極東極楽 ごくとうごくらく

豊饒なセカンドライフを求め大還暦までの旅日記

花蘇芳とイレージングエフェクト

2009年03月28日 | デジタル革命渦論


忽然と花蘇芳咲く 一盃のきみの濁り酒飲み干す 夕餉





MacBook  1984 Apple's Macintosh Commercial


 Johannes Gensfleisch zur Laden zum Gutenberg


紙、ハサミ、のり、消しゴム、鉛筆などの文房具がある日突如
として、コンピュータとマウスの中に消えていく。そんな光景
を目の当たりにしてきた。ヨハネス・グーテンベルグの活版印
刷から製版印刷まで続いてきた産業文化は米国の若者達の発明
した一台のパーソナル・コンピュータの登場で劇的な変化を遂
げる。

 古代エジプトでは、ナイルデルタに自生するパピルス(カ
 ヤ
ツリグサ科の植物)の繊維を利用したパピルス紙が、約
 5000年前から使われていました。パピルス紙の需要が急増
 したのは、地中海世界の情報化・国際化が進展したヘレニ
 ズム時代です。当時、エジプトの首都であったアレクサン
 ドリアの図書館には、数10万巻ものパピルス書が所蔵され
 ていたと伝えられます。しかも紀元前2世紀ごろには、小ア
 ジアのペルガモンにも大図書館が建設されたため、パピル
 スは栽培しても需要に追いつけなくなり、エジプトはパピ
 ルスの輸出禁止に踏み切りました。そこで、やむなくペル
 ガモンでは羊や子牛の生皮を加工した羊皮紙を使うように
 なった(中略)羊皮紙を英語でパーチメント(parchment
 というのは、羊皮紙の生産拠点となったペルガモンに由来
 します(中略)中世ヨーロッパの書籍を美術工芸品にまで
 高めたのは羊皮紙という素材です。羊皮紙はパピルスより
 も強靭なため綴じ本(冊子)にすることができ、表面はな
 めらかなので細密な文字や絵柄も書き込めます。中世ヨー
 ロッパでは専門の筆記者や画家などの共同制作による豪華
 な装飾手書き写本が多数つくられました。

                                『記録メディアの変遷』 

                

以上のTDKの‘Science Museum’の『記録メディアの変遷』
によれば、それに匹敵するのが、巨大磁気抵抗効果だと紹介
されている。

ハードディスクドライブのしくみ ハードディスクドライブの動き ハードディスクドライブの仕組み


 従来の磁気ヘッドは記録も再生も電磁誘導現象を利用する
 のに対して、MRヘッドでは再生に磁気抵抗効果Magne-
  to Resistance
)という物理現象が利用されています。磁気
 抵抗効果とは、ある種の強磁性体に外部磁界を加えると電
 気抵抗が変化する現象のことで、MRヘッドにおいては、
 記録メディア表面の磁界強度を電圧変化として出力します。
 この磁気抵抗効果の一種として、1988年にはGMR(巨大
 磁気抵抗効果という新たな現象が発見されました。これ
 は磁性層・非磁性層・磁性層というサンドイッチ構造の薄
 膜をつくると、2つの磁性層の磁化方向が平行か反平行か
 によって伝導電子の散乱が異なり、電気抵抗の違いを示す
 現象です。GMRによる電気抵抗の変化はきわめて小さな
 ものですが、その後、サンドイッチ構造の薄膜にさらに反
 強磁性層を積層するなどの技術により、磁界強度が小さく
 て高感度で検出できる磁気ヘッドが実用化されました。

               『記録メディアの変遷』


世代交代ではなく種属交代とでもいえる変化の時代。磁気テー
プがディスクに、そしてチップに換わる。そんな時代を生きて
いる。それじゃHDが直ちにチップ置き換わるのかといえばそ
うでもない。キーワード(鍵語)は「プロセスの固有発熱量」
である。自然空冷で高速処理可能なら問題がないが、強制空冷
となるとファンがいる。そこで、量子コンピュータの登場とな
るが実用性となる極めて狭い範囲にとなるものと考えられる。

