呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国の最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

異常に高い中国の郵便不着率

2012年04月20日 | 日記

 中国で書類を送付するとき、郵便ではなく「快递」(クワイティー)を使うケースが多いです。辞書で調べると「快递」は速達と訳されていますが、日常的にはバイク便と呼んでいます。当然一般の郵便より費用が高くつきます。その割にはあまりにも普遍的に使われているように思います。郵便ではなくバイク便を使う理由として考えられるのは、まず第一に速いということが挙げられると思いますが、もう一つの理由として紛失しないというのがあるのではないかと思います。統計的に見て中国の郵便の紛失率は非常に高いようです。日本の場合ですと古いデータになってしまうのですが、朝日新聞(2004年)によります、郵便公社に持ち込まれた誤配、紛失は普通郵便(230億通)で35万通、書留(3億6000万通)が1000通なので、それぞれ0.0015%、0.00028%ということだそうです。まず付着することはありえないと言っていい数値でしょう。ところが中国のテレビ報道によりますと、なんと国内普通郵便の不着率は33%にも達するそうです。これだけ不着率が高いと怖くて使えないです。

 中国では郵送期間に決まりがあるようでして、

(1)直轄市、省都間は3~6日以内の送達で、6日以内の送達率が95%以上であること。

(2)近距離間の地級以上の都市間は5~9日以内の送達で、9日以内の送達率が95%以上であること。

(3)近距離間のその他地区との間は8~15日以内の送達で、15日以内の送達比率が95%以内であること。

 こんな決まりがあるとは知りませんでしたが、さすがに国土が広いだけあって相応に余裕を持った期間設定になっていると思います。しかし、期間内の送達率が95%以上であるべきということになっていますが、報道にある不着率33%とは一体何なのでしょうか。これは『新聞1+1』というテレビ番組が独自で郵便を送付し、その不着率を調査したものです。単純に一定数の郵便を送ってどれだけ到着したのかを調べたものであり、いわゆる調査機関が行った調査ではないのですが、一応の参考にはなるでしょう。しかしその結果が33%の不着率、あまりにも高すぎです。上に書いた日本の普通郵便と比べると中国の不着率はなんと2200倍にもなります。テレビ番組が面白くするために行った調査なので33%は話半分くらいで考えた方がいいかと思いますが、それにしても高過ぎます。この数字を見せられると普通郵便は怖くて使えなくなってしまいます。バイク便の方が全然安心感があります。大事な資料や書類だと郵便は使えないですね。