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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 6月27日 北京にて2007

2016-06-27 18:51:12 | B,日々の恐怖




  日々の恐怖 6月27日 北京にて2007




 数年前、北京に出張してたときの話だ。
ちょうどその頃、上海なんかで反日デモが盛り上がってた。
 今までに何度も利用したホテルに泊まったから、特に気にしてなかったんだ。
説明になるが、中国のホテル(宿泊施設は本当にピンきり)であるレベル以上だと、ホテル内にサウナとか垢すりとかマッサージとかするフロアがある。
 でかいソファーが30人分くらいある結構広い部屋で、その日も疲れを取るためにそこで足ツボマッサージ受けてた。
カウンターの兄ちゃんとは顔なじみになってたから、拙い中国語で会話してた。
 すると部屋の奥から怒声が聞こえてきたんだ。
部屋の奥にスクリーンがあって、それが見られるようにソファーが並んでるんだけど、スクリーンの前(俺から見て前列)に座ってた中国人が3人立ち上がって俺を囲んだのよ。
 その時気が付いたんだけど、ちょうどスクリーンで反日戦争の映画やってて、バタバタと中国人が死んでいく真っ最中。

「 アレを見てなんとも思わないのか。」
「 俺たちに謝れ。」

と、どうやら俺に抗議しにきたらしい。
 カウンターの兄ちゃんは、

「 そいつは中国語がよくわからない。
いい日本人だから。」

と中国人たちに説明してくれて、とりあえずは事なきを得た。
 それで、泊まった部屋は結構なデカイ部屋で、入ってすぐ10畳くらいのリビング、入口からみてすぐ左側にバスルーム、その隣に台所、その隣にクローゼットルーム、部屋の奥に寝室があった。
 で、寝室で寝てると、誰かがドア叩く音で目が覚めた。
覗き窓から外を見ても誰もいない。
チェーンかけてドアを開けてみたけど同じ。
 おかしいなと思いながら寝室に戻るんだけど、同じ事が続いた。
俺を囲んだ中国人だなって思って、ノックしたらすぐ確認してフロントに文句言うつもりだった。
 で、リビングのソファーで待ってたんだ。
でも疲れがたまってたからウトウトっとした時、ノックが聴こえた。
その時、目がハッキリ覚めたんだけど、同時にもう一つのことがわかった。
 ノックされてるの、バスルームのドアなんだ。
バスルームの内側から聞こえるの。
寝る前にシャワー浴びたけど、窓なんか無い部屋なのよ。
 消してた電気をつけて、思い切ってドアを開けたら何もいなかった。
ただ、フックに掛けてたバスタオルが、バスタブの中に入ってた。
バスタブの中には水がないんだけど、タオルはさっきまで水に使ってたような濡れ方だった。
 背中に視線を感じたんで振り返ったけど何も無い。
部屋を替えてもらおうと外に出ようとしたんだが、リビングに入ったとき誰かがソファーに座ってた。
 髪の長い女の人みたいなものが、もの凄く透明に見えた。
見間違いかと一瞬目を閉じた瞬間、部屋の電気が消えてTVが勝手に点いた。
 その後はよく覚えてない。
隣室からウルサイと苦情があって部屋を見に来た従業員が、気絶していた俺を見つけた。
気絶する前に何があったのか、まったく覚えてない。
 詳しい話を聞けるよう日本語ができるエージェントに頼んだんだけど、その件に関しては途中から通訳を拒否された。
エージェントの手配でホテルもチェンジした。
 最近ホテルの近くを通ったが、普通に営業している。
オリンピックで誰かが泊まるんだろうな、あの部屋。











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