大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 10月31日 作陶と奇妙な訪問者

2014-10-31 18:14:17 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 10月31日 作陶と奇妙な訪問者



 道楽でお茶をやっていて、知り合いの窯に自分好みの茶碗を作陶してもらっている。
窯があるのは関東某県の山中で、先週たまたま有休が取れたのをいいことに、依頼がてらお土産を持って泊りがけで遊びに行った。
山中といっても麓は普通に住宅街だし、別に人里はなれた鬱蒼とした山とかではない。
 茶碗の話を色々していたらあっという間に日も暮れて、窯の火が落ちるまで、作業小屋みたいなところでお茶を飲みながら陶工さんと話していた。
そしたら、19時ごろに作業小屋のドアを誰か叩くから、見てみたら男の人が1人立っている。
 格好は軽装というか、山登りって感じではなく、動きやすい格好で旅行している人みたいな感じだった。
鞄とかは一切持ってなくて、なぜかコンビニの袋だけ手に提げていた。
歳は30くらいかな。

「 どうかしましたか?」

って聞くと、

「 道に迷ったんですが、○○はどっちでしょうか?」

と言われた。
 まあ確かに山を越えれば行けなくはないが、ハードめなトレッキングで山を越えるとかでもない限り、どう考えたって車か電車で行った方が近い場所だ。
その通り答えたら、

「 あー、じゃあ街に戻った方がいいんですね。」

と言って、

「 疲れたんで、休んでいいですか?」

とか言うので、一応小屋に入れた。
 まあ関係ない人もいるので、焼き物の話じゃなくて適当に世間話とかして、その人も適当に相槌打ってたんだが、いきなり、

「 おにぎり食べませんか?」

とか言い出して、コンビニ袋からコンビにおにぎりを7~8個も出してきた。
 この時点で陶工さんと俺には、もはやこの人が何なのかさっぱり分からない。
こっちは山降りて陶工さんの家でご飯頂く予定なので、別におにぎりを食べたくもない。
 2人とも、

「 結構です。」

って答えたら、彼も食べる風でもなくそのまま。
 もしかしたら作陶を頼みに来たか、焼き物に興味があるけど常連ぽいヤツがいて邪魔だったのかなと思って、

「 焼き物にご興味があるんですか?」

と聞いてみても無反応。
無視とかいいえとかでもなく、全く聞こえてないような無反応ぶり。
 どうも変な感じだよなあ、と思ってると、陶工さんが、

「 表の雨戸閉めておかないとね。
俺さん、すみませんが手を貸してください。」

と言ったので、2人で外へ。

「 なんか変ですよねえ?」
「 物取りって感じでもないけど、おにぎりもなんだか変だし・・・。」

と相談。
 かといっていきなり置いて帰るわけにも行かないし、変な感じがするから警察呼ぼうというわけにもいかない。
一応頃合を見計らって帰るように促そうということになった。
 小屋に戻ってまた少し世間話をしていると、再び彼が口を開き、

「 今夜泊めてもらえませんかね?」

と言い出す。
 陶工さんが、

「 家は街の方だから、じゃあ一緒に降りましょう。」

と答えたら、

「 へっ。」

ってなんか冷笑するような顔になって、

「 麓なんですか。」

とポツリ。
そして、

「 長々とすいません。」

と言うと、さっさと小屋を出て行った。
 残された2人はポカーンだった。
陶工さんが見るに地元の人ではなさそうだし、何でわざわざ日が暮れて山に来て道を尋ねて、泊まろうとしたのかよく分からない。
 物取りだとしても小屋には窯だけなので作品はないし、そもそも陶工さんも道楽でやってるだけでプロの人とか名のある人ではない。
すごい穿った見方をすれば、陶工さんを殺しに来たが余計なヤツが1人いて失敗したとか。
精神的におかしいとか、知能的にどうとか、そういう感じでもない気はする。
 やり取りは普通だったし、物の受け答えもはっきりしていた。
強いて言うと、その人の所々の言動がなんだか変で、その人が来た途端すごく違和感のようなモヤモヤした感じがしていた。
ただの変な人だろ、と言われればそこまでだが気にはなる。











