読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

遊女は女神

2007-06-23 15:56:19 | Weblog

白川静「文字逍遥」から
隠れ住む神が出で彷徨し出遊する事を原義とする文字が遊である。遊の字形は旗を持つ人の形にしるされ、旗は氏族の標識であり、そこに氏族の霊が宿り氏族神を表す。旗を掲げる者は氏族神と共に行動する。それが遊である。遊は神の出行なのだ。遊ぶものが神であると言う証左は枚挙に遑はないが例えば女神がしばしば遊女と呼ばれた事が挙げられる。遊女とは出行する女神の事なのである。遊行女婦(うかれめ)の元は女神で西行に宿を断った遊女、江口の君はその末裔と有る。