読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

続ヘルン(小泉八雲)

2007-06-16 16:31:25 | Weblog

ハーンは著述に熱心になる余り、幻覚や幻聴が有ったと言う。怪談は非常に好きであったらしく、『怪談の書物は私の宝です』などと云っていた。節子は怪談の本を求めて古本屋を次から次へと廻ったと「思い出の記」に書いている。節子はそれら怪談の本を読みハーンに聞かせた。本の文章そのものを聞かせるのではなく一旦、節子の言葉にして聞かせないとハーンは不満であったと言う。更に話について詳しく聴くときはランプの光を少し暗くして話をした。如何にも怖そうにして聴き、節子もそのように話した。そのため二人を傍からから見れば発狂者に見えただろうし家はお化け屋敷のようだったし節子自身が悪夢にうなされた事が有ったと書いている。ハーンが大学を辞めさせられその後を漱石が引き継いだ事は前にブログに書いたがハーンは大学に長く居るつもりは無かったがそれでもたった一編の通知だけで大学を辞めさせられた事については酷い事だと言い不快に思っていたと節子は書いている。