大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

☆( 日々の恐怖 )

C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

日々の恐怖 2月27日 道迷い

2015-02-27 20:46:59 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 2月27日 道迷い



 登山をしていた頃、北アルプスのとある場所で道迷いした。
もう日も暮れてしまって、どうにもならない状態に陥っても歩き続けた。

“ 稜線を歩いているし人気のある山だから多分、しばらく歩けばどこからか光が見えるはずだ。
なんてことは無い、朝を迎えた時は、あの時はやばかったなあ、なんて思えるぞ。”

と信じて、ひたすら稜線を歩いた。
 今考えれば、道を失って夜になったのにビバークしない時点で、自分はまともな精神状態じゃなかったんだと思う。
 20時を越えると、秋口の山でも風が吹くととても寒くなる。
体感温度は零下、稜線を諦めて下降して樹林帯に入った。
 険しい道が続き、いつ気づかない斜面で滑落するかわからないという状況を、暗闇の中歩き続ける。
ふと樹林の中から呼ばれる不思議な声がした。
自分の名前を呼んでると分かって、怖いよりもなんだか嬉しくて、その声のするまま険しい道を進んでいった。
 暫くして地図としっかり照合できる山道に出た。
助かった、まさに九死に一生だった。
そこでツェルト出してビバークして、翌日無事下山した。
 あとから思い出すと、その声は、

「 ○○、そこだ!いまだ!あー!」
「 ○○走れ!いけー!」
「 もう少しだから最後まで諦めないっー!」

みたいな掛け声だった。
 無論、道のない山の中だから走ったりできず、ただ黙々とその声のする方に歩を進めるだけだったわけだけど、不思議と声を怖いと思う気持ちはなくて、じわりと心が温まって、自分を応援してくれてる、尽きた気力を振り絞って頑張ろうと思えた。


 やがて年月が過ぎて、母が50代の半ばで死に、葬式の後に父親から昔のビデオを渡された。
そこには、中学時代の自分がバスケ部の試合に出ていて、それを母が応援しながら撮った映像があった。
 その応援はまさに、あの遭難の時の声そのものだった。
中学の時は反抗期も伴って、母親が試合の応援に駆けつけるのがとても嫌だった。
それで何度も喧嘩したこともある。
 でも、母親はいつも応援に駆けつけてくれていた。
実家を出た後も、ちょくちょく連絡をくれた母、生きている頃からずっと陰ながら自分を心配して助けてくれていたんだと思うと、涙が溢れてきて止まらなかった。
 今もすごくめげた時、とても仕事に追われて辛い夜など、母のビデオを再生して母の若い時の声を聞く。
それで一泣きすると、頑張れよと天国から励ましてくれるようで、翌日から頑張れます。











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四枚の写真 2月26日 P40

2015-02-26 18:40:26 | _7,四枚の写真


四枚の写真 2月26日 P40 、大峰正楓の小説書庫でUPしました。


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しづめばこ 2月25日 P357

2015-02-25 19:54:01 | C,しづめばこ


しづめばこ 2月25日 P357  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 2月23日 子供

2015-02-23 19:21:01 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 2月23日 子供



 俺のうちは親父が地元企業に勤めていたから、生まれてから一度も引っ越しをしたことがなく、生まれた時から高校を卒業するまで18年間、同じ所に住んでいた。
 家と同じ並びで4軒ほど離れた家に、爺さんが一人暮らしをしていた。
俺が大学進学で地元を離れる時もぴんぴんしてたから、実際はそれほど年じゃない初老の人で、子ども目線だから年寄りに見えたのかも知れない。
 近所づきあいはあまりしない人だけど、偏屈ということもなくて普通だった。
爺さんの家は敷地の奥まった所に建ってて、前は小さな空き地みたいになっていた。
駐車スペースみたいな感じだが、車はなかった。
あとコンクリートやアスファルトで固めてもないから、夏は雑草が伸びて、たまに爺さんが草刈りをしていた。
 親からは、

「 ご近所の人には挨拶しろ。」

と言われてて、爺さんも挨拶すれば返してくれた。
 しかし、一つだけ普通じゃないことがあった。
1ヶ月に数回の割合で、家の窓や、あるいは家の前に立って、誰もいないその空き地に向かって、

