2022･2･12

「デンティスト」は九年前新しく立ち上げたテアトロジャージャンの第一作目として公演した芝居だから俺としては愛着があるし、評判もよかったし、再演するに当たっては九年前の演出そのままで、ある意味俳優のお二人に任せきりで稽古するつもりでいた。でも、そんな俺に悪魔の囁きが聞こえてきた。台詞はそのままでもいいけど、テーマを変えてみたら?うん?そんなことが出来るのか?いや、ひょっとして出来るかも?いや出来る。だったら台詞もいい方を変えてしまえばいい。動き方も全部変えてしまえばいい。あれ?どうしたことだ?台本に書かれた台詞はそのままなのに全く意味合いが違って来る。読み合わせで水沢有美さん演じる薫という主人公の人生がそれまで思っていた以上に哀しく切ないものに思えてきて、自分の書いた台本なのに思わず涙してしまったのは、俺が老齢化した証拠だと云う勿れ。4時にリハが終わって老老ディナー(餃子＋サラダ、焼き豆腐とネギと白菜と椎茸の肉なしすき焼き、もずくの味噌汁)の後、母を寝かしつけ俺も仮眠1時間。8時55分上映の「ちょっと思い出しただけ」(脚本監督・松居大悟)を渋谷のヒューマントラストシネマに見に行く。この監督の作品は俺にとっては怪作ともいえる「くれなずめ」に続いて二本目だったけど、これもまた負けず怪作。でも土曜の夜遅くだと云うのに若いカップルや女性客でほぼ満席。うーん、怪作ではなく娯楽作なのか?それでそれでいけないことはないのだけど。因みに老老ブレックファーストは赤魚の白味噌煮、卵入り納豆、きゅうりの漬け物、ひじきの煮つけ、菠薐草の味噌汁なり★テアトロジャージャン再演シリーズ①「デンティスト」(作演出・桃井章、出演・浜田晃、水沢有美)日時・3/15(火)～17(木)開演19時、3/18(金)～20(日)開演14時)場所・テアトロジャージャン3F(渋谷区恵比寿2ー31ー3  O-KA  ビル)予約お問い合わせ・090ー9964ー2231(予約専用)