呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国の飛行機の遅延、本当の理由は?

2012年04月23日 | 日記

 昨日上海から東京にやってきましたが、午後5時発の便が飛行機そのものが到着しておらず1時間の遅れ、そして飛行機に乗ってから交通管制とかいう理由で約1時間待たされて、合計で約2時間の遅れでした。結局成田空港に到着したのは午後11時前で、さすがに無料のリムジンバスが用意されていましたが、えらくつかれました。この便は北京から上海経由の成田行きで、北京からの出発が遅れたことから上海からの出発も遅れてしまいました。中国国内での遅れが原因でした。 

 さて、中国の飛行機はあまりにも遅延が多いというのは経験した方ならよくわかると思いますが、そもそもなんで遅れるのでしょうかについて見ていきたいと思います。まず、空港で案内されるのは飛行機そのものが到着していない、天候不良、数量をコントロールする交通管制、だいたいこの3つだと思います。この理由を100%信じられない人も少なくないでしょう。さて、中国民航局が発表した《2010年民航行業発展統計公報》によりますと、「天候要因」によるものが19.5%、「交通管制」によるものが27.6%で、この二つを合わせても47.1%で半分にもならないです。飛行機そのものが到着していないもこの二つのどちらかによることになっているのでやはり全体でもこれらの理由は半分にも満たないです。

 この二つの理由が多いことには理由があるのですが、この二つの理由で遅れた場合賠償責任が生じないからだと言われています。2004年に中国民航総局が発表された《国内航空会社の自身の原因によりフライト遅延をもたらすことに対する旅客への経済補償の指導意見(試行)》の規定によりますと、航空会社自身の原因によりフライトが遅延した場合、遅延時間が4時間以上8時間未満の場合と8時間超の場合で、実際の状況に応じて経済賠償を行うものとされており、その実際状況はどれだけ賠償するかは各航空会社が自らその基準を定めるものと規定されています。このような賠償支払いを回避するために航空会社が天候要因、交通管制を理由にしていることは十分に考えらえる、つまり、嘘をついているかもしれないということは十分にあり得るでしょう。交通管制を理由とする場合、優先して飛ばしてもらえる飛行機とそうでない飛行機がありますが、往々にして航空会社が空港にちゃんとお金を払っているかいないかで左右されるようです。支払いが遅れている場合は後回しということになります。

 この他の腹立たしいものとしては、搭乗率があまりにも低い場合に別の便とドッキングされるケースがあります。地方便で何度か経験したことがあります。もちろん明確な理由は教えてもらえません。

 しかし、こんなのがいつまでまかり通るのでしょうかねえ。