堀端をきみと駆け抜くツゥーシート 柳の向こうは掃部の昼餉ぞ
■ 白山神社の祭神
昨日から神社事務所の改修がはじまり、きょうは電気工事が加
わることなった。杉の枝が関西電力の電柱に接触し配電に異常
をきたす、という指摘を加名盛電気の親父さんから受け、枝打
ちをするため約6メータの高さまで登り作業したが、そこは高
所恐怖症。風で時より揺れるではないか。意を決して下を見ず
目先のターゲットに集中し作業をすと、効果があったのか慣れ
てきた。普段から過酷な肉体労働をしていないのもあり鋸を持
つ手も握力が下がり敢えなく再チャレンジとなった。
白山比神社(ひめじんじゃ)は、石川県白山市三宮町に鎮座
する神社である。式内社、加賀国一宮で、旧社格は国幣中社。
現在は、全国に2000社の白山神社の総本社とされる。現在の祭
神は、白山比神社社蔵の『神社明細帳』(明治初年)により、
白山比大神、白山比神、伊邪那岐尊(イザナギ)、伊弉冉
尊(イザナミ)の三神を祀る。一般には白山さん・白山権現な
どともいわれる。創建は崇神天皇の頃とされる。文明12年(14
80年)の火事の為に末社の三宮の位置(現在地)に遷座した。
奥宮は、白山山頂の御前峰にある。神紋は、三子持亀甲瓜花。
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なじみの居酒屋にご機嫌伺いで立ち寄る。このままでは店は畳
まなければならないという。そんなことはないはずだ。但し、
お店のポリシーが問題なので、不況でかえって繁盛する経営も
あるはずさとは言わなかったが、マイグラスとマイボトルを預
けても良いかと尋ねたらひとつ返事で承諾だ。それと、イタリ
アン野菜とハーブを実証的に菜園するので、とっておきの作品
を届けるからそれを料理してくれないかととも尋ねてもみたが
これもひとつ返事で済んだ。
春雨に 萌えしやなぎか 烏梅の花 ともにおくれぬ 常の物かも 大伴家持
それから4月16日には友達二人とそのお母さんが彦根にこら
れ「カンポの宿」に泊まるが夜は友達ふたりを連れてくるので
ご馳走を頼むと予約した。それにしても、不況だと大騒ぎする
前に地につけた経済活動をやっていればそれなりに旨くやって
いけるはずだと改めて腑に落とした。そうこうしていると、女
主人は急に3月1日のETVの辺見庸の『しのびよる破局のなか
で』 の再放送の感想を熱く語り始めた。なぜ、辺見庸を知って
いるのと尋ねたら、あなたが本をくれたじゃないという(記憶
に乏しいが(『もの食うひとびと』共同通信刊、角川文庫だっ
た)、へぇ~、そうなんだ。そういえば、歯医者へ行っての帰
りだが、そこの待合室には何故か彼の本が二冊おいてあり、斜
め読みしてきたが奇遇だなぁと話した。
わが門(かつ)の いつもとやなぎ いつもいつも 母が恋ひすす 業ましつつも
大伴家持
話の内容聞いていると、サルトルの「実存主義」(「存在と無」
)を思いだしたが、そのことを言うと即座にそうだという答え
が返ってきた。辺見庸(+NHKスタッフ)-女主人-私(客)の
見事なまでのシンクロナイゼーションを体験することができ、
家に帰り早速ネットで調べてみて、二つの紹介があったので書
き留めておいた。そのひとつは、近著『しのびよる破局-生体
の悲鳴が聞こえるか』(大月書店、3月下旬刊行予定)と二つ
目はPPJというNPO活動(人と人をつなく会-孤独死防止)の存
在だった。
遊ぶ内の 楽しき庭に 梅柳を折りかざしてば 思ひ無みかも 大伴家持
後者は、彦根のような田園都市の大きな空間をもつところは、
やれグランドゴルフだ、やれゲートボールだと近隣の高齢者が
集まり庄堺公園など朝早くから楽しんでいる光景を、二日に一
度のウオーキングの方々目にしている者にとって、東京の不幸
な情況を想像だにできない。谷川雁の『都会に行くな』(記憶
がどうも)の詩編を思い浮かべ「東京へ行くな、ふるさとをつ
くれ」がやっとここでは実現したのだと腑に落とした。彼のブ
ログの目次掲載を見ているとスリリングな文字が静寂にして激
情をもって鎮座しているので羅列してみよう。
しなざかる こし(越)のきみらと かくしこそ
