狸便乱亭ノート

抽刀断水水更流 挙杯消愁愁更愁
          (李白)

葬儀最終回

2006-10-12 22:02:00 | 日録
葬儀についての文で回を重ねた。これが最後にしたい。
私は「キリスト友会」という宗教法人の準会員ということになっている。
この組織については、あとで触れたいと思うけれど、ここでは「葬儀」について述べる。
  葬儀の手引き(暫定)
1.キリスト友会の特徴
 キリスト友会は、キリスト教の中の一教派であり、普通フレンドといわれていますが、クエーカーと呼ばれることもあります。人を救いに導くことが出来るお方は、イエス、キリストだけであり、そのキリストご自身がひとりびとりに語りかけたもうという信仰を持っています。それ故、特定の聖職者がおらず、教会のすべてのことが会員の分担で行われています。
 生活のすべての面で、単純かつ質素であることを良しとしています。

2.死と葬儀について
 人はただキリストの救いを信じることによって既に救われており、永遠の命を約束され、「天国に国籍」(聖書の言葉)が与えられます。死は天にある本籍地への帰還であります。
 そこで葬儀の内容は、地上での生涯を全うして、天に召された個人を回想し、神に感謝する集会であります。
 キリスト友会では、それを「静黙礼拝」の形で行います。静黙礼拝は、参加者が黙って座り、静まって待つ中で、身近に来たりたまうキリストを体験する集会のことです。葬儀の順序は、この静黙礼拝を中心にして、その前後に故人をしのぶための幾つかのことを組み入れて作られます。

3.葬議場の設営について

 キリスト教では、遺体を礼拝の対象と致しません。それは、故人が地での生涯を完うするのに、その霊を宿してきた肉体として、なつかしく愛すべきものですが、あくまでも器にすぎません。したがって、それを高い位置にまつってものを供するようなことはしません。遺体は棺に納め、黒布をかけただけで、参加者の坐位の高さに安置され、そのまわりを簡素な生花で飾るに留めます。キリスト友会では簡素であることが最も尊厳で美しいとしております。
原則として、葬議場内のしつらいなどの設営は、すべてキリスト友会に一任していただきますが、場外の設営(例えば受付の机、椅子、天幕等)は当家または組合の方々にお願いいたします。
 葬儀場としてはキリスト友会の会堂を使用できますが、その他、故人の個人の住居、一般の斎場でも差し支えありません。

4.通夜について
 通夜は当家のご希望があれば行うことが出来ます。特に順序を定めた式でなく、二、三の賛美歌の唱和、聖書朗読、祈祷、があり、個人をしのぶ感想が一人二人から語られることがあります。ここでは静かに故人をしのぶときが保てるように、なるべく少人数の集会であるほうが望ましいと思います。

5.葬儀の順序について
 式としてとくに定められた形式はありませんが、標準のかたちは次のとおりです。

前奏
賛美歌
聖書朗読
祈祷
故人略歴朗読
賛美歌
静黙
賛美歌
遺族からの言葉
頌栄
終祷
献花
(弔辞、弔電の披露はしません)

 静黙の礼拝の中で、一人か二人から故人についての感想と、すすめの言葉が述べられます。葬儀は、故人の生涯のすべてにわたって神の愛がいかに十分であったか、故人がその愛に励まされて、いかに人に尽したかを確認し、神を讃えることでありますから、いたずらに故人を褒め、その業績を顕彰することは避けなければなりません。
「遺族からの言葉」は、故人の近親の一人(配偶者、子、兄弟等)によって故人の晩年の心境、最後の言葉や様子などの中から、故人に代わって会葬者に伝えるという気持で、短く話していただくものです。(お礼の挨拶ではありません)
 当家から会葬者への挨拶は、出棺の時にしていただきます・

6.香典の取り扱いや、いわゆる忌中払いなどについて
 これらについて、キリスト友会としては関与しません。すべて、当家の意向と近隣組合の方々との相談で決めていただけば良いでしょう・

7.費用の負担について

 議場内の設営に要した諸掛は、キリスト友会から当家に払出をもとめます(主に花代です)
 葬儀の執行は、すべてキリスト友会の会員の奉仕によって行われます。
 職業的にこれに携わる人は特にいませんので、報酬は必要ありません。
(もし、お礼の気持からというのでしたら、献金としてキリスト友会がお受けします。金額の基準は全くありません。)

 この手引きは、まだ成案ではないが、月会の事務会及び総会において三年七ヶ月の長期間にわたって継続的に審議されたもので、1985年10月21日の総会で暫定的に使用していくことが決められたものである。

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