大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 9月28日 一軒家(5)

2022-09-28 18:35:19 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 9月28日 一軒家(5)





 5月の終わり頃、同じ学科の友人たちが女三人暮らしのうちに泊まりで遊びに来たいと言い出した。
野中の一軒家で、深夜にハードロックをガンガンかけても文句を言われない環境を見てみたい、と。
食料と酒は持ち寄りならいいよ~となって、男2人(ドライバー)、女4人が車2台で遊びに来た。
 色々ありすぎだったので、箇条書きにする。

・クルマのトランクから荷物を運び込んでる最中、屋根の上にしがみつく白い着物の女を目撃する訪問客2人

・夜は庭でBBQしたのだが、BBQの最中、雑木林からこちらを伺う男(多分、兵隊)を目撃する訪問客2人

・訪問客のうち女子4人は私とBCの部屋に寝て、男子は居間で雑魚寝、明け方に男子を覗きこむ老婆の霊

次の日、無口になった訪問客たちは朝食もそこそこに逃げるように帰っていった。
 次の週から、キャンパスに飛び交うのは、私達3人がお化け屋敷に住んでいるという噂だった。
Bは、宗教系のサークルに勧誘に遭って参っていた。










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日々の恐怖 9月24日 一軒家(4)

2022-09-24 21:03:42 | B,日々の恐怖






 日々の恐怖 9月24日 一軒家(4)






 Cの件から3日と経たずにBの件、私だけ何も見てなかったのだが、ついに来た。
23時頃、BCのあとに風呂に入っていると、風呂の外から話し声が聞こえてくる。

” BCの二人で涼んでるのかなあ・・・・。”

と思っていて、何の気なしに聞き耳を立てると、どうも違う。
声はBCのものではなく、老婆というか中年女というか、もっと歳のいった女の嗄れ声だった。
 しかも、会話というより歌だ。
横溝正史の映画で婆さんが歌ってたような感じ。
零感だと自負してた私は、近所の婆さんかなと、

「 どちら様ですか?」

と湯船から声をかけたら、突如、

「 ウヒャヒャヒャヒャ!」

と高笑いの声になった。
驚いて慌てた私が湯船から出ようとしたら、焦って滑って転んでドンガラガッシャーン!
 その音でBとCが駆けつけてきたが、私は、

「 声が、声が、外から声が・・・・・。」

としか説明できない。
 Cがバイク整備用のスパナを片手に、風呂に面した外に出たが誰もいない。
その夜、三人で会議した。

C「 格安だったのは、こういうことだったのか?」
B「 だけど、4年分の家賃前払いしちゃったしなあ・・・。」
私「 それも計画のうちか、参ったね、これは・・・。」

とりあえず、変なものは見るけど、特に害はない。
これからは変なものを見ても気にしないように、が結論となった。










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日々の恐怖 9月22日 一軒家(3)

2022-09-22 11:22:21 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 9月22日 一軒家(3)





 第二の遭遇者はBちゃん。
夜22時頃、課題で使う工芸用粘土数kgを自転車でえっちらおっちら持って帰ってくると、玄関先に男が屹立している。
服装もなんだか古臭く、軍服のような感じ。

” ご近所さんかな・・・・?”

と思って、

「 なにか御用でしょうか?」

と声をかけると、ゆっくりと男が振り向く。
男の顔は、目鼻口の部分だけが真っ黒い穴のようになっている。
 Bが、

「 うひゃあ!」

と驚いて自転車ごと倒れてしまうと、男もビクッとして雲散霧消した。
 自転車が派手に倒れるガシャーンという音を聞きつけ、私とCが、

「 どうしたの?」

と駆けつけると、Bちゃんが顔面蒼白で、

「 玄関先に男がいた。」

と、散らばった粘土パックをかき集めていた。
 その後、Cちゃんがネットに接続している調べたところ、

「 これだ!」

大日本帝国陸軍の南方の作業服みたいなものだった。










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日々の恐怖 9月20日 一軒家(2)

2022-09-20 18:36:17 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 9月20日 一軒家(2)




