五反田発リスボン行き急行列車

五反田駅からリスボン行き急行列車に乗ることを夢想する前期高齢者の徒然

2019・4・11

2019-04-12 10:14:30 | 日記
人間、死期を無意識の内に悟ると、そんなに親しくはない知り合いにも今のうちに会っておこうと思うのだろうか?以前、二十代の頃知り合ったけど些細なことで疎遠になってしまった同世代の有名脚本家Mが、いつしか私の店に通うようになり、だからと云って疎遠モード?は続いていたのだけど、ある時レジをしていた私の傍にスーッと寄ってきて、昔彼と一緒に競っていた当時の話をしかけてきたと思ったら、私の書いた脚本を詳細に覚えていて褒め称えてくれたことかあって、何だか奇妙な気持ちに囚われていたら、その一カ月後、あっと云う間に癌で亡くなってしまった。売れっ子映画監督のNもそうだ。乃木坂の店でランチをやっていた時があって、ランチが終わって夜の仕込が始まるまでの二時間程の間に私が仕入れに出かけて戻ってきたら、Nが店の前で待っていて、傍を通り掛かったから一杯飲んでいこうと思ってと云って、まだ4時過ぎなのにカウンターに坐ってジンをショットで飲み始めたのだが、彼とは日活時代にお互い名前を知っていたけど、帰りを待ってくれる程の親しい間柄ではなかったので、この時も奇妙な感じに囚われた。彼はこれからクランクインする映画のことや新たに設ける事務所について何かに焦る様に喋り捲くった。きっと死期を悟っていた彼はそんなに親しくもない私に自分の将来があることを承認?させようとしたのか?その三カ月後、彼もまた癌で亡くなってしまった。他にも何人かそんな風に旅立っていく知人がいる。だからか、急に誰かに会いたいと思ったりするのはやめようとしてきた。でも、気づいてみるとやってしまっていることってあるもので、先日何処かの劇場で貰ったチラシに以前私が書いた火曜サスペンス劇場を何本か演出してくれたIが、東上線の大山駅近くの劇場で芝居をやっていることを知って、誘われてもいないのにふと見てみよう、Iとも会ってみようと思って予約の電話を入れてしまった。それだけならまだ言い訳が聞くけど、芝居が終わるのが四時過ぎだし、近所に中学高校時代を一緒に過ごしたMさんがいることを思い出し、普通なら日曜日で、相手は主婦だし、誘うのに躊躇いがある筈なのに、気がつくとごく自然に食事をする約束をしていた。これはひょっとして?無意識に二人に別れを告げようとしているのか?だとしたらそれでもいいけど、母が死ぬ前に私が死んでしまうと色々と困ることが起こるし、もう少し待ってくれると助かるんだけど。因みにその母との老老ブレックファーストは、昨日Nさんがお土産に持ってきてくれたいなり寿司を炙り、それにしじみの佃煮の焼きおにぎりとゆで卵を足して大皿に。ベビーリーフとオニオンスライスと生ハムの小皿に若布の味噌汁と云うメニュー。老老ディナーは餃子WITHサラダに茗荷と生姜と鰹節をたっぷりかけた厚揚げ、それに寒天いりのお吸い物。食後パソコンに向って「待ってる。」の構成をメモし、9時から新番組「緊急取調室」(脚本・井上由美子)を見終わった途端、脚本家のHさんと京女優のKさんが来店したとの知らせ。それから二時間半、何の実もない、何の為にもあらないお喋りをよくも続けることができたものよ★テアトロジャージャン第16回公演は7月10日(水)~7月15日(月・祝)で「待ってる。~粗大ゴミ置き場に愛は捨ててあるか~」(作演出・桃井章/出演・桑原なお、荒木真樹彦・岸本敏伸・茂木英治)を予定しております。お問い合わせは090ー9964ー2231まで ご期待下さい。
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