読書など徒然に

歴史、宗教、言語などの随筆を読み、そのなかで発見した事を書き留めておく自分流の読書メモ。

興という字について

2007-06-08 14:04:56 | Weblog

漢字の成り立ちを小学生に教えるNHKの番組のなか女性アナウンサーが「興味を持つの興という漢字はどんな成り立ちなのでしょうね。」と言っていた。興味が有って私も調べてみた。藤堂明保、他の編集する「漢字源」では同を除いた部分は左右の手と左右の手を表し四本の手で同じく一斉に持ち上げ起こす事を表すと有る。この字引の興の項では同についての説明がない。白川静の「字通」では同を除いた部分は「漢字源」の説明と同じ四手を表すとするが同は酒器であるとし、「説文解字」では共同で物を起こす意としているがそうではなく、同は酒器であり、地霊を呼び興すのが原義であると説明されている。つまり興は酒器を大切に四つの手で支え地に酒をそそぎ、地霊を呼び興す事を意味し、これにより全てのものが発動し興起する意に用いられる字だったのである。