 一番最初に異変を感じたのはCちゃん。
持ち込んだバイク(GSX-R750とかいうやつ)を納屋で整備していたら、屋根の梁から音がする。

「 鼠? 猫?」

と顔を上げると、能面のような白い顔の女が梁の上を行ったり来たりしていた。

「 うわああ・・・!」

と大声を出して腰を抜かしていたら、いつの間にか消えたという。
 私とBが大声に気付いて駆けつけると、納屋の土間で尻餅をついたまま、呆然としているCを抱えて家に戻る。

「 タヌキじゃないの?」
「 ハクビシンじゃないの?」

と言うが、Cは絶対に違うという。

「 思い返してみれば、あれは深井か増女の面だと思う。
高校の頃に能面の模写をしたこちがあるから間違いない。」










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日々の恐怖 9月17日 一軒家(1)

2022-09-17 11:28:30 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 9月17日 一軒家(1)





 十年ほど前、美術系の大学に入学したての頃の話です。
キャンパスが片田舎なので、同じ学科の仲良し3人で一軒家を借りることになった。
大学近所の不動産屋の紹介で、一軒家といっても、40年程前にご隠居用に建てた小さな平屋の3LDKだった。
 ご隠居が亡くなってから15年経ち、私らが使ったあとは壊す予定なのでボロボロにしてもOK。
周囲は畑と雑木林に囲まれた野中の一軒家なので、真夜中に金属加工のためのトンカチを振るってもOK。
 礼金敷金無しだったが、たったひとつ出された条件は4年契約一括払い。
月1.5万円×48回で72万円。
3人の親の了承を取り付け、なけなしの金をかき集め、入居したのはゴールデンウィーク真っ只中だった。

一緒に住んでた面子を紹介。

A(私)・・・東京生まれの東京育ち。お菊人形みたいな五頭身地味顔チビ。
B・・・インド女優顔の長身スリム美女だが、茨城県出身で微妙に訛ってる。そのせいでよく外人と思われがち。
C・・・黒髪長髪色白の和風美人。ただし、一番ブッ飛んでいて、大型バイクを乗り回してハードロックが大好き。








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日々の恐怖 9月13日 病院関連話(5) 同僚

2022-09-13 21:01:40 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 9月13日 病院関連話(5) 同僚




 誰もいない病室からナースコールがかかるのはよく聞く話だけど、何も鳴ってないのに同僚が慌てたように飛び出していくことがある。
で、青い顔色で戻ってきて、何があったのか聞いても、

「 別に・・・・。」

とか、

「 トイレ・・・・。」

とかしか言わない。
彼女自身が心療内科で診てもらった方が良いと思う。










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日々の恐怖 9月11日 病院関連話(4) ホスト

2022-09-11 21:03:34 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 9月11日 病院関連話(4) ホスト





 彼女ではなく彼女の知り合いの脳神経外科の看護師の話です。
つまり又聞きです。
 ある診療内科の町医者の紹介状を持った男性患者が来た。
いわゆるセカンドオピニオンってやつ。
セカンドオピニオンって診察料高くなるし、それより心療内科からいきなり脳神経外科ってどういうことよ。
まあ、ホストで稼いでるのでお金的には困ってない、みたいなことを自慢げにちらっと言っていた。
 相談内容というのは、端的に言うと幽霊が見える、ということだった。
血液検査の結果を見ると肝臓の値が猛烈に高い。
もうこれはアルコール依存による幻覚以外のなにものでもないって、医者でない彼女でも思ったそうだ。

「 ただ・・・・。」

と言いながら、彼女は話を続けた。

「 待ってる時間、凄くしんどいから点滴お願いしますって言われて、先生の許可取って、診察室の隣にあるベッドで点滴してたの。」
「 うんうん・・・。」
「 で、診察の時間になったからカーテン開けたら、見たのよ。」
「 何を・・・?」
「 点滴のチューブがひとりでに動いて、すぽっと抜けるのを・・・・。」












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日々の恐怖 9月7日 病院関連話(3) がんの部屋 

2022-09-07 18:50:39 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 9月7日 病院関連話(3) がんの部屋 





