北の旅人

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「1956」-14歳の心象風景<21>

2009-07-29 15:39:05 | Weblog

<作文> 
          1956年を振り返って
                
(T・T)

「1年の計は元旦にあり」とよく言われるが、去年も何の意義もない年であった様な気がする。人間は誰でも過ちというものはある。その過ちを振り返り、それを正すか、どうかによって、その人間の善悪が決まると云う。私たちが過ごしてきた1年の間にも、新しい社会が築かれている。

さて、その去年はどうであったかを反省してみよう。人に対して笑われる様な事はなかったか。学校で決められた事は良く守られたか。勉強はしっかりしたか。自分で反省する事は実に多い。去年はあまり意義のない年であった様な気がする。

こういう事は、毎年思う事であるが、どうして守られないのであろうか。やはり、一日一日が、ただむやみに過ごすからであろう。もう一度良く考え直して、これからが楽しい、有意義である様にしなければならない。

今年こそは、悔いのない、そしてむだのない一日一日を過ごして、立派な新しい歴史が築かれる様にしたいものである。 

        ☆        ☆

有意義な一日一日を過ごしているかと、14歳の君には言われたくないな~という気がするが、実際のところ耳が痛い。

いつか、テレビ番組で、「サイナラ、サイナラ」で知られた映画評論家の淀川長冶氏が、一日を終えてベッドに入った時、今日一日、みんなと仲良くできたかな?と、自分に問いながら眠りにつくのを習慣としていたと言っていたが、これ一つとってみても実に難しいことだ。

しかし、日々、反省しながら、それを次に生かしていくことは大事なことだ。初心に帰り、改めて心したい。

ところで、1956年がどんな時代だったかについては、この連載の初めに書いたが、その前後の年はどんな社会だったのか、ちょっと視野を広げて覗いてみたい。

☆1955年(昭和30年)の10大ニュース 

①「紫運丸」沈没事件  

②保守合同と第3次鳩山内閣成立 

③砂川基地闘争

④総選挙と第2次鳩山内閣成立

⑤津海岸の中学女生徒水死事件

⑥日ソ交渉

⑦横浜聖母の園の焼死事件

⑧全国的大豊作

⑨森永粉乳中毒事件

⑩新潟の大火

そして、この頃、電化製品が普及し始めて、「三種の神器」と呼ばれたのが電気洗濯機、電気冷蔵庫、テレビだった。また、ソニーがトランジスタ・ラジオの発売を始めた。

政治的には、自由民主党が結成され、左右両派社会党が統一されたのもこの年。さらに、統一地方選挙で創価学会が政界に進出した。

☆1957年(昭和32年)の10大ニュース 

①ジラード事件

②原子炉に太陽の火

③南極基地に日章旗

④石橋首相引退と岸内閣成立

⑤国連安保非常任理事国に当選

⑥宇宙時代への国民の関心

⑦九州大水害

⑧流感猛威ふるう

⑨ネール首相来日

⑩瀬戸内海で「第五北川丸」沈没

ジラード事件というのは、記憶になかったが、群馬県の相馬村の米軍キャンプ・ウェア演習場で空薬莢を拾っていた農婦が米陸軍のウィリアム・S・ジラードに銃で撃たれ死亡した事件だという。 

この年は、5,000円札、百円硬貨が登場し、ロカビリーが流行り、フランク永井の「有楽町で逢いましょう」が大ヒットした。そう言えば、高校の修学旅行で有楽町へ行ってみたが、確かに、あの曲がかかっていたことを覚えている。

「美徳のよろめき」(三島由紀夫) 「晩歌」(原田康子)が出版され、世界のトップニュースは、ソ連の人工衛星「スプートニク」の打ち上げに成功したことだった。 
   (以上、読売新聞社 「10大ニュースに見る戦後の40年」から)