「 出て行け!」

とか

「 出て行きなさい!」

と怒鳴っていることがあった。
しかもその時は一回じゃなく何度も怒鳴るし、普段はマトモで、たまに変になる人かと思っていた。
 小学校の高学年のある日、学校帰りに角を曲がって、あとは家まで一直線という時、その出て行けと怒鳴っているのに出くわした。
出くわしたことは前にもあったし、

「 またか、やだな・・・・。」

と思いつつ通り過ぎようとした。
 そうしたら何故かその時だけ、奥まった敷地の空きスペースに多くの子ども達がいるのがチラッと見えた。
俺は、

「 えっ?」

と思った。
 見えたのは、その一瞬だったと思う。
そのとき、俺は怒鳴っている爺さんと眼が合った。
その眼を逸らした一瞬で子ども達は消えてしまった。
 俺は訳も分からず、茫然と突っ立っていた。
覚えているのは、爺さんが突っ立っている俺に、

「 すまんな・・・。」

と言ったこと。
 そう言ったときには、もう子どもたちは、既にどこへ行ったのか分からなく、いなくなっていた。
残念なことに、俺はその場を離れず見ていたらしいのに、子ども達がどんなだったのか、何故か記憶がない。
ただ、大勢の子ども達が爺さんの方を向いていたのが見えたことを覚えている。
 その時の会話はこんな感じだった。

「 あの子らは、なに?」
「 わからない。
俺も見えるだけでどうにも出来ない。
ただ、ああやって強気で怒鳴りつけないと、家の中にも入ってくる。」

そう言われた時、ちょっとぞわっとした。
 家に帰って話したら、お袋も知ってたし、仕事から帰ってきた親父も至って普通に、

「 見ちゃったか~、気にすんな~。
この辺に住んでる人は、みんな見てるから。
なんかの加減で見えたり、見えなかったりするんだけどな~。」

と言ったんでびっくりした。
 だから、近所の人は、爺さんの奇行にも見える怒鳴り声を、誰もおかしいと言わず普通に接していたんだと思う。
 でもうちの近所も、もっと広い範囲の地域でも、いっぱい子どもが死んだ事件とかはまったく聞いたことはないし、誰もそんなことがあったと知ってる人もいない。
その後、親父の退職を機に一家で引っ越ししたから、もうそこに戻ることは無いし、真相は今も分からないままの状態です。










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日々の恐怖 2月22日 スウスウ

2015-02-22 19:50:22 | B,日々の恐怖



    日々の恐怖 2月22日 スウスウ



 最初は中学2年生のときだった。
長い坂の途中にある借家に、母と弟と俺の3人で住んでいた。
貧乏な母子家庭で、部屋数は少なく、夜寝るときにはひとつの部屋に布団を3つ並べて寝ていた。
 当時から寝付きが悪かった俺は、部屋の電気が消されて家族が眠った後も、懐中電灯で文庫本を読んだりして、眠りに落ちるのはいつも午前を回ってからだった。
 ある日、寝付きが悪く困っているのだと友人に相談したところ、

「 寝たふりしてるといい、そのうちホントに寝ちゃうよ。」

とアドバイスをもらい、その晩さっそく試す事になった。
 布団の中で腹式呼吸、穏やかな気持ちで、体は極力動かさず、頭の中を空っぽにする、それはちょっと難しかったのだが、すうすうとニセの寝息までたて、ほぼ完璧な狸寝入りが出来ていたと思う。
 いつもどおりの静かな夜だった。
1キロ先の都市高を行く車の走行音が聞こえる、それに家族の寝息。
 ふと、不思議なことに気付いた。
部屋の中には、布団が3つ並んでいる。
寝付きのいい弟、軽いいびき交じりで寝ている母、狸寝入りの俺。
 弟が寝ているのは部屋の入口側で、俺は壁側だ。

“ なのに何故、壁側から寝息が聞こえるんだ?”

自分のニセ寝息を徐々に無音に近付けていく。
誰のものか分からない寝息がはっきりと聞こえている。

“ うーん、なんぞ、これ?”

