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窓の障子が明るいので起きて開けてみると、東の空ほんのりと明らんでいた。5時半である。
日の出前の東の空、絵に描いたように鮮やである。これまでも何回かもカメラに収めてきたが、うまくいかぬ。やっぱり固定脚でシャッター速度をうんと遅くしなければダメなのだろう。何枚撮っているうちに時間は刻々と経過。太陽が昇ってくる。これが気球の回転の速さか!
ガラス戸を太陽が照らし始めた。
さてさて今月発行予定の文芸誌も愈々大詰め。
「編集後記」にするか「あとがき」にするかの段階に入った。こんなことで、クヨクヨする気の小さい小生である。いくら零細なりとは云え、運送店経営者には不向きだった。だからうまくいく筈はなかったと自虐的反省をしている。
「文学散歩」という雑誌創刊号(昭和36年1月創刊)を見つけた。
編集後記の前に、筆者紹介(敬称略)というコーナーが設けてあったので、真似してみた。今は、住所や電話番号の記載などは敬遠される。垢抜けた編集、その野田宇太郎編集「文学散歩」の筆者紹介は、次のようなものである。
石田幹之助 東洋学者、文学博士、日本大学教授、文化財保護専門委員。
徳田一穂 作家。秋声長男。
谷口吉郎 建築学者、工学博士、東工大教授、文化財保護専門委員。
吉井 勇 作家、歌人、昭和35年11月19日74歳に没。
村松嘉津 フランスの東洋学者ガスパルドヌ教授夫人。文化史及び文学史研究家、在ヴェルサレユ。
阿部徹雄 写真家
若杉 慧 作家
幸田 文 作家
戸川エマ 作家、評論家、文化学院教授
三輪福松 イタリア中世、ルネッサンス美術史専攻
曽宮一念 画家、図画会々員
高橋新吉 詩人、作家
小堀杏奴 作家。評論家