大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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日々の恐怖 1月16日  何かあってもうちは知らないから(1)

2021-01-16 10:46:22 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 1月16日  何かあってもうちは知らないから(1)




 派遣現場で一緒に仕事をしていたM君から聞いた話です。
以前、M君は某個人商店のプログラム作成を担当していた。
 開発作業場所に提供されたのは、商店裏庭の二階建て倉庫の二階の、六畳程の狭い部屋だった。
そこにリーダー、設計者、プログラマー、テスト担当者、といつも6、7人の20代から30代の男性ばかりがひしめいて作業していたという。
 プログラムの多くは自社ですでに作成されていたが、それを本番環境に乗せて調整するのに手間取り、本番稼動日を目前に毎日終電帰りを余儀なくされていた。
 本当なら徹夜の突貫作業をして遅れを取り戻したいところだったが、その現場では出来なかった。
その現場は半端なく出るところだったので。
 商店のオーナーたちも、その事はよくわかっており、

「 そこにはあまり遅くまでいない方がいいよ。
徹夜作業をするのはいいけど、何かあってもうちは知らないから。」

とはっきりと釘を刺されていた。
 商店のオーナーや家族たちも、同じ裏庭の敷地に建てられた家や店舗の二階に住んでいたが、そこでは妙な事は起こっていない様だった。








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日々の恐怖 1月13日 音(3)

2021-01-13 17:03:18 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 1月13日 音(3)




 信じられない音を聞いてしまい、息をするのも忘れて固まっていると、爺さんの目が

” カッ!”

と見開いたかと思うと、俺の隠れている花棚の方に首を、

” グリン・・・。”

と向けた。
 玄関のライトに照らされた不気味な表情に見つめられて、俺は一瞬軽く意識が飛びそうになった。

” バレた・・・?
いや、あの位置からこっちは見えないはず!
でも俺を見てる・・・。”

とパニックになりつつ、頭を下げて出来るだけ小さくなって隠れた。
 すると、玄関からこっちに歩いてくる音が近づき、花棚の近くで止まった。
必死に息を潜めたが、それより心臓の音が爺さんに聞こえてるんじゃないかと思う程うるさく鳴っていた。
 しかし、しばらくすると、花棚の前から玄関へと戻って行く音が聞こえて、

” ガラガラガラガラ・・・。”

と玄関が閉まる音と、

” カチャッ!”

と鍵をかける音がした。
だが、俺は、爺さんが見張っているような気がして、その場から動けなかった。
 それから、ある程度落ち着いた俺は身を小さくしつつ、家に逃げ帰った。
爺さんが何を家に招き入れたかよりも、バレたんじゃないかということが怖くて仕方が無い。
そして、今日も扉を開く音が聞こえる。








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日々の恐怖 1月9日 音(2)

2021-01-09 19:40:56 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 1月9日 音(2)




 10時17分、スマホの明るさを最小にして、ゲームをしながら待っていると、

” カチャッ!”

と鍵が開く音が聞こえた。
 俺は慌ててスマホを消した。
いつも通り、

” ガラガラガラガラ・・・。”

と扉が開いた。
 出てきた爺さんの異様な光景に、俺は息を飲んだ。
爺さんは、扉に手を添えて顔だけを玄関の外に、ぬっと出していた。
それだけなら、防犯の為に外を見てるのかなと思うだけだろうが、表情が明らかにおかしい。
恐怖を覚えるほど、満面の笑顔だ。

” 表情筋疲れないの・・・?”

ってくらいに、口の両端がつり上がっている。
 妙に冷静になって、爺さんついにボケたのかと思っていたら、小さく、

” ベタンッ・・・・。”

という音が響いた。
 周りを見てもそんな音を出す様なモノは見た当たらない。
でも、続けて、

” ベタンッ・・・・、ベタンッ・・・・、ベタンッ・・・・。”

と、音は俺の前を過ぎて、隣の家の中に入っていった。








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日々の恐怖 1月7日 音(1) 

2021-01-07 19:07:40 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 1月7日 音(1) 



 俺の隣の家には、奥さんに先立たれた一人暮らしの爺さんが住んでいる。
何時からなのかは忘れたが、毎晩10時を少し過ぎたくらいに、

” カチャッ!”

