北の旅人

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おかしいぞ! 東京地栽の判断ー被害者匿名の起訴状について

2013-07-13 16:57:57 | Weblog

児童わいせつ、氏名記載要求=被害者匿名の起訴状で東京地裁-地検は拒否

強制わいせつ事件の起訴状で、東京地検が被害児童を保護するため氏名を伏せたところ、東京地裁が記載を命じていたことが13日、関係者への取材で分かった。地検は応じず、地裁と協議しているが、起訴状の不備を理由に公訴棄却が言い渡され、裁判が打ち切られる可能性もある。

関係者によると、問題になったのは、児童が見ず知らずの男に公園のトイレに連れ込まれ、わいせつな行為をされて写真を撮られた事件。2次被害を恐れる両親の強い要望を受け、地検は起訴状で児童の氏名は伏せ、犯行日時や場所、方法とともに、年齢のみ記載した。

これに対し、地裁は起訴内容が特定されていないとして、児童の氏名を記載するよう補正を命じたが、地検は応じていない。被告の男の弁護人は氏名を伏せることに同意しており、地検は被害者が特定可能な別の記載方法について地裁と協議を続けているという。

刑事訴訟法は「日時、場所、方法」によって起訴内容を特定するよう求めている。被害者の氏名は明記されていないが、犯罪事実の一部であり、通常は起訴状への記載が必要とされる。(時事ドットコム 2013/07/13-12:20)

まぁ、何と馬鹿げた判断だろう。一方的に加害者が悪いにもかかわらず、被害者を匿名とした起訴状を認めないというのだ。刑事訴訟法では、被害者の使命に関する規定はないという。

以前、神奈川県においてストーカーに遭って、警察が被害者の住所を教えてしまったため殺されてしまうという悲惨な事件があったばかりで、東京地検が配慮したにもかかわらず、頭のかたいことには呆れてしまう。

被害者の名前が分からなければ、加害者が反論する権利が奪われるからだという。他の事件でもそうなのだが、被害者に何の落ち度もなく一方的に被害を受けた場合には、被害者を匿名にすることは当然ではないか。そうでもしなければ、今後どうやって被害者の安全を確保できるのだろうか。極めて疑問だ。

他の多くの事件でもそうだが、日本の裁判の在り方は、もっともっと被害者の立場にたった判断、法律の運用をしなければダメだ。


参院選を前にして考えよう !

2013-07-03 11:18:50 | Weblog

いよいよ参院選挙が明日から始まる。民主党→自民党への政権交代が行われた衆院選から6か月余り。今度は、衆参のねじれ国会を解消できるかどうかなど、大きな問題が山積みだ。 

国内には、景気・雇用、東日本大震災の復興、原発再稼働、社会保障、消費税、TPP、選挙制度改革などがあり、国外には、中国・韓国などとの外交・安全保障がある。これらの難題を前進させるためには、何といっても政治の安定が必須条件だ。

かつて、熱病に侵されたかのように「政権交代、政権交代」と叫んで誕生した、民主党政権は無残な結果を残して退陣に追い込まれていった。それだけではなく、日本にとって、大きな負の遺産を残した。政治家主導による脱官僚政治をはじめ、「コンクリートから人へ」というスローガンを掲げた事業仕分けなど、政権運営の未熟さと相まって、表面的なカッコ良さを謳ったマニフェストは惨憺たる結果に終わった。外交・防衛においても、鳩山・菅・野田元総理の言動は実にお粗末だった。あれでは、日本が中国や韓国から侮られるのも無理はない。このツケは限りなく大きい。

一方、第三極といわれる「みんなの党」や「日本維新の会」などはどうなのか。いずれも、腰が定まらず、先の衆院選や都議選の結果で右往左往している状態だ。

とくに、「日本維新の会」は、橋下氏と石原氏の間がぎくしゃくしている。当然と言えば当然だ。推測するに、石原氏は衆院選前の日本維新の会の上昇気流を見て、橋下氏と連携することによって、ひょっとしたらワンポイントでも「総理大臣」の4文字が頭をかすめたのではないか。そうでなければ、都知事を途中で辞め、十分な政策議論の期間もないままに手を結ぶとは考えられなかったからだ。

それが、今では、橋下氏の唐突とも言える「従軍慰安婦問題」発言による支持率の急落や「憲法改正」に関する両氏の考え方の相違など、隔たりは大きい。橋下氏と国会議員団との溝が深いということも伝わってくる。最近の石原氏の言動からしても、戦意喪失という感じが強い。

「みんなの党」にしても、渡辺代表と江田幹事長の間がしっくりいっていないとも言われている。

こうして見てくると、民主党、みんなの党、日本維新の会ともに、今回の参院選は党の存亡をかけた戦いといっても過言ではない。「アベノミクス」を掲げる安倍政権にも色々な問題があるにせよ、現況では自民党の圧勝は明らかだ。

だからといって、われわれ有権者も、政党・候補者をよく見極めて投票しなければならない。「どの党に託しても、誰がやっても同じだ」などと棄権してはならない。

「政権交代」を後押ししたマスコミや評論家たちに乗せられて民主党を支持してきた人たちも多かったであろう。しかし、その結果を見れば「どの党に託しても、誰がやっても同じだ」ということにはならないのだ。

鳩山元総理のように、尖閣諸島に関して日本人とは思えない、信じられない言動を繰り返している政治家をトップリーダーにしてしまったのは、われわれ国民なのだ。このように、同じならまだしも、それ以下になることもあるということを決して忘れてはならない。