北の旅人

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「1956」-14歳の心象風景⑱

2009-07-26 17:34:49 | Weblog

<作文>

          卒業期
               (U・A) 

春うららかな3月と共に、私達は卒業生の皆様と、お別れする時期になりました。私は今2年生で、もう1年すると今の卒業生と同じく学校を去らなければならないのです。

小学1年から中学2年までの8年間、楽しい時や悲しい時や、いろいろのことがあったけれど、その生活を過ごすのも後もうわずかです。今までの8年間に色々な友達と別れてきましたが、もう1年すると全員が一人一人ばらばらに分かれて、社会に出なければならない。

その一人一人の友達も社会に出たら、一生会わなくなる人もいるでしょう。私は、これから社会に出て自分の歩く道を選んでいかなければならないのです。私はまだ、自分のあゆみを、そう深く考えてはいません。

私は普通の人とちがって自分の一生を皆以上に考えていかなければならない。母は今から私のことを心配している。私は今、未来の事で頭がいっぱいです。残り少ない学生生活を楽しく過ごしたいとおもいます。

         ☆       ☆

田舎の学校だったので、小学校、中学校は同じ校舎にあり、小学一年から中学3年までの9年間は同じクラスだった。今流に言えば、小中一貫校というわけだ。それ故、仲間意識は大変強かった。私も、皆と別れ別れになるのは、「寂しいな~」と思ったものだ。

先日、このクラス会を51年ぶりに開いたのだが、半世紀の空白も何のその、皆あっという間に14歳の少年少女に戻って楽しい時間を過ごした。

そして、「このクラスで、ほんとうに良かった!」「小さい学校だったけれど、この学校で良かった!」と言いながら、旧交を温め合った。

当時、将来の進路ついては、野球小僧だったが、体が小さかったので、野球選手は早々と諦め、スポーツ新聞の記者に憧れたり、何故か政治に関心があったので政治家がいいかなと思ったり、お金儲けには、やっぱり会社の社長がいいかなど、まったく、考えがまとまらなかった。逆に言えば、夢多き年頃だったということか。

クラス会の別れ際に、一人のクラスメートが、「皆いい顔してるな」と言っていたが、それぞれが社会の荒波を乗り越えてきた歴史を読み取ったからではないか。縁あってクラスメートになったことを、改めて嬉しく思う。