とその隣の家の玄関の鍵の開く音と、

” ガラガラガラガラ・・・。”

と扉を開く音が聞こえる。
 隣の家は俺の家と同じタイプの扉だから、やたらと耳に入る。
それで、すぐには扉が閉まる音は聞こえずに、しばらく経ってから閉まる音が聞こえる。
 普段は音が聞こえても、散歩に出かけてるのかなぐらいにしか思わなかったが、よく思い出してみると、扉の開く音と閉まる音が聞こえた後、歩く音が聞こえない。
 俺の家は、少し離れた所から歩いてくる音が聞こえるくらい壁が薄いので、扉の音以外が聞こえてもおかしくない筈だ。
それで、少し興味を持った俺は10時少し前から、爺さんが何をしてるのか覗き見をしてみる事にした。
 爺さんは、奥さんの遺した玄関前のガーデニングを大切にしていて、俺の家側に花棚がそこそこ高く積まれている。
そこなら暗いし角度的に玄関から見える事は無いだろうと思った俺は、その花棚の奥に隠れた。

” まあ、何も無いにしろ疑問が解決してスッキリ眠れるからいいか・・・。”

と、その時は考えていた。









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日々の恐怖 1月4日 子供の顔(2)

2021-01-04 18:54:11 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 1月4日 子供の顔(2)



 写真の子供の顔が火で炙られていた。
黒ずんだ子供の顔。
焦った俺がノートを落とすと、ノートの隙間から何枚もの写真が出てきた。
どれも子供の顔だけが火で炙られていた。
 はっと気配を感じて廊下側を見ると、廊下のガラスの向こう、すりガラスで姿は見えなかったが、教室の扉に向かって動いている影があった。
 俺は担任と直感し、慌てて写真の束をノートに挟み込み、机に放り込んで引き出しを閉めた。
そして、咄嗟に開いていた窓から外に飛び降りた。
 教室は一階とは言え、飛び降りた拍子で足首が痛かった。
その痛みにも関わらず、俺は担任の方が気になった。
 それで俺は、教室の机からは死角になる窓から、隠れて教室の中をそっと見た。
教室に誰もいないことを確認した感じの担任は、机の引き出しを開け写真を取り出した。
 担任は、その写真をじっと見た。
そして、その顔は笑っているように、俺には見えた。
 そこまで見ると、俺は猛ダッシュで運動場に行き、友達と合流して夢中に遊んだ。

” 他の誰かがあのクソ担任に腹をたててイタズラをしたんだろう。”

と、思い込みたかった俺の考えは間違っていた。
 今考えても、担任がそんなことをする理由がわからない。
夫婦の仲が極端に悪いとかで、写真の中の夫の顔を炙るならまだ分かる。
それが、なぜ子供の顔なのか?
あんなに自慢していた子供なのに。








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日々の恐怖 12月31日 子供の顔(1)

2020-12-31 10:27:06 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 12月31日 子供の顔(1)



 小学校のとき、担任だった女の教師が最悪だった。
性格がとにかく悪かった。
 自分の子供と俺たちを比較して、私の子供は君達みたいな子には育てないだとか、とにかく自分の息子を溺愛し、俺たちと比較するのが好きなヤツだった。
 特に俺なんかは出来が悪くバカだったので、いつもいたぶられていた。

「 こんな問題も出来ないの!」

とか、とにかくいろいろ言われて頭に来ていた俺は、教師の机の中身のものを滅茶苦茶にしてやろうと考えた。
当時、俺たちの小学校では、教室に教師の簡易机みたいなものがあったからだ。
 ある日の休み時間、その日は曇天にもかかわらず、殆どのヤツは運動場に出かけたり別のクラスに行ったりで、教室に残ってるヤツは珍しくいなかった。
 チャンスと思った俺は、計画を実行した。
教師の机の引出しを開けた俺は、綺麗に整理されたノート、カラーごとにきちんとまとめられたペンなどが目に入り、とにかくこれを滅茶苦茶にしてやろうと思った。
そう思った瞬間、ふと、写真らしきものがはみ出しているノートを発見した。
 ノートには、裏向きに写真が挟まっていた。
家族の写真だろうと直感した俺は、この写真もパクってやるかと写真をひっくり返した。
 その写真に写っていたのは、担任と夫らしき人物、そして小学生ぐらいの子供だった。
猛烈に震える俺の手。
心臓の音が聞こえるようだった。







