極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

包括的エネルギー制御技術

2011年11月08日 | WE商品開発


富士通研究所は、CPUから発生する廃熱を利用して、サーバルームの冷却に使
う冷却水を製造する技術を開発した。水冷式のCPUより排出される廃水は、55
℃と温度が低く、負荷によって温度も変動するもののこのような廃水からも
連続的に冷水を製造することが可能になった。冷却発生装置に入力した廃熱
量を100%としたとき、最大で60%の熱量に相当する量の冷水出力が得られた
という。

 

もう少し細かく見ると、循環通路から吸着式ヒートポンプへと供給される冷
媒の温度が高い方が、吸着式ヒートポンプの冷却能力(冷熱生成能力)を向
上するには、吸着質の蒸発時により多くの気化潜熱が吸収されるからで、吸
着式ヒートポンプに供給する冷媒の温度が低すぎると、冷熱生成能力の低下
を招くおそれがある。これに対して、電子機器の複数の
発熱体がある場合、
吸着式ヒートポンプに流入させる冷媒の温度をより高めるため複数の発熱体
から熱を回収するには、発熱体の温度、発熱量はその作動状況に左右される
ので、吸着式ヒートポンプに流入する(供給する)冷媒の温度を許容下限温
度以上に維持することが必要だ(吸着式ヒートポンプの冷熱生成能力が低下
する)。


つまりは、冷媒を介して複数の発熱体から熱回収を行い、熱回収により加熱
された冷媒を吸着式ヒートポンプに供給する熱回収装置は、吸着式ヒートポ
ンプに供給する冷媒の温度が低くなり過ぎることを抑止することが必要で、
吸着式ヒートポンプの冷媒流入口と冷媒流出口に接続された冷媒の環状に循
環通路→循環通路の分岐部と冷媒流入口との間の並列に配置された複数の熱
回収部→各熱回収部の受熱器→受熱器より下流の冷媒を受熱器より上流側の
循環通路に還流させる還流通路→受熱器より下流側に設けられた冷媒温度を
検出する検温器→各熱回収部の冷媒が冷媒流入口と還流通路とを各検温器の
検出温度に応じ流路を切り替える流路制御装置から構成することで問題を解
決するというものだ(下図参照)。

 



【符号の説明】

1 冷却システム 2 吸着式ヒートポンプ 3 熱回収装置 5 制御装置
6 CPU(発熱体) 201第1吸着器 202第2吸着器 203蒸発器
204 凝縮器 205,206吸着剤 300循環通路 301循環ポンプ
302 熱回収部 303 分岐部 304 合流部 305 受熱器 
306 熱回収前通路部 307 熱回収後通路部 308 温度センサ
309 還流通路 310 流路切り替え弁 

つまり、下記のようなヒートポンプの特徴(1のエネルギーを投入し4のク
リーン出力をえるシステム)を生かすために、緻密な温度検出制御システム
を導入することでいままで無駄に排出していた熱エネルギーを再利用するこ
とが可能となる。
 



こんなことを打ち込んでいると、母親がまるで猫のように魚の骨だけ残し綺
麗に食べ尽くしていたことを思い出した。ただし、この場合の骨は熱媒体な
のだが、こんなところにも日本人の品質の高さが(=付加価値)顕れている
ねと感心することになった。

 

  今朝目が覚めて僕はいちにち
 ベッドの中にいて本を読んでいたいという激しい思いに
 駆られた。しばらくその思いと闘っていた。
 
 それから窓の外を見ると雨が降っていた。
 そして僕はあきらめる。この雨の朝の
 手中に全身を委ねてしまう。

 僕は生まれ変わっても同じ人生を繰り返すだろうか?
 許されることのない同じ過ちをまた犯すだろうか?
 イエス、ちょっとしたきっかけさえあれば。イエス。



                    レイモンド・カーヴァー『雨』
                        村上春樹 訳
Rain

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