今年はなかなか秋がやって来ない。
昨日も真夏に戻ったように35℃の真夏日で、雲も夏のものだった。
今年は秋が来ないかも知れない。来たとしても短い秋になってしまいそうであるので、良寛の秋の歌で秋を感じようと思う。
秋の野にだれ聞けとてかよもすがら声ふり立てて鈴虫の鳴く
(秋の野に誰かに聞いてほしいと言う如く、一晩中大きな声を出して鈴虫が鳴いていることであるよ*)
(秋の野に誰かに聞いてほしいと言う如く、一晩中大きな声を出して鈴虫が鳴いていることであるよ*)
秋もややうら寂しくぞなりにける小笹に雨のそそぐを聞けば
(秋もだんだんと寂しくなってきたものだ。笹に雨が降りそそぐ音を聞いていると*)
(秋もだんだんと寂しくなってきたものだ。笹に雨が降りそそぐ音を聞いていると*)
秋の野の萩にすすきを折り添へて三世(みよ)の仏に奉りてむ
(秋の野原に咲いている萩の花に薄を折って添え、過去、現在、未来の三世の仏たちにお供えましょう*)
(秋の野原に咲いている萩の花に薄を折って添え、過去、現在、未来の三世の仏たちにお供えましょう*)
行く秋のあはれを誰に語らましあかざ籠(こ)に入れて帰る夕ぐれ
(過ぎようとする秋のもの寂しさを誰に語ろうか。あかざをカゴに入れて帰る夕暮れであることよ*)
(過ぎようとする秋のもの寂しさを誰に語ろうか。あかざをカゴに入れて帰る夕暮れであることよ*)
去年の秋移して植ゑし藤ばかまこの朝露に盛りなりけり
(去年の秋に移して植えた藤ばかまが、今日の朝露に濡れながら盛んに咲いていますよ*)
(去年の秋に移して植えた藤ばかまが、今日の朝露に濡れながら盛んに咲いていますよ*)
もみぢ葉は散りはするとも谷川に影だに残せ秋の形見に
(紅葉の葉は散ってしまっても、谷川にその影ぐらいは残してほしい。秋の形見として*)
(紅葉の葉は散ってしまっても、谷川にその影ぐらいは残してほしい。秋の形見として*)
*:小山 宗太郎
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