Open your eyes

クルマに関する妄想集(+その他のことも少し)

最下級グレードの世界⑥ トヨタ・アリオン(T240型)

2008年11月18日 23時35分36秒 | Weblog

 

プレミオ/アリオンについては、僕は現行型よりも旧型のほうが好きである。このクルマが出たのは2001年12月のことだったが、僕は初めてこのクルマを見たとき、今となっては旧型となってしまったVWパサートをまっさきに思いうかべた。後になって、元トヨタのデザイナーという知り合いに確かめたところ、やはりパサートをパクったとのこと。まあ、パクリにしても、そのパクリのレベルが高かったので腹も立たなかったが。それに、いまさらトヨタが他社のデザインをパクったと聞いても、特に驚くに値しないし。

そんなわけで、旧型プレミオ/アリオンは、日本の5ナンバーセダンとしてはとても意欲的な造形だったと思うが(パクリだけど)、現行型は旧型のよさをいじり壊して破壊した観がある。しかも、変更感を出したいがための確信犯的な変更であることが一目瞭然で、どうせこのクラスのクルマを買う人は造形的な美しさなどに関心はないのだ、といわれているようで、旧型におけるパクリ行為よりもむしろ腹が立つ。

写真は、そんな旧型プレミオ/アリオンの中で、僕がひそかに注目している最下級グレードの「A15スタンダードパッケージ(アリオン)」である。ドアのサッシュがブラックアウトされておらず、ドアミラーも無塗装のままなので、おたくが見ればひとめでそれと知れるのだ。法人ユーザーには、「お客様を乗せる機会も多いので、いかにも安物っぽいクルマでは具合が悪い」という声があるらしく、そんなある意味ワガママなニーズにミートさせるべく、発売から10ヵ月後に追加設定されたグレードだ。

それにしても、旧型プレミオ/アリオンの真横のショットからは、このクルマが論理的にデザインされたことがよくわかる(パクリだけど)。僕は最近、意味不明なデザイン要素のない、全ての構成要素がきれいに分解できる建築的でシンプルなデザインのことを指して「積み上げのデザイン」という言葉を思いつき、それをなんとか構造的に定義しようともがいているが、初代ティアナや初代ムラーノ、現行ティーダとともに、この旧型プレミオ/アリオンも、トヨタにはめずらしい建築的デザインのクルマということができる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする