2つ前の記事でミラージュを取り上げたが、今回もまた話題にしたいと思う。ただし、今回は2代目ミラージュである。 画像は1985年にマイナーチェンジした後期型のものだ。
2代目のミラージュは、1983年に登場した。スマッシュヒットを記録した初代ミラージュからプラットフォームを引き継いでのフルモデルチェンジであった。
1983年といえば、「赤いファミリアXG」旋風が吹き荒れていたころである。ファミリアを追随して、トヨタがカローラⅡをリリースしたのは有名だが、三菱も抜かりなくミラージュを更新してきたというわけだ。
当時の小型ハッチバック車の宣伝手法は、若者層に対し走りを訴求するというもので各車とも一致していた。なんだけど、僕は画像に掲げたような、なんでもない普通の外観にこそ、このミラージュのデザインの面白さが出ていると思う。ボンネットフードの切り方と、リアホイールハウスの形状に、このクルマのデザイン上の特徴がある。これはフランス車のデザイン言語であり、当時としてはかなり冒険的なデザインだと思うが、奇異な感じを抱かせずにとてもうまくまとめているところが良い。同時期のワンダーシビックほどではないけれど、新しい感覚を備えた清廉なデザインだと思う。また、内装にはなるが、ちょっと個性的なダッシュボードデザインも面白い。
残念ながら、このミラージュは、当時のライバル車であるファミリアやターセル/コルサ/カローラⅡ兄弟、カローラFX、シビックたちの中に埋没し、4年間のモデルライフを通じてセールス上の日の目を見ることはなかった。忌野清志郎やエリマキトカゲのCMは話題になったものの、それがクルマの販売台数に結びつくこともなかった(まあ、CMなんてそんなものだとも言えるが)。
三菱じしん、このクルマを育成していく上で迷走しており、モデル末期になって「ミラージュ・ナウ」(苦笑)という名に改名するという愚を犯している。