 病室には絵が必ず1枚か2枚飾ってある。
ほとんどは版画(ラッセンとかヤマガタとか)なんだけど、ある病室には鉛筆のデッサン画が何枚かと、あと真っ黒な油絵が1枚飾ってある。
 それはその病室に入院していた患者さんが描いたもので、無名だけれど二科展にも入選した事があるそうだ。
鉛筆デッサンは窓から見た風景とか静物画なんだけれど、ある時どうしてもと頼まれてイーゼルと画材一式を持ち込んで油絵を描き始めた。
末期のがん患者さんで、もう終末治療みたいなものだったので、その程度は許してあげた。
 油絵って下地を塗ってそこに絵の具を積み上げていくような描き方なんで最初は何の絵か分からなかったんだけど、どうも肖像画を描いてるらしい。
しかしおかしいのは窓を見ながら描いてる。
しかも消灯後にスタンドライトの明かりでだ。
別に肖像画を描くのはいいとして、なんで窓を見ながら描く?
 徐々に絵が出来上がってきて、まあ美人と言っていい女性だった。
顔がだいたい出来上がって、手を描き加え始めた。
なんというか、こちらに向けて何かを握ってるみたいな構図だった。
 次にその上に描き加え始めた。

窓枠。

最後に全体を整えると、夜景をバックに窓にしがみついている女性。
ちょっと、いくら末期がんでも趣味悪くない?

 次の日巡回に行くと、全面を黒い絵の具で塗りつぶしていた。
いくら不気味な絵とはいえもったいないので理由を聞くと、

「 一緒に行こうかなと思ってたんだけど、やっぱりやめた。」

何それ?

 次の検査で驚くことが分かった。
がんが縮小している。
そして最終的に消滅し、患者さんは無事退院して行った。
 スケッチも油絵も、

「 あげます。」

と言われた。
 油絵は、気持ち悪くもあるものの何だか縁起物のようなような気もして、目立たない場所に飾った。
そうして、その後その病室にがん患者さんを入れるとほとんど治療がうまくゆくので、病室名を”B4-4”とは言わず、”がんの部屋”と呼んでいる。











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日々の恐怖 9月5日 病院関連話(2) 窓

2022-09-05 15:40:31 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 9月5日 病院関連話(2) 窓





 病院の窓は全然か、ある程度以上には開かないようになっている。
これはホテルとかも同じなんだけど、飛び降りるのを防ぐため。
でも、どうやってもすり抜けられないはずの隙間をくぐりぬけて飛び降りた患者さんがいた。
最終的に、あまりにも説明がつかないから、屋上から飛び降りたということにした。
当然、屋上へのドアの鍵は閉まっている。









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日々の恐怖 9月4日 病院関連話(1) 心電計

2022-09-04 18:56:09 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 9月4日 病院関連話(1) 心電計





 完全に亡くなった患者さんなんだけれど、他の急患が入ってバタバタしていたので心電計を外すのを忘れていた。
後でたまたま記録を見たら、時々だけど反応があった。
でも、とても身体機能を維持できるレベルではない。
慌てて先生に報告したら、途切れ途切れに、困ったように先生は言った。

「 ああ、時々あるんだよね・・。」
「 なんていうか、死んだことが自覚できてないっていうか・・・。」
「 みたいな・・・・。」










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日々の恐怖 9月3日 窓

2022-09-03 19:50:44 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 9月3日 窓






 俺の仕事はものづくりなんだけど、作業の音がかなりうるさいから職場は山の中腹くらいにある。
一応道路には面しているんだけど、周りには民家どころか他の建物すら建ってなくて、森に囲まれてる状態だ。
そんなんだから窓にはカーテンなんてつけてない。
 数日前のことなんだけど、ちょっと失敗しちゃって残業しなくちゃならなくなったんだ。
普段は17時には帰ってるんだけど、その日は0時くらいまでかかった。
 それで、作業が終わって顔を上げたら目の前の窓に自分が写ったんだ。
外が真っ暗で室内が明るいと鏡みたいになる、あれだ。
 俺の後ろに女が立っていた。
髪は長くてなんか妙にベタついてるような感じで、服も土か何かで汚れていた。
そして首からロープが垂れていた。
 俺は心臓が止まるかと思うくらいびっくりして急いで振り返ったけど誰もいない。
もう一度、窓に写る室内を見たけどやっぱり誰もいない。
怖くなって片付けもしないで帰った。
 次の日会社に来て、社長にこの話をしたら、俺が入社する何年か前に、この会社の近くの森で首吊りした女がいたことを教えてくれた。
首にロープついてたなら、そいつじゃないかって社長は言っていた。
ちなみに社長は今まで働いていて一度も見たことはないそうだ。
俺は怖すぎて仕事辞めようか悩んでいる。











