中国のネット販売は低価格品が主体となっている。タオパオはその代表的なサイトだ。アメリカンエキスプレスの発表によると、経済の停滞が高級ブランド品の販売に影響しているものの、ネット販売に関しては上昇しており、2009年の高級ブランド品のネット販売は前年比87%増加したという。アメリカンエキスプレスの発表なのでアメリカ市場の数値だろうか。
中国は2009年末までに日本に告ぐ高級ブランド品消費国となった。その関係か、低価格品が主体のネットショッピング業界でありながら、高級ブランド品専門ショッピングサイトも次々と立ち上がっている。代表的なものを以下に紹介しよう。順に、「第五大道」、「唯品会」、「魅力恵」、「佳品網」、「聚尚網」、「呼哈網」、「尚品網」だ。クリックするとサイトに繫がるように設定したのでご覧ください。
しかし、いつの間にかこんなにたくさんできてしまっている。多くがファンドの投資を受けている。
海外では年配の人でもネットで高級ブランド品を購入する人がいるが、中国ではまだ時間がかかるだろう。中国人は実態店舗でモノを目で見たり触ってみたりすることで確認したがる傾向にあること、実態店舗で購入することにより得られるステイタス感を好むからだ。
高級ブランド品ショッピングサイトが陳列している商品は全てが高級ブランド品というわけではなく、ミドルロークラスブランドも含まれている。高級ブランド品を購入できる層はまだ限定的であり、また高級ブランド品をネット販売で購入するということもまだ成熟していないので、新しく開設したサイトであれば閲覧こそはしてもらえても購入にはつながらず、購入してもらいやすいミドルローブランドを入れざるを得ないからだ。。
実態店舗よりも安価で購入できるという魅力はあるものの、今のところ消費者の高級ブランド品ショッピングサイトの受け入れ度合いはまだ高くないようだ。確かにタオパオとは大きな差別化はできているのだが、今現時点だけで言えばまだちょっと早いかもしれない。しかしながら、ネットの世界では早い者勝ちの部分もあり、今現在の採算が取れないとしても将来的にやっていく心積もりがあれば初期の段階でどんどん資金も投入してやっていくことになるし、今まさにこの段階だろう。
ネットビジネスの世界は夢を感じさせる世界であり、それが故に多くのファンドが資金投入してくれているが、いったんファンドが投資を引き上げるととたんに破綻してしまうケースも少なくない。数年後に以上の紹介したショッピングサイトはどれだけ残っているだろうか。