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四枚の写真 10月29日 P14

2014-10-29 19:11:14 | _7,四枚の写真
四枚の写真 10月29日 P14 、大峰正楓の小説書庫でUPしました。


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しづめばこ 10月27日 P332

2014-10-27 18:59:14 | C,しづめばこ
しづめばこ 10月27日 P332  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 10月26日 特殊法人の憂鬱

2014-10-26 15:01:47 | B,日々の恐怖


   日々の恐怖 10月26日 特殊法人の憂鬱


 20年前の話なので、もう特定されることもなくなっただろうと思うので話をさせて貰う。
 当時、俺は某特殊法人に就職していた。
俺が就職した時、すぐに本部ビルの建て替えが始まったんだが、新本部ビル建設工事中に、遺構やら遺跡が出てきてしまった。
 本部のあった土地は都内でも歴史が古く、そういうものが出てきてもおかしくはない。
問題は、考古学調査のため工事中断となってしまうことだった。
それで、上層部判断で証拠隠滅してしまった。
遺構やら遺跡やらを全部埋め立てて、教育委員会には一切知らせることなく工事を続行した。
 総務部の俺は、

“ 嫌なことを知っちゃったな。”

と思いながらも口を閉じているしかなかった。

 新本部ビル落成、引っ越しが済んでから、1ヶ月も経たないうちに変な問題が次々と発生した。
 ビルは夜11時で完全ロックアウトされ、入退室は出来なくなるのだが、地下室への階段ドアが週に何度か警報を鳴らして、その度に警備会社から連絡が来る。
 地下一階は女子更衣室、地下二階は資料倉庫だったのだが、女子更衣室の蛍光灯だけが異常に早く切れたり、エアコンの調節が故障したり、スピーカーが異音を拾う。
 資料倉庫の湿度が異常に高く、床が水浸しになる。
地下二階の水浸しの件については、新築ビルだからコンクリの水分が抜けてないんだろうという話だったが、とにかく水の量が半端じゃなくって、業務用除湿器を設置しても資料は水分で黴びていった。
 女子更衣室の電子機器の故障についても、水分のせいだろうってことだったが、除湿器を設置しても故障頻発は収まらなかった。
 そして、新本部ビルに引っ越して数ヶ月後から、幽霊話が頻発するようになった。
 まず、女子更衣室で、ロッカーに取り付けられた鏡越しに女を見る職員が頻発した。
 地下資料倉庫は、昼夜問わず、

「 女の呻き声が聞えた。」

と言って腰を抜かす職員が頻発した。
 フロア最後の職員が退室時には、エレベータもロックされるため階段を使用するのだが、 この階段を降りている最中に後ろから足音がする。

“ 他のフロアの職員かな?”

とミラー加工された窓ガラスを見ると、自分のすぐ後ろに女が映し出される。
驚いて階段を駆け下りようとして、足を捻ったり、転んで怪我をする職員が毎週一人は出た。

 そして、ついには俺も見てしまった。
総務部には、22:30に各フロアを見回ってから22:45に最終退出する遅番があって、俺がその遅番をやって、ビルを出ようとする瞬間に、エレベーターホールで女の声がした。
ちょっと待って、みたいなニュアンスの、

「 あ~。」

って言う声だ。

“ え・・・?
女子更衣室も施錠したし、誰か残ってたのかな・・・?”

