極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

鰹節のモース硬度

2013年01月03日 | 日々草々

 

 

 

   



 

 

     私はこの川にはまったくうんざりである。空一面に
     撒かれた星にも、葬儀のごとき重い沈黙にもうんざりした。
     退屈しのぎに、私は御者に話しかける。彼はかなりの
     老人のように見える……彼は言う、この黒々とした気色わるい川には、
     チョウザメや白鮭やカワミンタイやカワカマスがどっさりどいるんですが、
     釣りをする人間がここには誰もいませんし、釣り道具だってありやしません。

                           
                     アントン・チェーホフ『シベリヤの旅』

                                 村上春樹 訳

 

  

 

 

【鰹節物語】

 

昨日のテレビで「和の文化遺産 美味しい日本 一万五千年の旅」という放送で、枕崎の本枯節
(ほんか
れぶし)が紹介されていたが、なんといいうか伝統の分厚さを見せつけられ唖然とする。
あの鰹一
本が20センチメートル程度の本枯節になるのだから感動!。製法のいわれは江戸時代
にはじまる。紀州印南浦(現和歌山県日高郡印南町)の甚太郎という人物が燻製で魚肉中の水分
を除去する燻乾法(別名焙乾法)を考案し、現在の荒節に近いものが作られるようになった。焙
乾法で作られた鰹節は熊野節(くまのぶし)として人気を呼び、土佐藩は藩を挙げて熊野節の製
法を導入したという。
大坂・江戸などの鰹節の消費地から遠い土佐ではカビの発生に悩まされた
が、逆にカビを利用して乾燥させる方法が考案された。この改良土佐節は大坂や江戸までの長期
輸送はもちろん、消費地での長期保存にも耐えることができたばかりか味もよいと評判を呼び、
土佐節の全盛期を迎える。改良土佐節は燻乾法を土佐に伝えた甚太郎の故郷に教えた以外は土佐
藩の秘伝とされたが、印南浦の土佐与一(とさのよいち)という人物が安永10年(1781年)に安
房へ、享和元年(1801年)に伊豆へ製法を広めてしまったほか、別の人物が薩摩にも伝えてしま
い、のちに土佐節・薩摩節・伊豆節が三大名産品と呼ばれるようになるが、早速、好奇心に火が
付きネット検索し『鰹節物語』としてサイトアップする(クリック@上写真)。それだけじゃな
く、下図のように新規考案を調べ、二件ほど紹介することにした。

 特開2012-005387

常温で荒節または裸節にカビを培養し、殺虫・殺菌を行うカビ付け工程と、このカビ付け工程を
行った後、常温よりも低い温度(0℃~15℃)で熟成で荒節または裸節を熟成し、殺虫・殺菌
を行う熟成工程(熟成期間は2週間)を新たに加え、カビ付け工程と熟成工程を、それぞれ1回
または2回以上繰り返す工程(成熟期間2週間
)に改良することで肉質香、枯節香を維持し、カ
ビ臭の発生を抑制し、より一層香りを良くすることができるという。


特開2010-220557

【符号の説明】

1 容器 2 超音波振動子 3 発振器 4 制御装置 5 真空ポンプ 6 真空制御装置
7 だしパック 8 液体 



また、だしパックをお湯に浸け、加熱しながら人的にだしパックを揺すったり揉みだしする作業
を行ったり、自動的に攪拌や対流を行う装置を付けて、抽出効率を高める装置を使用する従来の
鰹節のだしの抽出方法では、特有のえぐみ等も出てしまうという欠点があるため、容器と容器に
間隔を開けて入れただしパックとだしを出す液体と、だしパックと液に超音波を照射する超音波
振動子から周波数が50KHz~1MHzで、超音波出力が0.1W/cm2で照射しながら、容器に付けた真空
発生装置と音波振動で容器内を負圧と常圧を繰り返すことで、エグ味や濁りがないだしの液体を
抽出するという新規考案も提案されている(※だしパックの中身は鰹節破砕体や鰯の煮干しを使
用)。

 

【鰹節のモース硬度】

鰹節の堅さについてもテレビでは触れられていたが数値化したものとして表現されていないので、
これも
ネット検索すると出所不明ながらモース硬度7~8ということで、7.0 石英(水晶)、ト
ルマリン、ヒスイ、カンラン石、
7.5 ベリル(エメラルド、アクアマリン)、ガーネット、8.0
トパーズの堅さに相当するとあるから、サスペンス小説の殺人事件に使えそうだと腑に落とす(
針を鰹節でつくり、急所に打ち込めば、時間がたてば自然還元され凶器隠滅できる?)。まぁ、
この時点では「燻製発酵技術」(食と工学)側面の考察はできないが、何かピンと来るものがあ
り日をあらためその正体を明らかにしたい。

 

 

【アベノミクス寸評】  

  

中産階級の所得膨張(社会階層所得配分)やインフレターゲット(デフレ脱却)、日本列島強靱
化(震災復興、防災・減災※)は、ブログ掲載提案済みで、オバマ政権や安部政権にすでに取り
入れられているが、ここにきて「アベノミクス」※なる経済成長路線が話題となっているという
(彼女も質問しに来る)。インフレターゲットは、ニュージーランド、カナダ、イギリス、スウ
ェーデン、フィンランド、オーストラリア、スペイン、韓国、チェコ、ハンガリー等の国のほか、
欧州通貨制度加盟国については、ECB(欧州中央銀行)がインフレ目標を採用している増やす
べきマネタリーベースについては、GDPギャップがどの程度あるかでいろいろな計算方法があ
るが、仮に5~6%であるとすれば、ネットで30兆円ほどの通貨発行となる。政府通貨を発行し財
政支出をしてもいいし、中央銀行が市中国債を買い入れ政府がそれと同額の国債を発行し、財政
支出・減税・社会保険料減額をしてもいい(money-financed transfer)(参考@高橋洋一『俗論を撃
つ』ダイヤモンド・オンライン)。もう少しいうと、市場調整機構に積極的に離散系数値管理手
法を開発研究すべきだ
と考えている。また、海洋開発もアバターを使いブログで掲載解説した通
りだが(これにすぐさま中国は反応し食いついてきた)、これも環境影響事前審査などの法整備
を行った上で積極的に展開すべきだと考えているし、徴兵制導入や原子力推進には異論があるも
のの、「アベノミクス」の趣旨には概ね賛成だ

※防災・減災政策には原発事故・原発政策も含まれる。
物価目標(インフレターゲット)2パーセント設定、日銀法の改正も視野に入れて大胆な金融
緩和を行う。
財務省、日本銀行、および民間が参加する外債ファンドを創設し、外債購入の方策
を検討する。
緊急経済対策を断行し、補正予算と新年度予算を合わせて切れ目なく経済政策を実
行する。
「日本経済再生・産業競争力強化法」(仮称)を制定し製造業の復活を目指す。日本の
立地競争力低下による産業の海外流出を防ぐため、イノベーション基盤の強化や法人税の引き下
げなどを行う。
メタンハイドレートやレアアース泥などの海洋資源の開発に集中投資する。

コメント
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