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日々の恐怖 8月29日 輸入雑貨の卸業(4)

2022-08-29 13:17:48 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 8月29日 輸入雑貨の卸業(4)





 やがて、両開きのクローゼットがバーンと開いて、中にはSさんの上着しかかかっていないのが見えました。
扉はバタンバタン、バタンバタン、何度も何度も強く開閉して、Sさんのほうに風が漂ってきたそうです。
生臭い血のニオイがしました。

” あ、もしかしてさっきの事故のやつか。
血は出てなかったけどな・・・。”

と思いましたが、Sさんには恨まれる心あたりはまったくなかったので、心の中で、

” 俺は何の関係もねえだろ、車のやつと介抱した野次馬を恨めよ。
俺、関係ナシ。”

こう何度も唱えました。
 体はやっと指が動き始め、右手の肘も曲げることができたそうです。
Sさんは、

” これはもしや、昔の組時代の俺を恨んでるやつかもしれない。”

そうも考えたので、

” ありゃしかたねえことだった、お互い様で恨むのは筋違い。”

そのうち、体が動く感じがしたので、

「 俺を舐めるな、クソ野郎!!」

と絶叫してベッドの上に跳ね起きました。
そのとたん、クローゼットの扉がバターンと閉まりました。
 Sさんはベッドの下から金属バットを引っ張りだすと、持ったままクローゼットを開けて中を確かめ、そのときは何もおかしな物は見つからなかったので、クローゼットの前で、

「 舐めるんじゃねえ、コノヤロウ!」

と叫びながら、何度も何度もバットを振り回したそうです。
そのうちに他の部屋から苦情がいったのか従業員が来まして、Sさんは着替えてホテルのロビーに行き、そこで朝まで過ごしたということでした。
 で、8時ころにチェックアウトしたんですが、そのときクローゼットをしっかり調べると、一番下の引き出しに、ホコリにくるまった小さな頭蓋骨、たぶんネズミの仔のものがあったそうです。
結局、クローゼットが夜中に開閉した原因はわからずじまいでした。
 こういう話を聞かされまして、Sさんは、

「 ずっとヤバイ橋を渡って、海外も何度も行って、不可思議なことはこれだけ。
やっぱホテルの客か従業員が、何かたくらんでた可能性が一番高いよな。」

と言ってました。











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日々の恐怖 8月21日 輸入雑貨の卸業(3)

2022-08-21 11:26:31 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 8月21日 輸入雑貨の卸業(3)





 10時頃まで飲んで、そのとき根城にしてたビジネスホテルに戻りました。
安ホテルですが、これは有名な大ホテルであっても、従業員が悪いやつと結託している場合もあるので、危険の度合いはそう変わりません。
 Sさんは貧乏旅行者を装って、あらゆることを値切ったりして、悪いやつにマークされないようにしてたんです。
それと、2日か3日かでホテルも変えていました。
 さらにベッドの下には知人宅に預けてあった、その国では非常に珍しい(野球をやる人は超希少)ケース入りの金属バットを転がしておきまして、何かあったらそれでぶん殴ろうというわけです。
 鍵をかけた上に、ドアの前に旅行バックを置いて、12時過ぎに寝たんですが、夜中に目が覚めて、そしたら体が動かなかったそうです。
最初に考えたのは、縛りあげられたとか、クスリを飲まされたってことですが、そのわりには体は痛くない。
 薄目が開いて、電気はつけっぱなしにしてたので自分の体が見えましたが、おかしな様子はない。
それで、

” これは金縛りというやつか・・・?”