と、再度エレベーターホールに入って、

「 誰かいますか?
返事してください、閉めますよ!」

と声をかけたら、石貼りの壁から青みがかった灰色の細い腕がプラーンと垂れ下がって来て、おいでおいでと手招きされた。
俺は生まれて初めて腰を抜かして、四つん這いになりながらビルの外に出た。

 次の日の朝、課長にこのことを話したら、そのまま部長へ。
そして、ついに秘書室長経由で役員や理事長にまで話が通った。
今までに何件か幽霊を見たって話はあったが、総務部の人間にはなかった。
俺が初めての遭遇者だった。
 お祓いをやることになったんだが、最初は地鎮祭にも来て貰った地元の神社の神主に頼んだ。
ところが、神主に、

「 そういうお祓いはしない。」

って頑として断られた。
 次に近所のお寺に頼んだ。
一度は引き受けてくれたんだが、翌日には断りの電話があった。
総務部案件だったんで、俺が付近十数件の神社仏閣にお願いをしたんだが、みんな後日になって断ってくる。
気持ち悪いのが、みんな断る理由を聞いても教えてくれないことだった。
 結局、役員の地元の東北の神様と呼ばれる拝み屋に依頼をした。
粛々と儀式が終わって言われたのは、

・埋めてはいけないものの上に、このビルが建っている。
・やれることは全てやったが、これでおさまったとは思えない。
・屋上に社を建てて、鎮魂するしかない。
・それでも、完全にはおさめることは出来ないだろうが、今よりはマシになる。

 遺跡や遺構を埋め立てたのを知っていたのは、所内でも総務部の中でも数人だけだった。
あとは工事関係者だけ。
 ちなみに、前社屋は昭和30年代に建てた地下室ナシの地上4階建てだったから、なにも出てこなかったらしい。
新社屋は地下2階、地上12階がマズかったんだろう。
早速、社を建てたりなんだりして、騒ぎはおさまったように見えた。


 ところが、次は会社自体に影響が現れた。
新本部ビル落成の一年後に事業規模は一割減、二年後に三割減、三年後には三分の一まで縮小した。
○○省や○○庁からの天下り役員も来てくれなくなり、リストラが決行されて、俺はこれに乗っかって早期退職した。
 その後、残った総務部の同僚に聞くと、あいつだけはないと言われていた超嫌われ者部長が異例の大出世で理事長に就任した。
 就任後、数ヶ月で理事長の娘が精神病で入院、奥方も精神病で入院した。
生え抜きの役員たちの家族(ほとんどが、奥さんか娘)にも精神病患者が続出した。
これらの情報は、健康保険組合から、

「 精神病患者が続出してるが、この割合はおかしすぎる、調査しろ。」

と言われて判明した。
健保組合からの電話を受けた同僚によると、この従業員規模の企業ではありえない、異常な精神病入院患者比率だと指摘されたようだ。
 まだこの特殊法人は残っているし、建物もある。
同僚はみんな辞めたから、もう中はどうなっているか俺にはわからない。










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日々の恐怖 10月25日 ハロウィンと泣き女

2014-10-25 18:11:28 | B,日々の恐怖


   日々の恐怖 10月25日 ハロウィンと泣き女


 北欧一帯の、いわゆるケルトのサウィン祭なるものをご存知でしょうか。
北欧にて11月始め、収穫祭であり厳しい冬と新しい年の始まりを謳い、死者の国や妖精郷といった異界への扉が開かれるケルトの日です。
要はハロウィンの源流となる収穫祭のことです。
 このサウィン祭は、10/30の夜から11/1の朝までというのが一般的ですが、11月に入り1日に一番近い満月の日に行うという説もあります。
 日本のお盆と同じように先祖の霊が帰ってくると信じられ、お盆と違うのは前述の通り異界への扉が開くため、先祖の霊だけではなく悪霊や精霊、妖精も彷徨いだすというところです。
そんな異郷と現世の境界が曖昧になる日の、ある村でのお話です。


