【京速時代とは】
世界のスーパーコンピューターの性能ランキング「TOP500」が14日、米
国で発表され、理化学研究所と富士通が共同開発した「京(けい)」(神戸市
)が6月の前回に続き首位を維持した。2位は中国、3位は米国だったという。
京はCPU(中央演算処理装置)の増設で前回より1.3倍高速化。世界で初め
て毎秒1京(1兆の1万倍)回を超える1京510兆回の計算速度を達成し、日本
の科学技術力を改めて世界に示した。富士通は京を改良し、性能を毎秒2京回
に引き上げた製品を来年1月から出荷する。スパコン技術が短期間で陳腐化す
る中で、競争力のあるうちに改良製品を市場投入するのは驚くべきことだ。米
IBMも毎秒2京回の「セコイア」を来年中に開発すると表明しており首位争い
は激化しそうだと見られている。
高速処理できることは何となく良いことだと思いがちだが、反面、目的と手段、
本末転倒するととんでもないことになる。記憶も生々しいリーマンショックに
翻弄された経済危機の発端となった金融工学も然り、使い方を間違えると大変
な脅威となると考えるのは至極当たり前、そのリスク計算や危機分散(ポート
フォーリア)を考えるにも中央演算処理装置必要だ。しかし、ここでは<京><
ペタ>レベルのものはいらないはずだ。なぜなら、ここでは、安全・安心・安
定(堅牢)ということが第一優先事項だ。いわゆる『なぜ、世界二位ではいけ
ないのですか?』という問い掛けに通底する考え方だ。また、技術的には並列
処理で安くて同程度の演算能力をえることも可能だということは素人のわたし
でもわかることだ。
わたしの予測より急テンポで動き出した太陽電池産業(ついていけていないの
だが)。そのひとつとして屋根設置工法の簡素化がある。太陽光発電の取付工
事に新しい工法が登場してきている1つにグリーンテック(本社京都市、川勝一
司社長)が、接着剤を使って折板屋根に太陽光パネルを固定する工法を開発し
たというのだ。東京ビッグサイトで開催された太陽光発電の総合展示会「PV
EXPO 2011」で披露した。これによると、パネルを接着剤で固定するため屋根
に穴を開けが不要。作業工程が簡素化される上、雨漏りが起こらないといった
メリットがある。接着に使用する素材は、接着剤製造大手のセメダインと共同
開発したといことだ。なお、実用化は今夏頃の予定。もう1つ、ユアサ商事」
社は磁石によってパネルを固定する「マグモレン」という方法。どちらも、設
置できる屋根の種類などに制限があるが、雨漏りの心配が少ないという大きな
メリットがあり、施工も通常のものに比べ、かなりコストが削減出来るという。
【怒濤のデジタル革命ラッシュ】
古河電工グループの協和電線株式会社は、電気自動車(EV)の非接触充電シス
テムに使用する埋設型高周波電流供給ケーブル「KANZACC~EMIC-One」を開発。
非接触充電システムとは、ケーブルやコネクタなど物理的な接触なしで、電気
自動車(EV)に電力を供給するシステムでショッピングセンター駐車場や、交
差点などに送電ユニットを埋め込み、停車するだけで充電が可能となる。非接
触充電システムの電源盤から地表側の一次コイルに高周波大電流を供給するケ
ーブルで、効率よく供給でき導体には多芯絶縁線を使用し、表皮効果による交
流抵抗の増加を抑制している。また、ケーブルは地中埋設されるため、ケーブ
ル外周全体を波付金属管で覆うというコルゲート加工を施し、ケーブル全体を
保護し敷設時の作業性向上にコネクタ付け端末加工も施しケーブルを定尺化し
てセット販売を行なう予定という。なお、2011年11月からサンプル出荷を始め、
2013年度に1億円の売り上げを目指す。
それだけではない、インプラント型熱電変換素子も産業技術総合研究所(健康
工学研究部門)で開発されている。これは、光により容易に発熱可能なカーボ
ンナノチューブ(CNT)の特性(光発熱特性)を熱電変換素子に組み入れ、生体内
で発電できる光熱発電素子だ。カーボンナノチューブ(CNT)はナノ炭素材料の
1つとして大きな注目を集めているが、溶媒に分散しにくい点が応用上の制約
となっていたがポリ(3-ヘキシルチオフェン)(P3HT)を用いると、CNTをシリコ
ーン樹脂(ポリジメチルシロキサン;PDMS)中に均一に分散できることを見い
だしたという。このCNTを分散させた樹脂は生体透過性の高い近赤外レーザー光
により発熱する。この樹脂フィルムをビスマス-テルル型の固体熱電変換素子の
表面に接合した光熱発電素子は、近赤外レーザー光によって樹脂フィルムが発
熱して熱電変換素子に温度差を生じ、それによって体内で効果的な熱電発電動
作を示した。今回開発した光熱発電素子により、心臓ペースメーカーなどの数
多くの体内埋め込み型やウエアラブル型医療機器などへの光による遠隔電力供
給システムの実現がしそうだ。
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