と初めて考えがいきました。
 それまで経験したことはなかったそうです。
とにかく指先に少しずつ力を入れて、なんとか脱出しようとしていると、足元のほうのクローゼットの中がカタカタいい始めました。
 それでも、

「 幽霊だったら怖くはない。
何にもできねえからな。」

と言ってました。
むしろ、隣の部屋とかから穴を開けて侵入されることを怖れてたそうです。
ま、そのくらいでないと東南アジアを渡り歩くのはできません。










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日々の恐怖 8月17日 輸入雑貨の卸業(2)

2022-08-17 12:58:20 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 8月17日 輸入雑貨の卸業(2)





 倒れている人のところに数人が駆け寄ると、うつぶせのものを仰向けにし、なおかつ一人が上半身を抱き起こし、揺さぶり始めました。
Sさんは、

” あちゃ~、あんだけ頭打ってるのに動かすなよ・・・。”

と思いましたが、そういうときはかかわらないことが最善の選択なので、だまって見ていました。
 その後、被害者を動かしている拍子に、被害者の顔だけがクルッとこちらを向きました。

” ウワッ・・・、ヤバッ・・・・!
俺、見られてるような・・・・。”

Sさんは、被害者と目が合ったような気がしました。
でも、

” いや、気を失っているし、気のせいか・・。”

とも思いました。
 その後も、倒れたままの被害者に平手打ちをするわ、無理やり口をこじ開けて水か酒を飲ませようとするわで、

” こりゃ、黙ってれば助かるかもしれないものを、こいつらが殺してるよな。”

と思ったそうです。
ま、現地人は善意でやってたんでしょうけども。
 そのうちに派手なマークの入った救急車が来ました。
が、救急隊員が降りてくる前に加害者の男が駆け寄って、運転席に向かって何やら言い、救急車は引き返しちゃったんです。
 これは、その救急車はおそらく目撃してた通行人が呼んだもので、私設のというか、大病院に付属してて、契約者しか助けにこないやつ。
つまり有料だし、車体に入ったマークの高級病院に搬送されることになります。
加害者の男はそれを嫌って返したんでしょう。
 それから10分ほど見ていても、警察も公営の救急車も到着せず、その間、被害者はまったく動かず、加害者は見下ろしながら煙草を吸い出しました。

” これはアカンだろうな・・・。”

さすがに胸くそが悪くなってきて、Sさんはそこの屋台を離れて、もう一つ奥の通りに入って飲み直しました。







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日々の恐怖 8月11日 輸入雑貨の卸業(1)

2022-08-11 19:40:57 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 8月11日 輸入雑貨の卸業(1)





 これは自分の知人で、輸入雑貨の卸をしているSさんから聞いた話で、ほぼ実話というか、聞いたとおりの内容です。
触れないほうがいいかとも思ったんですが、Sさんのひととなりを説明すると、若いころは、あるところの正式な組員になってまして、懲役、刑務所暮らしも経験しています。
今はカタギなんですけど、日本ではカラシ色のスーツに雪駄、金縁眼鏡で、金のブレスをつけてます。
 ところが仕事で東南アジアに行ったときには、地味な、どっから見ても現地の貧乏人という格好で、髪も脂ぎった黒に染めなおして、すっかりまぎれ込んでしまってるんです。
学歴とかはわかりませんが、東南アジアの現地語を数か国語、日常会話程度できます。
自分とはインドネシアで知り合ったんです。
 某国でのことです。
午後からSさんは屋台に出かけ、イスでココナッツミルクをアルコールで割ったものを飲んでいると、通りでドガーンという音がして、ふり向いて見ると、通行人が宙に舞っていました。
せまい通りを無茶なスピードで飛ばしてきた車に轢かれたんですね。
 その人は布のアーケドの上で一回バウンドし、さらに地面に落ちて激しく転がり、やっと回転が止まってうつ伏せのままになりました。
血は流れていなかったんですが、ピクリとも動きません。
30代くらいの男でした。
 轢き逃げではなく、車は停まって(トヨタだったそうです)小金持ちそうなやつが降りてきましたが、被害者を介抱するなどのそぶりはまったく見せず、壁にもたれて携帯で話し始めました。
で、動き出したのは屋台村のSさんのそばで飲んでいたやつらです。










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