 その村には変わり者の男がいたそうで、日がな一日、本を読んだり怪しげな道具や薬を作ってすごし、時折思い出したように畑の世話をしていたそうです。
ドルイドでもなく、神に仕える司祭でもないこの男、変わり者ではあるものの狭量ではなく、村人に知識を分け便利な道具を提供することで糊口をしのいでおりました。
 そしてあるサウィン祭の夜です。
1年の終わりと始まりを隔てる最も大事な夜にやはり男は祭りに参加することなく、家にこもっておりました。
 取り寄せた書物を一心不乱で読みふけり、腹の虫が鳴ったのに気づいたのはもうしばらくすれば夜が明ける頃合いです。
祭りの日であることを思い出した男は、残り物でもいただこうと、ちょっと散歩する程度の気分で暖炉に火を入れたまま、冷え込みが厳しくなった夜道を歩き広場へと向かいました。
 家々は灯りが消され、寒さの厳しくなった村の夜は足元もよく見えず、遠く広場からの騒ぎの声と一層暖かそうに見える魔除けの焚き火を目指して変わり者は進みます。
首尾よく祭りの豪勢な食事を腹に詰め、もう終わりだからと村人に引き止められて、夜明けまでを共にします。
 魔除けの焚き火の消火を見届けた男はそれ以上、何かを言いつけられてはたまらないとばかりに、隠れて家路につきました。
 暖炉に暖められた部屋に入ると一息つき、再び読書に励もうといつもの椅子に腰を落ち着け、書を開きます。
ところが、どうにも集中できず、いつもなら絶対に気にならないはずの細かいことにすぐ気が散ってしまいます。
 根を詰め、寝ていないところに腹も満たしたので仕方ないかと、男は読書を諦め一眠りするかと立ち上がりました。
ふと視線を出入口のドアへ向けると、いつの間に入ってきたのか少女が一人、顔を俯けて立っていました。
 男は驚きのあまり腰を抜かしてへたり込んでしまいますが、よく見ればその少女、服も顔も土埃で汚れています。
祭りから帰る途中に転んでしまい、近くにあった家に来たと考えた男は、己の醜態に照れつつ少女に詫びを入れ、手ぬぐいなどの用意をしました。
 しかし、少女は扉の前から動かないままです。
それで、水に浸した手ぬぐいを渡そうと男は彼女に近づきます。

「 これを使うといい。」

そう言うと少女はようやく顔を上げました。
 その顔を見た男は再び驚きに硬直しました。
燃えるような赤い眼です。
少女はくしゃっと顔を歪めると、想像を絶する大声で泣き喚きました。
 突然、落雷のごとく響いてきた凄まじい泣き声に、祭りを無事に終えてくつろいでいた村人たちは飛び上がって、急ぎ広場に集まりました。

「 泣き女だ、泣き女が出たぞ!」

皆、不安そうな顔で辺りを見回し、隣人と小さな声で会話をしていました。
 やがてこの場にあの変わり者だけがいないことに気がつくと、村の力自慢や猟師である男たち数名が、変わり者の家へと様子を見に行きました。
扉を開けると、そこには目を見開いて死んでいる変わり者の男が横たわっていました。


 サウィン祭にはひとつ、行うべきしきたりがあります。
それは、祭りの開始と同時に家の照明や暖炉の火を落として眠りにつかせ、静けさを呼び込みます。
そして祭りの終わりに魔除けの焚き火から燃えさしを貰い、それを火種として再び蝋燭や暖炉に火を与えます。
 その灯りと暖気が家を満たすことで、外の悪霊や妖精から、ひいてはこれから長く続く厳しい冬から住人を護る結界を作るものでした。
それを怠った変わり者の男は、泣き女に死の国へと誘われることとなってしまいました。


