北の旅人

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「1956」-14歳の心象風景⑳

2009-07-28 10:34:02 | Weblog

<作文> 

          ブタ
              (K・S)

私の家で一頭のブタをもらいました。初めは小さなブタでした。まだ父はブタ小屋をつくっていませんでした。一番初めは、はこにいれておきました。やがて父は、ぶた小屋をたてました。

一番初めは「このちゃわんだけになるといいなー」と父は、すこし心配そうにいいました。やがてブタも大きくなり、ちゃわんよりも、もっと大きくなりました。

ブタのごはんをもってってやると、ブタは、前に立ちあがって来ました。私はあわくって、ごはんをやると、ブタは、いかにもおいしそうに、くちゃ、くちゃ、いやな音をたてて食べています。

ある日、私の家に小さな女の子が遊びに来ました。おひるに、でんぷんのだんごをやりました。その子は、半分でやめてしまいました。そのあまりを、ブタにやると、ブタは、歯をキーキーならしてたべていました。

私はそれを聞いて、歯が抜ける様でした。私は、歯をおさえながら、ブタ小屋から逃げて来ました。でも、ブタだから、しかたがありません。春になると、沢山の子を産んでくれることでしょう。

        ☆        ☆

農家では、ブタ、ニワトリ、牛、馬などを飼っていた。クラスメートの中にも、それらの世話をしていた子が結構いた。

先日のクラス会でも「俺はあまり学校へ行っていなかったからな」と笑っていた仲間がいたが、彼も牛や馬の世話をしながら、畑仕事を手伝っていた一人だった。

そのM君は、今もふるさとで農業を営み地域のリーダーの一人として頑張っている。クラス会で、ふるさとを訪問した際、彼が街中のガイドを引き受け、昼食時には皆にビールをサービスしてくれた。

「そんな気を遣わなくていいのに」というと、彼は「皆こんな遠くまで、わざわざ来てくれたんだから」と言う。唯一人ふるさとに残って地域のリーダーとして活躍している彼の心遣いは、うれしかった。

ふるさとを離れた一人としては、ふるさとのために、何か少しでも役に立つことがないかと考えている。それが、彼に対する、そして、ふるさとに対するお返しになればと思う。