量子コンピュータ 量子コンピュータ

兆、京を超え、不可思議無量大数(計21種)の数字なんて必
要ない。「大数」ではそうだが、「小数」は毛、微、塵、漠(
ピコ)程度まで。
涅槃寂静(計24種)という悟りの世界までは
到底いかない。話はそれてしまった。つまり、産業革命後、多
大な犠牲を払って人類は、たかだか百年足らずで、大産業革命
を経験してしまった。これを‘ネオ・カンブリア爆発期’と称
している程で、『デジタル革命』の6つめの特徴に含まれる
‘新解体新書時代’でもある(言葉が上擦っているようにみえ
るが、冷静に考えればこの感性は正鵠を射ていると思う)。

エレキギター

例えば、『デジタル革命』の第1則の‘シームレス’を考えて
みよう。シンセサイザが鍵盤を通してすべての楽器音響に変換
出来るようにギターネックを通してすべての楽器音響に変換す
るとどうなるか、を考えても面白いし、それに賭(駈)けてみ
ても大きな事業領域になるように思える。それでは第5則の‘
イレージング・エフェクト’の例を考えてみよう。ブログでも
書いたが内燃機関が電気回転機関に換わる自動車がその典型例
でその実用化は目前にある。『デジタル革命』の第2則×第5



 
nanoe/Panasonic


則の例として、「ナノ・イー」という洗浄技術で水滴に六千ボ
ルトの高圧のプロセス下で、レーリー分裂させミクロン単位の
一滴の水滴をたちどころに電荷を帯びた無数のナノ粒子を発生
させる(プラズマプロセスと異なるのは気体と液体の違い、通
常の燃焼や気化とも異なる)。半導体に付着する表面エネルギ
のため通常の物理剥離除去できない200ナノメータ以下の汚
れを除去する。ことわっておくが、「Digital」の本来の意味はラ
テン語の「指 (digitus)」であり、数を指で数えるところから離
散的な数を意味する。真空管がダイオードに、撮像管がCCD
(電荷結合素子)に、ブラウン管がFPDに、レコード針がC
Dと列挙に暇がないし、これから爆発的に進行する『バイオ革
命』は第5則の象徴的な、否、本質的な特徴として具現化して
いくであろうことは容易に推察される。







 Wepwawet't name mean “the opener of the ways”

ここに一枚の紙がある。「いま、あなたが消し去りたい不合理
と思える事柄を紙に鉛筆で書いて下さい。そして、『デジタル
革命』という消しゴムでその文字を消して下さい。そうすれば、
あなたが望んでいそうな事柄がたちどころに実現するでしょう」
と書かれている。そう、好むと好まざるに拘わらず、わたした
ちはそういう時代に生かされているだと実感する。


 
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米国で流行っているにごり酒だといい、彼女が白鶴酒造の『さ
ゆり』を注ぐ。勧められるまま呑んでみる。「ふぅ~ん」別段
変わったという風でもないと思っていたら、すかさず、「桜色」
でしょうという。なるほど、それで流行っているのかと感心し
た。

 濁り酒『さゆり』

花蘇芳もそんな色だったと思い出すが自信がない。身近にみな
れないからだ。ハナズオウ(花蘇芳、Cercis chinensis)は中国原
産のジャケツイバラ科(またはマメ科ジャケツイバラ亜科)の
落葉低木で、春に咲く花が美しいためよく栽培される。高さは
2~3mになり、葉はハート形でつやがあり、葉柄の両端は少し
膨らむ。早春に枝に花芽を多数つけ、3~4月頃葉に先立って開
花する。花には花柄がなく、枝から直接に花がついている。花
は紅色から赤紫(白花品種もある)で長さ1cmほどの蝶形花。
開花後、長さ数cmの豆果をつけ、秋から冬に黒褐色に熟す。花
蘇芳の名は、花がスオウ(蘇芳)で染めた色に似ているためだ
という。江戸時代に中国から渡来した落葉性の花木で、白バナ
ハナズオウは小さめで、草丈が高くなるアメリカハナズオウな
ども同様に広く栽培される。紅紫の蝶形の花「ハナズオウ」。
花言葉は「疑惑」「高貴」。

         故野村利和に捧げる歌  小椋佳『時』 中村雅俊                                    

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