 泣き女はバンシー(banshee)と言ったほうが通りが良いでしょうか。
バンシーは、アイルランドおよびスコットランドに伝わる女の妖精であり、家人の死を予告すると言われています。
 バンシーの泣き声が聞こえた家では近いうちに死者が出るとされますが、どの家にでも現れるというわけではなく、純粋なケルトやゲール系の家族のもとにしか来ないとも言われています。
 複数のバンシーが泣いた場合は、死者は勇敢な人物か聖なる人物であった証とされます。
また、アイルランドやスコットランドの旧家には、その家固有のバンシーがいて、たとえ故郷を遠く離れて暮らしている者にも、故郷にいる家族の死を伝えます。
 アイルランド地方に伝わる一説では、バンシーは長い黒髪で緑色の服に灰色のマントを着た女性の姿をしているとされますが、泣き声が聞こえる時は、その姿は見えないと言います。
その泣き声は、人間以外も含めてありとあらゆる叫び声を合わせたような凄まじいもので、どんなに熟睡している者でも飛び起きるほどです。
また、バンシーの目はこれから死ぬ者のために泣くので、燃えるような赤色をしているとも言われています。











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四枚の写真 10月24日 P13

2014-10-24 20:06:47 | _7,四枚の写真
四枚の写真 10月24日 P13 、大峰正楓の小説書庫でUPしました。


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しづめばこ 10月23日 P331

2014-10-23 18:44:56 | C,しづめばこ
しづめばこ 10月23日 P331  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 10月22日 ナースフェチ

2014-10-22 19:25:00 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 10月22日 ナースフェチ



 都内に住むHさんの話です。

「 俺の勤務してる病院で、使われてない広い個室があるんだよ。
なんで使われてないかって言うと、出るから。
 夜、廊下を通りかかると、勝手にゆ~っくりドアノブが動いて、ドアが開いたりとか。
もちろん、そのとき誰もいない。
なぜか、部屋の壁の全方位から水が流れる音がしたりとか。
 夜、外からその部屋の窓を見上げると、人影が立ってたりとか。
その部屋に、ナースの制服を着た女の人が入ると、見えない誰かに必ず乳や尻を触られるとか。
色々あるんだと。
 話を聞くと、その部屋で昔、急に亡くなった人がいたらしい。
その人、すごいナースフェチのヒヒジジィだったんだって。
 これはナースさんも談。
ナースもののエロ本とかすごい持ってたって。
そして、隙を見ては、お世話してくれるナースさんたちの尻をつかんだり、乳をわしづかみにしたりしてた。
 それで、その部屋に出る見えない誰かなんだけど、ナースコス以外は興味ないらしくて、掃除の人とか、介護員さんは絶対触らないらしい。
 その人たちに話を聞いたら、

「 私たちはこんなに熟れ熟れの体であるのに、なんという贅沢なジジィであろうか、チッ!」

みたいなこと言ってた。
 ちなみに、俺の病院の職員さんは、ナースさんをはじめほぼ40~50代です。
個人的な意見だが、ジジィはそんな贅沢じゃないと俺は思う。」







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日々の恐怖 10月21日 正月の帰省

2014-10-21 19:08:06 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 10月21日 正月の帰省



 6年前、当時大学3回生だった俺と友人M、Kは正月に帰省し、久しぶりに会って飲んでいた。
その時に、Kが住んでいるアパートで妙な物音がしたり、金縛りにあったりしていると言った。
 地元にいても割と暇だったし、3人とも大学が中国地方だったので、ひとつ心霊体験でもしてみようと、翌日、Kのアパート(岡山)に向かった。
 Kのアパートで酒飲んでゲームしながら、何か起きないか待っていたが、何も無いまま深夜2時を回り、いい加減寝ようという流れになった。
Kはベッド、俺はソファ、Mは床で寝たが、4時頃にMの、

「 おらぁ!!」

みたいな叫び声で目が覚めた。
驚いて声のした方を見ると、MがKの寝ていたベッドの側に立っていた。
Kは少し怯えた様な感じで、Mは少し笑っていた。
 寝起きで状況が分からない俺が、二人に何があったか聞くと、Kは金縛りになったと思ったらMの声がして、金縛りが解けたらしい。
 Mは床で寝付けずゴロゴロしていて、誰か起きてないかと部屋の中を見回したそうだ。
するとKの側に黒いもやのようなものが見えた。
部屋の電気は消していたけど、明らかにそこだけ闇が深くなっているようだった。
 そのもやがKに覆い被さるように動くのを見て、Mはヤバいと思ったらしい。
とっさに起き上がり、もやを殴った。
声はこの時のものだ。
するともやは消え、Kは金縛りから解放されたらしい。
 Mは、