相手がおそらく寝ている、という安心感からか、そんなに怖いとは感じなかった。
ただただ、不思議だった。
 仰向けで寝ていた俺はじわりじわりと慎重に薄目をあけ、横目で壁のほうをチラ見してみた。
室内はぼんやり薄暗く、特に普段と変わったところはなかった。
誰も居ないはずの壁側に何かの姿が見えるような事もなかった。
まあ、見えていなかっただけかも知れない。
おかしな現象を静かに観察しているうちに寝てしまった。

 このことは家族にも友人にも話さなかった。
怖がらせないようにという周囲への配慮からではなく、自分が臆病者と馬鹿にされるのを避けるためだ。

 翌晩も同じことが起こった。
俺は狸寝入りを決め込みながら、やはり不思議の嵐だった。

“ 俺を溺愛していたという死んだ爺ちゃんか?それとも妖怪のしわざ?”

いろいろ考えた末に、

“ 反対側で寝ている家族の寝息が壁で反射して自分の耳に届いているのではないか?”

と言う科学的な可能性に行きついた。

“ なーんだ・・・。”

と気が抜けて緊張もとけたせいか、そのまま眠りに落ちた。

 そして3日目の夜だ。
寝息の数をひとつひとつ丹念に耳で拾って検証していき、人数と音の数がどうしても合わないことに気付いた。
 害は無いし、何か面白いし、もう別にいいよ、そういう現象でしょ、と放っておくことにした。

「 んぐで・・・。」

ふいに静寂を破ったのは弟の寝言だった。
ビクッとしてしまった。
母の、

「 カー。」

という割に静かないびきも止まり、壁側から聞こえていた寝息も、その瞬間消えていた。

 4日目、寝息は家族の分しか聞こえなかった。
ただ、その後も寝息がひとつ多いなと思う夜がたびたびあった。
寝息が聞こえた時間帯は0~4時で、日付も変則的だった。


 社会人になった俺は家を出て、ワンルームを借りて一人暮らしを始めた。
数か月が経過して、新しい暮らしに慣れてきたある晩、壁側からスウスウと寝息が聞こえてきた。

“ おおっ、この感じなんか久しぶりじゃね・・・!”

何故かやはり怖くはない。
 俺が、

「 わーっ!誰だ!?」

と声を荒げたら、きっと寝息は消えると思う。
それきりこの現象は起こらなくなってしまうのかも知れない。


 俺が結婚して更に引越を重ねた後も、寝息はついてきた。
実は今でも、年に2~3回はおかしな夜がある。
 新居で寝息が聞こえた翌朝、嫁さんに寝息現象とこれまでのいきさつを話した。

「 不思議な体験したことないから聞いてみたい。
今度あったら、突付いて、こっそり起こして!」
「 騒いじゃ駄目だよ、絶対だぞ!」

と言い含めたのだが、 突付いて起こしてやると、

「 んー、なん?」

と声を出して反応する。
 そこでいつも寝息は止んでしまうので、夫婦そろって聞くのは無理そうだ。
次回はいつだろうね。











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四枚の写真 2月21日 P39

2015-02-21 18:01:50 | _7,四枚の写真


四枚の写真 2月21日 P39 、大峰正楓の小説書庫でUPしました。


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しづめばこ 2月20日 P356

2015-02-20 18:15:00 | C,しづめばこ


しづめばこ 2月20日 P356  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 2月19日 廃屋

2015-02-19 19:38:34 | B,日々の恐怖



   日々の恐怖 2月19日 廃屋



 父方の祖母の家は山間部にあって、住宅地っぽい一画は、それなりにひらけているが、それ以外の場所は普通の山と変わらん状態だった。
それで、その住宅地と山間部の境に廃屋があった。
 普段はそんなもの思い出したりしないのに、何故かそれが夢に出て来た。
その夢の内容は、こんな感じ。


 俺はその廃屋に向かって、歩いていた。
歩きながら、

“ あぁ、そうそう、子供のころに、兄弟や従兄と探検しに行ったよなぁ・・。”

とか、小さかった頃を懐かしく思いながら歩いていた。
 それで、しばらく歩くと廃屋に到着した。
俺の子供のころでさえ、ボロボロだったその家は古くなって、いまにも朽ち果てそうだった。
 さすがにいい年して、廃屋に入る気にはなれなかったので、ひとしきり子供時代の感慨にふけったところで、帰ろうと廃屋に背中を向けた瞬間、

「 何をしに来た?」

と、しわがれた声が聞こえた。

“ え?”

