ブログアップしたはずの画面が消えてしまいまして、とんだ失態でした。
「懸橋」稲生もののけ 三井権八の布野村妖界めぐり」
その家には近在でも評判高い美しい娘がいたそうな。ある日背も高く美男の若者が立ち寄り「おめえを儂の女房にしたい」と言うや、強引に連れ去ろうとした。しかし娘は頑強に抵抗し、髪に飾っていた「かんざし」を引き抜いて若者の顔に刺した。
血だらけになりながらも若者は屋敷から逃げ去った。やがて帰ってきた組頭が娘から一部始終を聞いて、組内の人々を指揮して探索することにした。組内の皆々と一緒に血の跡を辿って出かけるというところへあっしが行き合わせたんでやんす。すると谷奥の山深いところで血の跡は途切れたが、山頂を仰ぐとそこには山から山へと橋を架けたように角のある大蛇が横たわって息絶えておりましてのう。それからというもの、その場所を懸橋」と呼ぶようになりやんした。