ以後、母は気がつくと俺と交換したカーディガンを着ている。そんな母との老老ブレックファーストは三種類のトースト(蜂蜜トースト、チーズちりめんじゃこトースト、海苔トースト)に日曜日に作って残ったままのオデン、更には昨日作った豚汁風スープと云った和洋折衷メニュー。お昼近く、郵便局に別納郵便を出しにいく用事があったのでついでに母を散歩に連れ出す。ビルを出て右に行くか左に行くか?今日は郵便局のある左だったので母の顔は綻ぶ。そのコースにある花屋とお菓子屋に寄ることが出来るからだ。案の定、花屋で紫色した××(名前は忘れた)の鉢植えを、お菓子屋で桜色したマシュマロを買い求めて大満足した母だった。老老ディナーは豚の生姜焼きとサラダ、それに湯豆腐の納豆帽子?(と俺が命名した料理)。明日はどうやら大雪の模様なので明日の「デンティスト」のリハは中止することにして、今日も早寝だ。★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3 O-KA ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)
昨夜は九時には眠ってしまったこともあって二時には目が覚めてしまった。久し振りに早く起きたのだし、そのまま小説の加筆訂正作業や芝居の案内葉書の添え書きにかかればいいのに、何だかひどく気持ち悪い。二日酔いもあるかも知れないけど、昨日は食べ過ぎたのだ。朝に老老ブレックファースト、昼にスタバでパン菓子と珈琲、4時半に老老ディナーをしたのに、六時にはYさんと待ち合わせて焼鳥のフルコース(十本)を食べてしまった。胸焼けしていて吐き気すらする。こんな時は風呂が一番と、深夜3時すぎにお湯を貯める。でも、俺の体はわがままだ。今度はバスタブの中で眠気におそわれ、慌てて飛び出ると、再びベッドイン。仮眠一時間。目覚ましで5時に起きて、母の入浴の世話と老老ブレックファーストの準備、と言っても作る当人に食欲が皆無の時は、お粥しか考えられない。母には鰈の煮つけをつけたけど、俺はノーサンキュー。「お魚、半分あげましょうか」と母にいわれるが、昨夜食べすぎて飲みすぎたことを云うわけにはいかない。「今日はこれから歯医者なんだ」と歯医者の診察を受ける時には口の中を清潔にしておかなくちゃ先生に悪いなんて言い訳する。10時半に茅場町のT歯科クリニックへ。次の予約がキャンセルになったみたいで、暇を持て余した?T歯科医は俺とお喋り。お芝居の予約をうけた上に小道具で使う歯型を貰い、診療器具を貸して貰う。そのお礼を兼ねて、帰りに以前から行きたかった近くにあるポルトガルのエッグタルトの専門店で、エッグタルトをスタッフ分も買い求めて再びT歯科クリニックへ。もう二十年以上も通っている歯医者さんとなると家族同然の気持になってしまうものだ。エッグタルトで火がついたのか空腹を覚えだす。この後、1時から「パラソル」のお勉強会をあるのだけど、とても夕方までお腹が持ちそうにないので、女優のKさんと広尾で待ち合わせて駅近くのキューバ料理の店でランチする。この店、ランチのメニューの殆どに××と云うスペイン語の名前(忘れた)がついている。××が何か分からずに××を注文する。これが結構うまかったのは空腹の為かどうか分からない。店を出て街を歩きながら台詞の練習をする。ランチをする前は完璧に覚えていた筈の台詞がKと掛け合わせしてみたら時々出てこない。たった三ページ分だけど、曲がりなりにも台本を見ないで口に出していえるまで街を流離ってから、更にウチの店で5時近くまで。今日は弟が来ているので、バトンタッチして入れ歯とオムツの世話をしてから再び店でKと台詞の稽古に戻るが、一度やっただけで眠気と空腹感が同時に襲ってきて、まともな稽古にならない。Kさんには悪かったが、プロシュートとチーズカナッペで時間的にもアルコールタイムになってしまったのは致し方ないことと自己弁護する。それにつけても眠気と胃袋の調子に支配された一日だった。★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3 O-KA ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)
