【サッカーW杯】苦境越え心一つに 新たな伝説の始まり(産経新聞) - goo ニュース
歓喜する;岡田武史監督
▼「言うは易く行うは難し」を実行
サッカーの日本代表がオランダに負けたとき、オシム前監督の厳しい批判の言葉を紹介した。彼の見方が正鵠を得ているように思えたからである。ひと言で言うなら、「自分が認められ、自分の力を発揮したいと思うならば、自分から変わりなさい」ということになるか。が、「言うは易く行うは難し」である。
ところが、デンマーク戦で、岡田監督以下ほぼ全員がオシム氏のその箴言をものの見事に実行して見せた。3-1の勝利の戦績はその結果である、という風に私には見えた。
▼素晴らしかった本田や遠藤の活躍
本田がFKで蹴ったあの無回転の激しくぶれる球筋は素晴らしかった。が、二本目のFKの時は相手側にやる気満々の素振りを見せながら一瞬の早業でキッカーを遠藤に譲り、三本目のゴールの時はFWの岡崎のアシストに見事に徹してみせた。チームのために…そういう本田の姿があった。人を生かしてこそ自分も生きる、と。
一本目の左足のキックは本田ならではの芸術作品であった。が、二本目の本田を上回るほどの遠藤の華麗で芸術的な右足のキックも、味方を見、敵方の心理状態を冷静にみる的確な判断力と両者の呼吸の一致から生まれている。岡崎のに関しても「俺も蹴るからお前も蹴れ」との事前の約束があったようである。
▼勝利の舞台を影で支えた役者たち
本田や遠藤の陰に隠れて目立たないが、長友や阿部の働きも見逃せない。「キーマン封じ」の長友の働きにさすがに外国人のサッカー関係者の中に注目したした人がいたようだ。だが、それに劣らず、今回の勝利の陰にある阿部の働きにも注目したい。遠藤からの指示があったようだが、ブブセラが響き監督の指令の声が一切届かない中で、自ら判断して中盤の底で守備に徹したMF阿部の働きがなかったなら、日本の固い守りはスムーズに機能しなかったのではないか。勿論、DF中沢ら身体を張っての最終ラインの守りがそこにはあった。
▼君子豹変してみせた岡田監督
そして、岡田監督。オシム前監督が倒れて以来、全責任を肩に背負ってまとまらない選手たちを引っ張ってきた。何かとオシム氏と比較され、批判されて来た。オシム氏から受け継ぐだけでなく、かれ独自の哲学や手法があったろう。が、なかなか結果が出せずに負けるたびに更迭論が噴出した。「高校サッカーの監督」とまで言われた。
最後まで望みを託し、中心に据えようとした中村俊輔の体調がとうとう回復せず、迷いに迷った末に遂にその構想を断念し、自ら変わることを選択した節がある。その最終的に決定したのが今回の実戦部隊の布陣だった。
▼日本代表の活躍に期待する(自分で楽しんでね!)
サッカーというスポーツは、野球やバスケなど職人的な技能を要求されるスポーツと比べると、極めて分かりやすい大衆性のあるスポーツである。だから、どの国や地域でも、どんな年齢層にも、男女を問わず、受け入れられる。W杯の成立する所以である(FIFA参加(国)>オリンピック参加(国)>国連加盟(191ヶ国)だという)。
それだけに一方ではどのスポーツよりも激しく、結果、活躍できる期間も短い。昨日の王者はもういない。群雄割拠、下克上のスポーツでもある。その分だけ若い人の人気は高い。その一瞬に全てをかけ、燃焼する。日本はさらに輝き続けるのか、それとも鮮烈な光芒を描いて夜空に消えるのか。次の試合が楽しみである。
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