呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国の健康診断市場

2014年12月15日 | 日記

 だいぶん以前に中国の健康診断市場に関する相談を受けたことがあります。結局そことはその後うやむやになり、別のところから相談を受けて、簡単に調べたことがあります。調べる側からするともっともっと細かく調べたいと思うものですが、なかなか先方の予算的な制限もあって毎度毎度そういうわけにもいかないものです。

 

 さて、その中国の健康診断市場ですが、全体数値を見てみましょう。2014年の市場見込みが749億元(1.5兆円)もの規模にもなり、2009年から2013年までの間の平均成長率は26.4%にもなります。2017年には今年の2倍になると予測されています。

 

(出所:中国経営報/frost sullian安信国際)

 

 中国の健康診断民間最大手で愛康国賓という会社があります。同社の2014年の健康診断受検者数は266万人に上り、2011年の2.5倍と急成長しております。2013年には愛康君安健療国際というハイエンドブランドでの展開を開始し、北京の旗艦診断所ではシーメンスの最先端のCTを導入し、これは中国国内の三甲(病院ランクを示すもの。三甲は最上級)病院で使用するものよりも高レベルのものといわれています。今後は北京に続き、上海、広州、南京などでも配備することを予定しています。そして、今後も全国の多くの都市でCTを配備していく計画です。これらCT設備は主にシーメンス、GE、フィリップスのものが導入されるようです。今現在、愛康国賓は50数か所の健康診断所を有しており、年間受検者数は上にも書いた通り270万人近く、このうち企業が90%を占めています。もちろん民間ではトップです。

 

 

(出所:中国経営報/frost sullian安信国際)

 

 中国の健康診断市場は病院で行っているケースも多く、しかしながら、病院からするとメイン業務ではないため力を入れ方がそれほどでもなく、民間が入り込む隙があったと愛康国賓は見定め、参入したとのことです。ただし、健康診断だけで終わってしまうとすぐに追いつかれてしまうかもしれない、なにかやらなければならないという危機感を持っていました。そのため健康診断だけで終わってしまわないように、必要があれば三甲病院の専門家を手配したり、世界の名医に北京に来てもらうことまでするようです。もちろんお金次第なのでしょうが。アフター健康診断の部分で差別化しようとしており、「私たちは単に健康診断をするだけの場所じゃない」ということを訴えています。今の調子だと来年には年間300万人超えは間違いないでしょう。今後は健康診断で出てきた結果をどう活用するかをビジネスにしていこうとしているようです。

 

 予測を見る限りまだまだ伸びていきそうなこの分野、考えている企業もいるのではないでしょうか。是非お手伝いしてみたいものです。


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