「 分からんけど、見た瞬間に勝てると思った。」

と笑っていた。
普通、勝てる勝てないの話じゃないだろ。
カッコいいけどバカだなぁと思った。
 その二週間後、Mは交通事故で入院した。
道路に何故か直径3mぐらいの穴が開いていて、運転する車ごとそこに落ちたらしい。
見舞いに行ったとき、さすがに祟られていると思い、お祓いでもしとけと言うと、Mは、

「 いくら幽霊でも、道路に穴は開けれんだろ。
つーか、そんな強かったら、勝てる気しねぇ。」

と、やはり笑っていた。
 その後、Mは結構な大怪我で長期入院したためか、そもそものキャラの問題か、就活で苦労して最終的に自衛隊に入った。


 今年、またMに会った。
昔より一回り以上マッチョになっていて、身長は170台だが体重は100kgくらいありそうだった。
近況を聞くと、名古屋らへんに配属されていて、例の震災の救助活動にも参加したそうだ。
 例によって酒飲みながらだったので、グロ系の話は聞きたくないと思いつつも、気になったので、

「 幽霊とか見た?」

と聞いてみた。
Mは真面目な顔で、

「 分からん。」

と答えた。

「 見たかもしらんけど、それどころじゃなかった。
亡くなった方も、それどころじゃないだろうし。」

不謹慎過ぎたなと反省した。

「 でも、呼ばれてるような感じはよくしてた。」

とMは言った。
 活動中も休んでいるときも、何かぼんやりした声のようなものが聞こえてくることがあったらしい。
一応、精神科にも掛かったりしたが、ストレスから神経過敏になっているのだろうとのことだった。
Mはそれで納得しているし、多分そういう事だろうと思う。
もう声は聞こえなくなったそうだ。
 なんとなく、

“ 歳取ったなぁ・・・。”

と思った。










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しづめばこ 10月20日 P330

2014-10-20 15:24:01 | C,しづめばこ
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四枚の写真 10月19日 P12

2014-10-20 10:09:30 | _7,四枚の写真
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日々の恐怖 10月18日 ゴミ袋の音

2014-10-18 18:37:32 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 10月18日 ゴミ袋の音



 俺はお寺の次男です。
寺は大した徳も無いちっこい寺だが、それでも近所の信心深いお年寄り達の憩いの場になっていた。
 特に1人暮らしのMさんは、毎朝境内のゴミ拾いをしてくれる優しいお婆ちゃんだった。
スーパーのゴミ袋を一枚持って、チョコチョコとゴミを拾う姿を今でも覚えている。
 ある日、住職である親父の持病の腰痛が悪化して正座が辛くなり始めた。
それで、2年前から親父と一緒に檀家周り始めていた兄貴に任せるかってことになったが、兄貴はまだ心構えが出来て無いだの何だのと、渋って話し合いが進まなかった。
 そんなある晩、俺は明け方ふと目が覚めた。

“ ついでに、トイレにでも行くか・・・。”

と階下に降りた時、外からガサガサとビニール袋が鳴る音に気付いた。

“ 風が、かき集めた落葉を詰めたビニール袋を鳴らしてるんだろう・・・。”

と思ったが、それにしてはビニール袋の中に手を突っ込んで物を選り分けているような感じの音だった。
 不思議と怖さは無かったが、さすがに外に出て確かめる勇気はなく、玄関の磨りガラスを凝視していると兄貴がやって来た。

「 なんだろうな?」

兄貴もふと目が覚め音に気付いたと言う。
 2人で息を潜めて様子を伺っていると、その後、足音の様なものが立ち去って行った。
そのままお互いの部屋に戻ろうとした時、家の電話が一回だけリンと鳴った。
 翌朝、学校に行く用意をしていると母親が、

「 今朝、Mさんが来なかった。
心配だから見て来る。」

と言って、Mさんの家に行った。
やはり、Mさんは台所で亡くなっていた。

“ 明け方のアレは、Mさんだったのではないか?”