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日々の恐怖 12月29日 ビジネスホテル(5)

2020-12-29 19:07:20 | B,日々の恐怖





 日々の恐怖 12月29日 ビジネスホテル(5)





 髪の毛はだらんと下にたれ、顔は確認できませんでした。
私は何が起きたのか把握できず、しばし、ぼ~っと眺めてしまいました。
 やっと少し我にかえって、Sに、

「 な~、俺、今とんでもないもの見ちゃってるよ・・・。」

と素っ頓狂なことを口にしてしまいました。
 するとSは、

「 おまえもか?
実は俺もさっきからそうなんだ。
ここの部屋、確かベランダなんか無かったよな。
だけどカ-テンの隙間、窓の外から女の子が俺を睨んでるんだ。
 おい、絶対振り向くなよ!
俺はさっきから目を合わせちゃいけないと思って、目をそらしてるんだけど・・・・。」

と言いました。
 私が、

「 でもちょっとやばいかも・・・、あの女近づいて来てるよ。」

と言うと、Sが、

「 やばいな・・・。
とにかく、さり気なく、ここを出よう・・・。」

と提案して来たので、

「 それじゃ、そう言うことで・・・。」
「 うん。」

と、何も無かったようなそぶりで、ゆっくりと2人でドアに向かい部屋を出ました。
 あの時はよく2人とも冷静に行動できたと、今でも不思議です。
部屋を出るなり、我ら2人は転げるように走って先輩の部屋に逃げ込んだのです。
 翌朝フロントに散々文句を言い、2度とそのホテルを利用しなかったことは言うまでもありません。

” あの時、あの女が来ることに気づかず、私たちのすぐ近くまできてしまっていたら・・・。”

と思うと、今でもゾッとします。
 まさか東京のど真ん中、しかも銀座であんな体験をするとは思いませんでした。
それに、あのホテルに無性に腹が立ちました。







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日々の恐怖 12月26日 ビジネスホテル(4)

2020-12-26 17:17:39 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 12月26日 ビジネスホテル(4)




 私が部屋の奥の風呂場の方を向いて、Sが窓の方を向いていました。
しばらく話をしていると、Sが急に私の話に対して生返事をするようになって来ました。
 私は、

” 疲れているせいだな・・・、そろそろ少しでも寝るか・・・・。”

と思い、ふと部屋の奥の方を見ました。
するとさっきまで気がつかなかったのですが、閉めたはずの風呂場のドアが開いているのが目に入りました。
 そして薄暗くて良く分からないのですが、そのドアの開いた隙間の床を、何かもぞもぞと動いているのが見えました。

” 何だ!今度はネズミか!?”

と驚いていると、その少し上方に黒くて丸いものが見え始めて来ました。
 私は次の瞬間、自分の目を疑いました。
それが、何であるのかが分かったからです。
 それは間違いなく髪の長い女性の頭部でした。
最初にネズミと思ったのは、その女性の手でした。
 つまり正座をして床につけた両手を大きく前に突き出すような、土下座をするような格好をした女性が、

” ずる・・・、ずる・・・。”

と、少しずつ這うようにして、風呂場から出て来ているのです。








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日々の恐怖 12月24日 ビジネスホテル(3)

2020-12-24 09:20:15 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 12月24日 ビジネスホテル(3)




 それでも今日はSが一緒と言うこともあり、多少心強かったため部屋に入りました。
ところが部屋に入って又ビックリ、和風作りのだだぴっろい部屋なのですが、これが異常に汚い。
ホコリはかぶり放題、ふすまは薄汚く汚れて破けている、障子もしかり。
変な屏風みたいのがあったり。
 畳はじめじめと湿っていて、所々なんかコ-ヒ-でもこぼしたみたいに赤黒く染みがついているし、どう見ても2~3年は使った気配のない部屋でした。

” 何だこれ・・・・?”