と思って振り向くと、さっきは気付かなかったが、廃屋の中に人が立っている。
パッと見ても、男か女かもわからないほどの年老いた老人が一人。
 ボロボロの服を着て腰も曲がり、相当な高齢だと一目でわかった。
それよりも何よりも、目付きが異様に鋭くて、一瞬、身動きが取れなかった。

“ うわ、こえぇ・・・・。”

そう思った瞬間、目が覚めた。


 そんな夢を見たことも、すっかり忘れた1ヶ月くらい後のこと、祖母が亡くなった。
享年93歳だった。
 これだけ長生きしていれば、葬儀といってもそこまで湿っぽい感じにはならず、集まった親戚一同は、おのおの近況を報告しあったり、思い思いに思い出話に花を咲かせたりしていた。
 そのうち、親戚内で恐れられている叔父に呼び止められた。

「 なぁ、○○くん、タバコ買ってきてくれ。」

そう言って、俺に千円札を渡してきた。
 俺はビビリながらも、

「 この辺りに、自販ありました?」

と聞くと、

「 5分ほど歩いたところにあるわ、ほら、ちょうど小学校の裏手あたり。」

道を説明されて、仕方なく俺は煙草を買いに行った。
 時刻は夕方で、真っ暗と言うほどではないが、辺りは薄暗くなって来ている。
俺は自販機を見付けられずウロウロした。
 ようやく見つけてタバコを無事に買えたのは良かったんだけれど、時間が経ってかなり暗くなって来たので、近道をしようとして帰り道を間違えた。
そして、出て来た所が例の廃屋の前だった。
 子供のころに、探検しに来たことを思い出して、一瞬懐かしくなった。
が、それも束の間、俺は先日見た夢を思い出してしまった。

“ あの時は、変な年寄りが急に現れたんだよな・・・・。”

急に不安になって、思わず目の前の廃屋を凝視して人影がいないか、確認してしまう。
 だが、当然というか何というか、人影は無し。
ホッとして横道に逸れ、廃屋に背中を向ける。
 その時、背後で、

“ ガタッ!”

と音がした。
 音の方角からして、廃屋が発信源だと思った。
飛び上るほどビックリして、後ろも振り返らずに、俺はその場所からダッシュで逃げ出した。
 全力疾走で帰って来た俺に親戚の人たちは驚いていたが、さすがに事情を説明もできず、最近運動不足だから走ってみたと誤魔化しておいた。
高校時代はサッカーをしていたおかげで、言い訳もあまり不審がられずセーフだった。
 それで、少ししてから、思い出話を装って、昔一緒に探検した地元の従兄に廃屋のことを聞いてみたら、

「 あ~、もう取り壊されたな、何年か前に。
一時期はホームレスが住み着いて、みんな困ってたから。
でも、追い出すわけにもいかんやろ。
そのホームレスが亡くなった時に、今後こういうことが無いように壊してん。」

“ え、嘘・・・・。”

思わず絶句して、何も言えなかった。
 次の日、火葬場に行く道すがら、従兄が声を掛けて来た。

「 ほらほら、あそこ、あそこ。」

更地を指差している。

「 あそこが廃屋のあったところ。」
「 そう・・・・・。」

そこは、昨日の晩に俺が迷い込んだ場所だと思った。
 その後、従兄をはじめ、地元の人にそれとなく探りを入れてみたけど、例の場所で怪しい噂など特に無いらしい。
なんか腑に落ちない感じが、今も残っている。












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四枚の写真 2月17日 第3章、脱出 P38

2015-02-17 19:25:38 | _7,四枚の写真


四枚の写真 2月17日 第3章、脱出 P38 、大峰正楓の小説書庫でUPしました。


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しづめばこ 2月16日 P355

2015-02-16 22:47:55 | C,しづめばこ


しづめばこ 2月16日 P355  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 2月15日 穴

2015-02-15 20:28:30 | B,日々の恐怖


    日々の恐怖 2月15日 穴


 友人の話です。

 真冬の朝方、ダム湖を眺めようと散歩に出掛けた。
そこは毎年湖面が氷結するそうで、その時も見事に凍っていたそうだ。
硬くなった水面に、雪がうっすら積もっている。

 岸沿いの道を半ばまで歩いた所で、子供の足跡が湖の中央に続いていた。
ボンヤリと指の形が見て取れるのは、まさか裸足で歩いたのだろうか。
氷は薄く、子供とはいえ、とても支えられるほどの強度はない。
それなのに足跡は向こうの岸まで、湖を綺麗に一直線で横断していた。