と思い、兄貴と親父に相談すると、親父は、

「 そういえば何日か前に、息子に任せて隠居しようと思うとMさんに言った。
Mさんは、どっちの息子に頼めばいいかわからなかったので、両方呼んだのだろう。」

と言った。
 そして兄貴に、

「 お前は心構えが無いだの説法が苦手だの言うが、頼りにしてくれる人達の気持ちに応えるのが仕事だ、がんばれ。」

と励ました。
それから数年たって、今でも説法のたいして上手くない兄貴だが、何とか住職やってます。










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しづめばこ 10月17日 P329

2014-10-17 16:54:30 | C,しづめばこ
しづめばこ 10月17日 P329  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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四枚の写真 10月16日 P11

2014-10-16 17:37:55 | _7,四枚の写真
四枚の写真 10月16日 P11 、大峰正楓の小説書庫でUPしました。


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 小説“四枚の写真”





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日々の恐怖 10月15日 すいか

2014-10-15 20:32:07 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 10月15日 すいか



 昔、まだ自分の祖母が存命だった頃の話です。
当時ばあちゃんは身体が弱っていて、うちの近所に住んでる伯母宅でほぼ寝たきりだった。
自分はまだ小学2年か3年くらいの頃で、時々見舞いに行っては、

「 ばあちゃん長生きしてな。」

って言ってたんだけど、いつも、

「 ありがとう、ありがとう。」

って泣くんだ。
 暑い夏で、クーラーなんて無かったから窓も玄関も網戸にしてて、ばあちゃん用の扇風機は、ゆるい風を送りながらいつも首を振っていた。
 伯母宅は玄関を上がるとすぐ前に階段があって、台所が隣接している。
だから誰か入ってきたらすぐにわかるようになっている。
 その日、伯母が昼ごはんを用意していると、誰かが入って来て階段をとんとんと上がって行った様な気がしたそうだ。

“ 声も掛けないで入ってくるなんて、一体誰だ?”

と思い、慌てて階段を覗きに行ったが、もう誰もいない。
 階段を上がって、すぐの部屋にはばあちゃんが寝ている。
なんだか心配になって、伯母はばあちゃんの様子を見に行ったんだそうだ。
 二階にはいつもと変わらずにばあちゃんが寝ていて、他には誰もいなかった。

「 誰か来なかった?」

と伯母が訊くと、ばあちゃんがなんだか嬉しそうに、

「 じいちゃんが来たよ。」

と言ったそうだ。
 祖父は自分が産まれるよりもずっと前に亡くなっているので、もう鬼籍に入ってから随分と経つ。
伯母はさっきの気配を思って、少しぞっとしたらしい。
 そして、ばあちゃんは続けた。

「 お前はまだ来ちゃいけないって言うんだよ。
見舞いにスイカを持ってきてくれたんだよ。
ほら、そこにあるだろう?」

けれど、そこには何もない。
 ばあちゃんは、さらに続けた。

「 なんでスイカなんだろうねえ、じいちゃんの好きなものじゃないか。」

そう言って笑った。
 伯母は急いでスイカを買いに走ったらしい。
かなり食が細くなっていたばあちゃんだったんだが、このスイカは良く食べてくれたと伯母は言っていた。
 そして驚いたことに、その日からばあちゃんは見る見る元気になって、外に散歩が出来るくらいにまで回復した。
その後、じいちゃんの仏前には、夏の間だけだけれど、毎日スイカが供えられるようになった。











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