と思い、よっぽど文句を言ってやろうかと思いましたが、明日も早いことだしどうせ数時間しかいないのだから、風呂入ってビ-ルでも飲んで寝よう、と言うことになりました。
 ところが部屋の奥の方にある風呂場が又大変。
とても入れる気分の物ではありませんでした。
仕方無しに私たち2人は、風呂もあきらめ布団を敷こうとしたのですが、これも酷い。
じめじめと、かび臭い。
それで、布団を敷くのもあきらめ、部屋の真ん中に胡座をかいて向き合い、私たちはビ-ルを飲みながら雑談を始めました。






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日々の恐怖 12月18日 ビジネスホテル(2)

2020-12-18 19:50:48 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 12月18日 ビジネスホテル(2)



 私はホテルに、何とかしろと猛烈に抗議しました。
ですがホテルの係は、部屋が無いの一点張りです。
終いには、私の部長まで巻き込んでの大騒ぎです。
 結局、ツインなら何とか用意できるとの返事をもらい、シングルの料金で部屋の用意をしてもらうことになりました。
 ホテルに着いたのは夜中の1時を少し回った頃だったと思います。
眠そうな顔をしたフロントの係に鍵をもらい、私たち4人は各部屋に散りました。
当然部長と先輩にシングルの部屋を譲り、私と同期のSはツインの部屋に泊まることにしました。
 途中、自販機でカンビ-ルとおつまみを買い、私たちは最上階の角に位置する部屋に行きました。
鍵を開けて部屋に一歩入った瞬間、

” あ、この部屋なんか嫌ダナ・・・・。”

と感じました。
 皆さんも旅先等で部屋に案内されたとき、こういう感じがすることありませんか?
何がどうというわけではないのだけれど、直感的に嫌な感じの部屋。
私はいわゆる霊感と言うようなものは一切持ち合わせていないのだけれど、たまにあるこの感覚。
しかも、過去最悪の嫌な感じがしたのです。








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日々の恐怖 12月16日 ビジネスホテル(1)

2020-12-16 18:26:09 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 12月16日 ビジネスホテル(1)



 私は証券会社に勤務しています。
私の部署は今はもうそんなことは無いのですが、7~8年位前までは毎年3月、9月の決算期にはホテルを取って泊り込みで仕事をするほど忙しくなる部署でした。
これはそんな忙しい時期の出来事です。

 私の勤務地の日本橋は証券会社が多く、どこの会社もこの時期の事情は同じなため、いつも2ヶ月以上前にホテルの予約を入れるのですが、その年は私が少しのんびりしていたため
会社近辺のホテルは全て満室になってしまいました。
仕方無しに多少遠目でも構わないと言うことで、やっとの思いで銀座の某ビジネスホテルに、私と同期のSと先輩と部長のシングル4部屋分の予約を入れる事が出来ました。
 ビジネスホテルを予約すると言っても実際ホテルに着くのは夜中の2時、3時で風呂に入って多少の仮眠が取れる程度ですが、その年は幸運にも多少早くホテルに行けそうでした。
 私は予約の確認の電話をホテルにしました。
ところがビックリです。
なんとホテルの手違いで他の予約とダブルブッキングされて、シングル2部屋しか用意できなと言われたのです。







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日々の恐怖 12月13日 自分の絵

2020-12-13 13:24:24 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 12月13日 自分の絵




 右向きの人物の左目が全部描かれていないのに、私は描いていると思ってたし、そう見えてた。
あと、ものすごく顔が細長く落花生のような輪郭になってたのに、私の目には普通に見えてた。
匿名のコメントから絵がおかしくなっていると指摘されたんだけど、荒らしに悪口を言われたんだと思ってしまい、ブログで愚痴ってしまった。
 それを読んだ投稿者はそれでもキレることなく、悪口ではなく心配なのだという内容の丁寧なメールをくれた。
その人に言われた通り過去の絵と重ねてみたり、反転させてみたら、本当に崩れていたし、目は描かれていなかった。
 怖くなって病院に行ったら、脳の病気が見つかった。
放っといたら半年くらいで死んでいた、と言われた。
 手術して今は大丈夫だけど、当時の原稿は本当にやばい。
それが普通だと思ってたのが怖かった。





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日々の恐怖 12月9日 子供の手(2)

2020-12-09 18:23:07 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 12月9日 子供の手(2)