 いや待て。
足跡の途中、湖の真ん中辺りに黒くて丸い箇所がある。
穴だ。
丁度、子供が嵌まる程度の大きさの。

 あそこで氷を踏み抜いて水に落ちた・・・・。
で、這い上がって何事もなく渡り続けた、と。
ここ歩いたの、間違いなく普通の子じゃないだろうなぁ。

見なかったことにしてダムを後にしたという。









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日々の恐怖 2月14日 イノウエさん

2015-02-14 18:23:29 | B,日々の恐怖



   日々の恐怖 2月14日 イノウエさん



 東京の会社員Tさんに話を聞きました。

 三年くらい前の職場での出来事です。
その時、職場に入って一年目だったんだけどストレスも溜まる頃で、当時、家で寝るときに頻繁に耳鳴りに襲われることがあって不眠状態が続いていた。
 その日も仕事終わって、12時頃に寝ようと布団に入ったけど案の定なかなか寝付けない。
枕元のPCで昔のコント番組とか流しつつウトウトしていた。
そしたら、結構強い耳鳴りがしてきて、ハッと気がついたら職場にいる。
 夜中の薄暗い事務所に背広着て独りで立ってぼーっとしていた。
7つくらいデスクがある小さい事務所なんだけど、夜中でも守衛さんが随時見回りに来るから、小さい天井のライトはついてて真っ暗闇ではなかった。
でもすぐに、

「 あ、これ夢だ。」

って気がついた。
 なぜかというと、寝る前に見てたコント番組の芸人の声とか客の笑い声とかがずっと遠くで聞こえたからです。
ホントに遠くの方で、

「 ハハハ・・・。」

とかネタやってる芸人の声とかがうっすらと聞こえてくる。
 でもあまりにも目の前の空気感とか、デスクの手触りとかが生々しすぎて、

「 うわー、すげーこれホントに夢か?」

とか結構ビビリながら事務所をうろうろしていた。
 そしたら目の前の事務所の電話が鳴った。
ふと壁にかかってる時計を見たら夜の2時頃だった。
それで、何故か受話器に手を伸ばしてしまい、会社勤めのさがというか普通に応対した。

「 はい、○○課のTです。」

すると受話器の向こうからブツブツと何かつぶやく男の声が聞こえた。
 電波が悪いのか声が遠くて分かり難かったが、よく耳を澄まして聞くと独り言みたいなことを言っている。

「 ・・・ああ、やっぱり、・・・やっぱりだめだった・・だめだったんだ、ああ・・・。」

みたいな何かを残念がってるようなことを言っていたと思う。
 何度か、

「 もしもし?どうかされました?」

と問いかけたけど、反応がないから切ろうとした。
そのとき、突然、

「 もしもし、Tさんと言いましたか?
イノウエです、社長は、社長はいますか?」

って声が聞こえてきて、

「 え・・・?
社長は、もう退社されましたけれども・・。」

って返答すると、またさっきのように、

「 ・・・ああ、ダメだ、ダメだった・・・社長は・・・・だめだ・・。」

みたいな独り言を繰り返してる。
で、急に、

“ プツッ。”

と電話が切れた、と思ったら目が覚めた。
 やっぱり自宅の布団の上で寝てて、PCでコント番組が流れていた。
なんかホッとしたけど、あまりに生々しい夢でちょっと気分が悪くなったのを覚えています。


 それで、しばらく普通に出勤してたんだけど、なんとなく夢のことが気になって、事務所で結構長くいる古株のおばちゃん社員に、仕事の合間に喫煙所で聞いてみた。

「 ここって、イノウエさんとかっていう人、いましたっけ?」
「 イノウエさん、えっ、なんで?」
「 いやなんか、この前、夢でイノウエさんみたいな名前の人が出てきて・・・。」

ここでおばちゃんの顔色が急に変わったので、

“ あ、なんか嫌な思い出とかあるのかな?”

