読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

再度、男と言う漢字について

2007-06-09 10:36:23 | Weblog

男と言う漢字の成り立ちが紀元一世紀中国の許慎の「説文解字」では「大夫なり、田に従い力に従う。男は力を田に用いるを言うなり」と解するが白川漢字学ではそれは間違いであるとして避け、男の文字の力は腕力を意味するのではなく、耒(すき)の象形で田と農具の耒(力)を組み合わせられ耕作を意味する文字であると説明する。男と言う文字はもと農地の管理者を言い、男女の意味での男は列国期になってから用いられるようになった。詩篇では男女は士女と対称された。つまり男女の意味でのおとこは士と称されたのである。金文では夫は農夫のことでこれを統括するのが大夫と呼ばれた。男がもとは農地の管理者と言う役職を意味する名残りが五等の爵位の男爵と言う名に留まっている。