 1ヶ月ほどたったある休日、私は部屋の整理をしていた。
荷物を収納しようと、備え付けのキャビネットの一番下にある引き出しを開ける。
 底に敷かれていた厚紙を引っ張り出すと、その下にあった何かがヒラリと床に落ちた。
拾い上げて見ると、幼稚園児くらいに見える男の子の写真だった。
とっさに風呂場の手を連想し、気味が悪くなったので他のゴミと一緒に捨てた。
 その日の夜、テレビを見ていると浴室から何やら物音が聞こえた。
行ってみると、普段は開けっ放しの浴槽の蓋が閉じられている。
開けてみると、冷水が縁ギリギリまで一杯にたまっていた。
 夏場はシャワーのみで済ますため、浴槽に湯をためることなど無いはずだった。
考え込みながら水面を眺めるうちに、私の背後にスッと影が立つのが見えた。
 肩越しに、髪の長い女の姿が見えた。
ドンッと不意に背中を押され、私は頭から冷水に突っ込んだ。
慌てて持ち上げようとする頭を、凄い力で押さえつけられる。
もがいて逃れようとするがビクともしない。
肺から空気が逃げ出していく。
 パニックに陥る寸前、私は床を蹴って浴槽に身を躍らせた。
そして浴槽の底に手足を突き、全力で体を持ち上げる。
水面を破って立ち上がると、呼吸を整え、周囲を見渡した。
 誰もいない。
風呂場の扉は開いているが、外の様子はうかがい知れない。
 風呂場から出る勇気が出ないまま、私は浴槽の中に立ち尽くしていた。

” サワ・・・。”

ふくらはぎに何かが触れた。
 小さな手にゆっくりと足首を掴まれる感触があった。
私は悲鳴を上げ、ずぶ濡れのまま浴槽から、風呂場から、アパートから飛び出した。
 私が引っ越す前、ここに誰が住んでいたのか、ここで何があったのか、大家はそれを語ろうとしなかったし、私も聞こうとは思わなかった。
それから部屋を引き払うまでの約一週間、浴室の扉の前には荷物を一杯に詰めた段ボールを積み上げておいた。








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日々の恐怖 12月6日 子供の手(1)

2020-12-06 17:45:11 | B,日々の恐怖



 日々の恐怖 12月6日 子供の手(1)



 入社3年目の6月、私は愛知県の営業所へ転勤となり、引っ越しすることになった。
会社が探してくれた2DKのアパートは独り身には広すぎるようにも思えたが、入社以来、狭い寮で生活していた私の目には非常に魅力的に映った。
 職場にも近いし家賃も安い。
なにより、風呂付きなのが最高だった。
 引っ越して何日目かの夜、風呂でシャワーを使って髪を洗っている最中のことだった。
水流でぼやけた視界の隅に、一瞬、妙なモノが映った。
 それは、浴槽の縁に置かれた両の手だった。

慌てて目を見開いて向き直ったが、手などどこにもない。

” 目の錯覚だろう・・・・。”

その時は、そうやって自分を納得させた。
 しかし、そんな性根をあざ笑うかのように、それはしばしば私の前に姿を見せた。
シャワーを浴びている時、石鹸を置いて振り返る時、洗面器に手を延ばした時。
視線が浴槽を掠めるその一瞬に、私の眼がそれを捉える。
 浴槽の縁にしがみつく白い手だ。
半ば反射的に視線を戻しても、次の瞬間には跡形もない。
それでも、回を重ねるうちに、それが子供の手だということに確信するようになった。








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日々の恐怖 12月3日 フィルム

2020-12-03 17:57:35 | B,日々の恐怖




 日々の恐怖 12月3日 フィルム




 病院でレントゲン技師をしとるのだが、一度だけ現像が出来上がったばかりのフィルムをその場で破棄、撮り直した経験がある。
 末期の肺ガンの患者さん。
胸部写真で、病巣が何故か真っ白に写っていた。
不審に思って良く見てみると、病巣全面に渡って小さな顔がビッシリ、それも全部同じ顔だった。
ドクターに相談して、患者には見せずに破棄した。
 次に撮り直した写真には、何故かちゃんと癌組織が写ってました。
病院勤めだからいろいろあったが、あれほどゾッとした事は無かった。
 ちなみに、撮影した患者さんは三ヶ月後に亡くなられた。
どんな境遇の方だったかは知らんのだけどね。








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