と思ったら、

「 あのね、イノウエさんって、昔、自分で死んじゃった社員いるのよ。」
「 え・・・、そうなんですか。」

ちょっと嫌な予感はしたんだけど、その場が凍りつきそうになったのでとりあえず、井上さんとかよくある名前だから、友達にもいるし、みたいな適当なこと言って話を続けた。
 おばちゃんも最初は話しにくそうにしてたけど、まぁ、おばちゃんって基本うわさ話とか、他人の不幸話とか喋るの好きだから、いくつか質問したらほいほい答えてくれた。
 そしたら、そのイノウエさんっていう人、自宅で首をくくったらしいんだけど原因は不明。
遺書もなくて、結局詳しいことは知らされずに処理されたらしくて、それが10年くらい前のこと。
 ただ自殺する前日に会社に何度か電話をかけてきたらしくて、おばちゃんもその電話を一回とったみたいで、その内容っていうのが、

「 社長はいますか?いないんですか、ああ、やっぱりダメだ・・・ああ・・やっぱり・・・・。」

みたいな意味不明な内容だったらしい。
 そのイノウエさん、真面目な人だったけどあまり周囲と馴染む感じの人じゃなかったようです。
イノウエという名前だけならまだしも、会話の内容が夢とちょっと似てて、さすがに背筋が、

“ ぞぞぞぞっ・・・・。”

となったのを覚えています。
さすがに、おばちゃんには夢の中での電話の内容までは話さずに隠しておきました。
 さらに、おばちゃんが言うには、そのイノウエさんの死亡推定時刻が深夜らしく、守衛のおっちゃんがその当日夜中に、どこかで電話が鳴り響いているのを巡回の最中に聞いたみたいです。
もう、このへんで心の中では、

“ うわーー!うわーー!”

状態で、おばちゃんもう聞きたくないから、話さないでくれと思っていました。
 なんかもう偶然にしても色々ハマりすぎて怖かったです。
一番嫌なのが、俺ってバカ正直だから、あの夢の中でイノウエさんに自分の名前名乗っちゃったんです。

「 Tさんといいましたか?イノウエです。」

って声が耳から離れません。
 それからしばらく耳鳴りとかも治まって夜も寝れてたんですけど、最近また耳鳴りが始まりました。
今、会社の電話をとるのが、ちょっと怖いです。











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四枚の写真 2月11日 P37

2015-02-11 19:24:22 | _7,四枚の写真


四枚の写真 2月11日 P37 、大峰正楓の小説書庫でUPしました。


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しづめばこ 2月10日 P354

2015-02-10 20:51:31 | C,しづめばこ


しづめばこ 2月10日 P354  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


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日々の恐怖 2月9日 居酒屋での会話

2015-02-09 19:08:51 | B,日々の恐怖


   日々の恐怖 2月9日 居酒屋での会話


「 病院でふと思い出したけど、手前にあるコンビニも結構ヤバイ。
学生時代に深夜勤してたんだけど、誰も居ないのに「すみませーん」とか聞こえてきたり、事務所の扉がドンドン叩かれたりしたなあ。
 自動ドアも勝手に開閉しまくるから撤去して、自分で開閉するタイプの扉に付け替えて魔除けの鈴付けた。
鈴を付けてから商品が勝手に落ちなくなったし、声とかノックは死んじまった常連だった人達が来てるんだろうなあ。」
「 俺、前に山小屋の経営者夫婦から同じような話を聞いたな。
20年ぐらい前の霧深い日、登山中に崖から落ちて亡くなった男性がいて、その人の遺体を警察が来るまで山小屋に保管してあげたことがあるんだそうだ。
 それ以来、その日と同じようなホワイトアウト状態の晩になると扉をドンドン叩かれたり、スミマセーンという男の声がかすかに聞こえたりすることがたまにあるとか。
またアレだろうなぁと思っても、本物の遭難者だったらヤバいから、ドアを開けなきゃならないのが嫌だと言ってた。
外を見ても誰もいないそうだけどね。」








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