やなぎかづらき たぬ(楽)しくあそばめ 大伴家持
「①破局の同時進行-同時性のパンデミック/価値システム総
体の破綻/人間的価値の問いなおしを/病むべく導き健やかに
と命じる」「②生体反応としての秋葉原事件-世界からの孤絶
/「リア充」の喪失/被害者と加害者の究極的な等価性/時・
空間の変容/端末化する生体/思索の排除」「③価値が顛倒し
た世界-格差と内面の変化/新しい階層の誕生/マルクスの発
見/カジノ資本主義への自省/大量自殺という「内攻的な暴動
」/憲法九条と二五条の危機/経済危機とナショナリズム/
〝労奴〟と労組の背信/ファシズムは魅力的な顔をしている」
「④無意識の荒み-日常のコーティング/無意識の荒み/メデ
ィアが煽動する世間/駄作としての資本主義」「⑤人智は光る
のか-社会は善意に満ちているか/「誠実」の凄み/暴力の時
代/「人間であるがゆえの恥辱」/腐った民主主義/マチエー
ルとインタラクト/たたかいは避けられない/人智は光るのか
」「⑥〈不都合なもの〉へのまなざし-PPJと許せる自己像
/〝無〟を分泌し、ただ歩く思索と徒労/死者の列、末期の眼
/最期の残照/宙づりのことば/年譜や碑文はいらない/他の
痛みへ」「(巻末断想)破局のなかの〝光明〟について―あと
がきのかわりに」という構成だがこれは公的図書館で一冊所蔵
すべきものだと直感的に思うほどの待ち遠しい本ではないか。
春去れば 垂れ柳の とををにも 妹は心に 乗りにけるかも 柿本人麻呂
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ところで、家庭菜園やハーブの実証試験を計画して種を取り寄
せたのだが3社中、国内産は殆どなく数%以下だ。各社はリス
ク管理できているのだろうかと思うと同時に商社機能だけなの
か若しくは商社機能の総売上に占める割合はいくらなのか詳し
く調査することも課題となった。また、当初は、温度や灌水及
び通風などの自動制御は自前でつくろうと思っていたが、既に
市販されている灌水装置(株式会社タカギ(製造は松下電工)
)を購入した。灌水装置のタイマーは事前にプログラミングす
ることで給水及び停止を任意設定でき、先端部にスプリングク
ラーや噴水方式、滴下方式等の灌水器を選択する。この時、水
耕栽培できるものはトレーに水を一定量自動給水することで底
部から毛管現象を使い給水できるものも市販されているの便利
である。尚、灌水装置は土壌水分センサと組み合わせる自動給
水方法も選択でき便利そうである(測定原理は土壌の誘電率を
測定することで水分量を感知)。
君が往き 若し久に有れば 梅柳 誰と共にか吾が蘰(かつら)かむ 大伴家持
■ 橘菖
月に一度料理が替わる彦根城の大手門のいろは松が見通せる日
本料理『橘菖』(きっしょう)へ食事に出かけるが、その時の
歌を少し愉快にくだけて詠んだ。ヤナギ(柳)とはヤナギ科
(Salicaceae)ヤナギ属(Salix)の樹木の総称。世界に約350
種あり、主に北半球に分布する。一般には柳と言えばシダレヤ
ナギを指すことが多い。ここではヤナギ属一般について記す。
果実はさく果で、種子は小さく柳絮(りゅうじょ)と呼ばれ、
綿毛を持っており風に乗って辺り一面タンポポのような種子に
包まれる経験を西安でしている。尚、中国において五月頃の風
物詩となっており、古くから漢詩等によく詠み込まれる柳絮だ
が、日本には目立つほど綿毛を形成しない種が多いという。し
かし、日本においても意図的に移入された大陸品種の柳があり、
柳絮を飛ばす様子を見ることができる。特に北海道において移
入種の柳が多く、柳絮の舞う様が見られる。シンの強さ秘める
「ヤナギ」。花言葉は「悲哀」「追悼」。昨夜から西松建設問
題で政界が揺れている。売上高至上主義のゼネコン、政治家の
口利きは問題だがもっと大きな問題がある。これにめげすたお
やかなでしなやかな柳腰に期待を込めたい。
やはらかに柳あをめる 北上の岸辺目に見ゆ 泣けとごとくに 石川啄木
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