読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

日本の衣冠束帯は葬服?

2007-06-12 15:33:39 | Weblog

広く朝鮮に伝わっていた伝説らしい。朝鮮の老人が孫などに語り聞かせた昔話に「倭奴」(ウェノム)と言う物語が有る。倭奴とは日本人を指す蔑称で朝鮮人でさえ今は聞きたくないと思うほど「凄いことば」らしい。倭奴は野蛮で何も知らず食べ物も手でつかんで食べているから韓人がそれを哀れみ箸の使い方を教えた。他にも色々教えてやり、暮らしも良くなり今度は礼儀が欲しいと言うようになった。衣冠束帯を教えてくれと言うが倭奴にそんものが何故必要なのかと思い葬式の衣装を教えてやったと言う話である。衣冠束帯は公家や神主が着るもので明治の大官も宮中での儀式でこれを着用した。平安朝以来、神聖衣装であり権威と権力を象徴するものであった。それが実は葬服であったと言うのである。以上は司馬遼太郎がある週刊誌に書いた「倭の印象」に出てくる話である。朝鮮の老人のお伽ばなしで「あれはお前、韓人の葬服なんだよ。」と言うのは、「残念ながら実証的ではない」と司馬遼太郎は付け加えてはいるが。